平成23年10月
中野外務大臣政務官は,パリにて開催された第23回IEA閣僚理事会に参加し,全てのセッションに出席した【会合概要】。全体のテーマは「我々のエネルギーの将来:確実に,持続可能に,共に」で,エネルギー安全保障から再生可能エネルギー,省エネ,原子力,非加盟国との協力,エネルギーアクセスまで幅広いトピックが議論された。
中野外務大臣政務官は,「石油:エネルギー安全保障に対する包括的なアプローチに向けて」をテーマとした18日午後のセッション3パート1において,1)リビア情勢の緊迫化に伴う石油供給途絶の恐れに対応するための本年6月のIEAによる協調備蓄放出によりIEAの有する緊急時対応能力の高さと重要性が再確認されたと評価する,2)インドとの石油供給途絶時の協力に向けた覚書の締結や緊急時対応訓練の実施等を通じたアウトリーチ活動の進展を評価する,3)緊急時対応能力の実効性の維持のため,IEAと非加盟国との協力関係の更なる発展に期待する旨発言した。
中野外務大臣政務官は,枝野経産大臣とグリアOECD事務総長との会談に同席し,大臣退席後も引き続き,同事務総長と会談した。その中で,中野外務大臣政務官は,OECD傘下の原子力機関(NEA)による合理的な分析や情報の提供は有益であるとして高く評価するとともに,同機構によるG20のプロセスにおける雇用や気候変動などの各取り組みを支持する旨発言した。また,中国,インド,ブラジルなど新興国へのアウトリーチ活動を評価すると表明。さらに,我が国からも邦人職員の派遣拡大などを通じて同機構の活動に人材面での貢献も続けていきたい旨発言した。
これに対し,グリア事務総長から,OECDを頼りにし,使っていただきたい,日本人の採用に努力したい旨の発言があった。
冒頭,中野外務大臣政務官から,東日本大震災に際しての同国からの支援への謝意を表明。また,中野政務官は,同次官補とメキシコ及び世界のエネルギー情勢に関する意見交換を行った。さらに,中野政務官は,同次官補のIEF事務局長就任に祝意を表明し,我が国としても事務局長としての今後の活躍を期待している,来年3月にクウェートで開催予定のIEF理事会をはじめとするIEFの活動に協力して行きたい旨発言した。
これに対し先方より,中野外務大臣政務官の発言に謝意の表明があり,今後とも協力を密にしていきたい旨の発言があった。
会談では,中国のエネルギー需給見通し,原子力エネルギー政策,非在来型ガスのポテンシャル,クリーンエネルギー推進に向けた取組,及び今後の我が国のエネルギー政策に関する意見交換が行われた。