外務本省

河井外務大臣政務官のウラジオストク訪問(概要)

平成17年7月12日

1.日程・概要

 7月9日~11日、河井外務大臣政務官は、ウラジオストクを訪問し、退役原潜解体協力事業「希望の星」の解体現場等を視察するとともに、同事業の現状、今後の取り進め方や我が国と沿海地方、ウラジオストクとの関係強化について関係者と意見交換を行った。

(1)「希望の星」関連

 7月10日、「希望の星」事業の第1隻目の原潜解体を行ったズヴェズダ造船所及び解体から生じる原子炉区画が保管されているダリラオ社(極東ロシアにおける放射性廃棄物の保管等を所管の国営会社)の施設を視察した。前者では、原潜解体に使用されている金属切断機、浮きドック、作業棟に加え、我が国が2001年に供与した液体放射性廃棄物処理施設「すずらん」を視察した。後者では、29の原子炉区画が海上に繋留されている海上保管施設と建設中の原子炉区画陸上保管施設を視察した。

(2)要人との会談・献花

 7月9日、ウラジオストクの在留邦人の代表と懇談するとともに、7月11日、ゴルチャコフ沿海地方副知事及びフョードロフ太平洋艦隊司令官と会談した。また、7月11日、アルテョム市日本人抑留死亡者慰霊碑に献花した。

2.会談内容

(1)「希望の星」関連

(イ)ロシア側関係者からはこれまでの我が国の非核化協力、特に、昨年12月に完了した「ヴィクターIII級原潜解体協力事業」に対する我が国の協力に対して謝意が表明されるとともに、日本海の環境保全等の観点から引き続き原潜解体に対する我が国の協力をお願いしたいとの発言があった。これに対して河井政務官からは、現在、最終段階にある5隻の原潜解体協力に関する日露間の協議が早期に合意に達し、新たな原潜解体協力を開始できるようにしたい旨応じた。

(ロ)ロシア側は、安全のため、現在、海上で保管している原子炉区画を陸上に移して保管する施設を建設中のところ、河井政務官より、我が国は同陸上保管施設の建設に関心を有しており、近いうちに日露間で同施設建設に対する我が国の協力について協議を開始したい旨表明した。

(2)要人との会談

 河井政務官は、「希望の星」事業に加え、我が国と沿海地方との経済関係の強化、沿海地方の戦略的・地政学的重要性等の幅広い分野で意見交換を行った。

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