前原外交を語る

政治主導:明確な説明と責任をとる覚悟

大臣の日本外国特派員協会における講演
(平成22年10月5日(火曜日):日本外国特派員協会)

【大臣】我々が野党のときに,政権交代をした時には「政治主導」をやっていく,と言っていましたが,党内にはいくばくかの誤解や思い込みがあったのではないかと思います。その,政治主導というのは,政治家が全て行い,官僚,役人を排除するという意味であり,あくまでも一部の考え方でしたが,私は,それは間違った考え方であったと思います。外務省はまだ,大臣になってから2週間程度ですので,明確なことは申し上げられませんが,国土交通省で仕事をした経験から申し上げると,役人はきわめて優秀です。しかし,横並びを重視し,前例というものも重視をするし,天下りというものに固執する面もあったことも事実です。大事なことは,言うべきことはしっかりいう,そして言うことを聞かない役人については人事も含めた毅然とした対応をとる,しかし十分に話し合って優秀な役人を同じ政策に向かわせ,そして努力をしていく,ということも大事な政治主導だと思います。役人の視線をひしひしと感じますが,この大臣は逃げないのか,最後まで責任をもってくれるのか,というのを役人は厳しくみています。したがって,優秀な官僚組織を使おうと思えば,明確な説明と,最後は責任をとるという覚悟が重要だと思っています。

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