日露関係:「北方四島の帰属の問題を解決して,平和条約を締結」「日露双方がウィンウィンとなるような交渉をしていきたい」
大臣の根室管内訪問の際の記者会見
(平成22年12月4日(土曜日):北海道根室市「北海道立北方四島交流センター」)
【大臣】本日,元島民,二世の方,地元首長及び関係議員の皆様と懇談・対話を行いました。また,千歳空港から海上保安庁の通常の哨戒業務に乗せていただき,国後島,水晶島そして貝殻島をはっきりと見ることができました。我が国固有の領土である北方領土が65年にわたって返還されていないことを再認識し,早く返還を実現したいとの思いを強くしました。
また,元島民等との対話において,参加者から様々な意見を聞き,戦略をしっかりともって交渉に取り組みたいとの思いを強くしました。さらに,返還運動関係者に対する支援や教育分野での啓発活動などについてのご意見もいただきました。これらは他省庁にもまたがる問題であるが,関係省庁と協力し,返還運動の機運を盛り上げるとともに,しっかりとした戦略と強い意思をもって進めることが重要であると感じました。
領土問題については,横浜APECで約2時間,ラヴロフ外相と領土問題を中心に議論を行ったところであり,早くモスクワを訪問し,交渉の第二ラウンドを行って,日本の考えを伝え,その後の首脳会談につなげていきたいと考えています。
【記者】元島民からはどのような意見が出され,それに大臣はどのように答えたのでしょうか。また大臣はいつ頃ロシアを訪問するお考えでしょうか。
【大臣】元島民の方々の意見を聞き,国会答弁で私が述べている印象と同様の印象を持っていると感じました。すなわち,四島のインフラ整備が進むことにより,四島の雰囲気が変わってきているということであります。四島で地震が起きた時,現島民の約73%が日本への返還に賛成していましたが,しかし今アンケートをとれば約83%の現島民が日本への返還に反対するとのデータもあり,大きく逆転しているという話があります。また,墓参や四島交流に参加した方からは「非日本化」や「ロシア化」を危惧する声も出ていました。さらに,元島民の高齢化が進む中で戦略をもって交渉を早く前進させてほしいとの意見が複数の方からありました。その他,国民の連帯意識の向上のために努力してほしい,教育現場でも北方領土の歴史的経緯をしっかり教えてほしいとの意見が出されました。 私の訪露については,国会がいつ始まるかによりますし,国会が始まれば平日は難しいと思います。土日を含め3連休が続くような日程を探し,できるだけ早く領土交渉の第二ラウンドを開始したい,また領土交渉だけでなく,経済,環境,資源といった分野での議論を進め,その流れの中で,解決を図っていくことも重要と考えています。日露双方がウィンウィンとなるような交渉をしていきたいです。
【記者】大臣なりに領土交渉の具体論はあるのでしょうか。
【大臣】この場ではっきりと言えることは,北方四島は我が国固有の領土であり,北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというのが政府の立場であり,菅政権においても変わりはないということであります。