平成24年1月28日
1月25日から27日まで,山根外務副大臣は,アフリカ連合(AU)閣僚執行理事会が開催されているアディスアベバ(エチオピア)を訪問したところ,概要は以下のとおり。
ポイント:AU加盟54ヶ国・地域の外相に対し,明年横浜でのTICAD V首脳会議への各国首脳の出席要請を中心とするメッセージを発出した他,AU委員会との協議,コモロ大統領表敬,エチオピアを含む13名の外相等との二国間会談を実施する等,充実した訪問となった。
1月25日,AUのジャン・ピン委員長との間で,日・AU関係強化に関する意見交換を実施。冒頭ピン委員長からは,日本の一貫したアフリカ支援の姿勢に対し,改めて謝意が表された。また,山根副大臣から,TICAD V及び第4回TICAD閣僚級フォローアップ会合の開催を改めて表明し,AU委員会のTICAD共催者としての協力及び参加を要請したのに対し,ピン委員長は,全面的な協力と参加を約した。さらに,ソマリア,南北スーダン等の地域情勢につき意見交換を行った。最後に,山根副大臣から,汎アフリカ大学(PAU)構想への日本の協力につき説明したのに対し,ピン委員長から強い期待感が示された。
26日,AU閣僚執行理事会に参加したアフリカ各国の閣僚級代表に対し,山根副大臣からのメッセージ(和文,英文,仏文)を発出。東日本大震災一周年を前に,アフリカ諸国から寄せられたお見舞いや支援に改めて感謝の意を表するとともに,今後も力強いアフリカ外交を推進していくとの決意を述べた。また,2013年6月1日~3日,横浜にて第5回アフリカ開発会議(TICAD V)を開催することを発表し,各国首脳の参加を要請。さらに,TICAD Vに向けた一連の準備会合の出発点となる第4回TICAD閣僚級フォローアップ会合を今後,モロッコにて開催することを発表し,各国閣僚の参加を要請。
最後に,TICAD Vに向け,我が国は引き続き,「平和と安定への貢献」,「開発支援と貿易投資の拡大」,「グローバルな課題への対応」を3本柱として対アフリカ外交を力強く展開していく旨述べるとともに,アフリカにおいて存在感を増しているAUとの関係深化を歓迎する旨述べた。
(1)イキリル・コモロ大統領を表敬。また,ハイレマリアム・エチオピア副首相兼外務大臣,ベン・カイヤール・リビア外務・国際協力大臣,バソレ・ブルキナファソ外務・域内協力大臣,ラマ・ギニア外務・在外ギニア人大臣,オケロ・ウガンダ国際問題担当国務大臣(外相代行),ボルジェス・カーボヴェルデ対外関係大臣,ヌヨマ・ナミビア外務大臣,ワナシ・スーダン外務副大臣,イブラヒム・ソマリア暫定連邦「政府副首相兼外務大臣」,シコティ・アンゴラ外務大臣,ニヤル・デン南スーダン外務・国際協力大臣の計11名のアフリカ外相等と二国間会談を実施。これに加え,マカリー・ニュージーランド外務大臣,コルデイロ・ブラジル外務副次官とも会談を行った。
(2)各会談において,山根副大臣からは,以下の点を中心に発言。
(3)各国外相等からは,日本が震災を乗り越え,積極的な対アフリカ外交を推進していることへの高い評価や長年にわたる日本の対アフリカ支援に対する謝意が表明されるとともに,その基軸であるTICADプロセスへの期待と各国の協力姿勢が示された(TICAD V及び第4回TICAD閣僚級フォローアップ会合への出席希望も多数表明)。また,更なる協力強化に向け,各国の重視する分野や喫緊の課題にかかる協力につき要請や期待の表明があった。安保理改革をはじめとする国際場裡における協力に関しては,目標実現のための協力強化の必要性について一致した。
山根副大臣は,27日午前,エチオ・ジャパン・ルネッサンス小学校(我が国のノン・プロジェクト無償資金協力により建設),カイゼン・サイト(「マル」金属加工所。我が国が「カイゼン・プロジェクト」で技術協力を実施)をそれぞれ視察した。また,エチオピア各地で活動中の青年海外協力隊を含む援助関係者を激励するとともに,在留邦人とも懇談した。