外務本省

武正外務副大臣の第7回WTO閣僚会議出席
(概要)

平成21年12月2日

  1. 11月29日(日曜日)から12月1日(火曜日)までジュネーブに出張し、第7回WTO閣僚会議(於:CICG(ジュネーブ国際会議センター)に出席。初日は赤松農水大臣と共に、2日目からは直嶋経産大臣が加わる形となった。
  2. 今回のWTO閣僚会議は、前回の香港閣僚会議の開催以来4年ぶり。但し、今回はドーハ・ラウンド交渉そのものを行う場ではなく、ラウンド交渉の評価を含むWTOの機能の再点検を中心議題として、153の加盟国代表が一同に会した。

  3. 閣僚会議出席の機会を利用して、

    (1)クリーン豪貿易大臣主催のサービス交渉会合やラミー事務局長主催LDC閣僚朝食会等にも出席。また、WTOに加盟申請しているサモアとの間の二国間交渉終了についての署名式に出席し、先方貿易大臣との間で署名を行った。

    (2)バイの会談では、ラミー事務局長をはじめ、ブラジル、中国、豪州の関係者と、ドーハ・ラウンド交渉を中心に意見交換を、また、カークUSTR代表やインドのシャルマ商工相等と立ち話を実施。

    (3)一連の会合では、主に新政権として、(1)多角的自由貿易体制の維持・発展と、ラウンド交渉のための閣僚委員会を設置したこと、(2)ドーハ・ラウンド交渉の妥結に向けた新政権の姿勢を表明すると共に、(3)途上国に対する「貿易のための援助」の重要性を強調した。

  4. ラウンド交渉に関する(ラミー事務局長や各国閣僚の)基本的な見方としては、2010年の妥結という首脳間での合意に向けて作業していく上で、実務レベルによる技術的な議論をさらに蓄積し、しかるべきタイミングで閣僚による評価が必要となることが確認された。
     また、これらの会談や立ち話の機会を通じて、各国からはドーハ・ラウンド交渉における米国の柔軟な対応を求める声が多く聞かれた。また、我が国については新政権と来年のAPEC議長としての我が国へのエールをいただいた。
  5. 個別の会談についての状況は以下のとおり。

    (1)ラミー事務局長からは、加盟国間の交渉を促進する立場から、ドーハ・ラウンド交渉の現状について説明をいただき、こちらからは我が方の立場を申し上げた。なお、先方は国際機関の予算に対する外務省の責任をよく理解しており、次期WTO予算についての日本の配慮について直々に要請があった。

    (2)ブラジルのアモリン外務大臣とは、日伯関係全般についても幅広く意見交換を行ったが、ラウンド交渉について必ずしも同外相が楽観視していないことが窺えた。

    (3)それから、中国の易(イ)商務部副部長との会談では、自分からはかつての我が国がそうであったように、今次ラウンドの成功のためには、自由貿易体制の下で恩恵にあずかる途上国の貢献が欠かせない旨を申し上げ、突っ込んだ意見交換を行った。

    (4)また、交渉促進派であるクリーン豪州貿易大臣との会談では、(同大臣は今回、サービス交渉の促進がひいては交渉全体の促進につながるとの考えから別途少数国の会合を実施しており、自分も同会合に出席をしたが、)ラウンド交渉の早期妥結に向けた交渉促進策について意見交換を行った。

【参考】今次出張中の主要行事・会談相手

1. 各種会合

(1)第7回WTO閣僚会議(於:CICG)
  (全体会合2日目に直嶋経産大臣が代表して演説)

(2)ラミー事務局長主催LDC閣僚朝食会(於:ラマダ・ホテル)
  (「貿易のための援助」に係る途上国支援の枠組みについて)

(3)クリーン豪貿易相主催少数国サービス会合(於:インターコンチネンタル・ホテル)

(4)日・サモアのWTO加盟交渉署名式(於:CICG)
  (日・サモア間での加盟交渉の実質的終了)

(5)邦人国際機関職員との懇談(於:駐寿府大使公邸)

(6)日本代表団主催ビュッフェディナー(於:日本政府代表部)

2. バイ会談

(1)WTO(ラミーWTO事務局長)※赤松農水大臣に同席

(2)ブラジル(アモリン外務大臣)

(3)中国(易(イ)商務部副部長)

(4)豪州(クリーン貿易大臣)

3. その他(立ち話等)

 シャルマ印商工相主催レセプション
 ロイタード・スイス経済相主催カクテル
 日本代表団主催ビュッフェディナー

(1)米(カークUSTR代表)

(2)印(シャルマ商工大臣)

(3)スイス(ロイタード経済大臣)

(4)インドネシア(パンゲツ商業大臣)

(5)メキシコ(ルイス経済大臣)

(6)タンザニア(ナグ産業・貿易・マーケティング大臣) 等

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