外務本省

武正外務副大臣の中南米訪問(概要と成果)

平成22年5月10日

 武正外務副大臣は、4月29日(木曜日)から5月10日(月曜日)にかけて中南米諸国を訪問したところ、概要以下のとおり。

1 ベネズエラ

 (1)主要な行事

 ロドリゲス電力相、バレロ外務次官と会談を行った。

 (2)訪問の成果

 資源大国である同国との間で経済関係、特にエネルギー電力分野での協力の拡充を図るとともに、経済の国家管理を強化している同国で活動する日本企業のため、ビジネス環境整備に向けた働きかけを行った。また、コペンハーゲン合意に反対した同国に対し、気候変動に関する我が国立場への理解、COP16に向けた協力を促した。

2 セントルシア

 (1)主要な行事

キング首相、ブースケイ外相と会談を行った。

 (2)訪問の成果

 日・セントルシア二国間の友好協力関係を維持・強化するとともに、14ヶ国を擁するカリブ共同体(カリコム)加盟国である同国との意見交換を通じ、日・カリブ関係強化を図った。同時に、気候変動、海洋資源の持続的利用等の国際社会の諸課題について、域内における我が国立場への理解を深めた。

3 ジャマイカ

 (1)主要な行事

 ロビンソン外務担当国務相、チャン水・住宅担当相と会談を行った。

 (2)訪問の成果

 日・ジャマイカ二国間の友好協力関係を維持・強化するとともに、本年7月からカリコム議長国となる同国との意見交換を通じ、日・カリブ関係強化を図った。同時に、気候変動、ハイチ復興支援等の国際社会の諸課題について、域内における我が国立場への理解を深めた。

4 パナマ

 (1)主要な行事

 バレーラ副大統領兼外相、アレマン中米統合機構(SICA)事務局長(エルサルバドルからパナマに出張中)と会談を行った。

 (2)訪問の成果

 我が国が主要ユーザーであるパナマ運河を有し、また、我が国の外交政策を支持してきている同国と二国間関係を強化するとともに、現在SICA議長国である同国と日・中米間の関係強化について意見交換を行った。また、気候変動に関し建設的な立場をとる同国に対し、他の中南米諸国への働きかけを促した。
 また、SICA事務局長との会談では、日本・中米経済交流促進ワーキング・チームの議論の促進等について意見交換を行った。

5 エルサルバドル

 (1)主要な行事

 フネス大統領、マルティネス外相、マルティネス公共事業相と会談を行った。

 (2)訪問の成果

 堅実な政権運営を行っている同国の穏健左派政権との間で二国間関係を強化するとともに、中米統合の中心的存在である同国と日・中米間の関係強化について意見交換を行った。また、気候変動等の国際社会の諸課題に関し、我が国立場への理解を促した。デジタル・テレビについても我が国方式の採用検討の働きかけを行った。

6 コスタリカ

 (1)主要な行事

 チンチージャ新大統領の就任式に参列するとともに、同大統領、カストロ新外相と会談を行った。また、昨年6月のクーデター発生後、接触を控えてきたホンジュラスについて、4月下旬に我が国として政府承認したことを受け、ロボ新大統領とも会談を行った。

 (2)訪問の成果

 大統領就任式に参列し、我が国との関係を重視する新政権に対し、関係強化に向けた強いメッセージを伝達した。また、日・中米関係の強化を確認するとともに、気候変動に関し建設的な立場をとる同国に対し、他の中南米諸国への働きかけを促した。コスタリカ政府は日本のデジタル・テレビ方式を採用するとの決定を行った。
 また、ホンジュラスのロボ大統領との会談では、ニ国間関係が正常化したことを踏まえて、今後のニ国間関係の増進、また、日・中米間の関係強化について意見交換を行った。

7 その他

 各地の邦人社会の代表者とも意見交換を行うと同時に、JICAのボランティアの激励を行った。また、各国政府との会談では、我が国の支援、特にボランティアで現地において献身的に活躍している日本人を、受け入れ政府の立場からも紹介して欲しいとの要請を行った。


(日程)
4月29日(木曜日)
成田発
同日
ベネズエラ着
5月1日(土曜日)
ベネズエラ発
同日
セントルシア着
5月3日(月曜日)
セントルシア発
同日
ジャマイカ着
5月4日(火曜日)
ジャマイカ発
同日
パナマ着
5月5日(水曜日)
パナマ発
同日
エルサルバドル着
5月7日(金曜日)
エルサルバドル発
同日
コスタリカ着
5月8日(土曜日)
コスタリカ発
5月10日(月曜日)
成田着
このページのトップへ戻る
武正副大臣訪問・会談記録 |  目次へ戻る