11月16日(火曜日)(米ニューヨーク時間),松本剛明外務副大臣は,米国ニューヨークに出張し,国連本部で行われたスーダンに関する国連安全保障理事会の閣僚級会合に出席したほか,関係者との会談を行ったところ,概要以下のとおり。
1.スーダンに関する国連安全保障理事会閣僚級会合への出席
- (1) 英国のヘーグ外務大臣が議長を務めた本件会合では,スーダン情勢に関する討論が行われ,潘基文国連事務総長のほか,安保理理事国よりクリントン米国務長官,シュピンデルエッガー・オーストリア外務大臣,アルカライ・ボスニア・ヘルツェゴビナ外務大臣,アジェモゴビア・ナイジェリア外務大臣,オケロ・ウガンダ外務副大臣,パトリオッタ・ブラジル外務副大臣といった閣僚レベルや国連常駐代表,及びケルティ・スーダン外務大臣,パガン・アマム・スーダン解放人民運動(SPLM)幹事長兼南部スーダン政府和平・CPA(南北包括和平合意)履行担当大臣が出席しました。
- (2) 会合の冒頭,CPAに基づき南部スーダンの分離を問う住民投票の有権者登録開始を歓迎するとともに,住民投票が予定通り1月9日に実施されることの重要性や,住民投票後の課題等についての南北スーダン当事者間の交渉の進展を慫慂すること,ダルフール和平達成の必要性などを内容とする,安保理議長声明が発出されました。
- (3) 安保理メンバーによるステートメント(日本語/英語)において,松本副大臣は,ケルティ・スーダン外務大臣とアマム南部スーダン政府和平・CPA履行担当大臣の双方から,CPAの誠実な履行及び住民投票を予定通り実施するとの力強い決意が表明されたことを高く評価した上で,CPAに基づく住民投票が予定通り1月9日に自由且つ公正に実施されることの重要性を改めて指摘するとともに,すべての関係者が結果を受け入れ,南北両当事者が結果の如何に拘わらず協調していく必要性を強調し,我が国による住民投票への資金支援や監視団派遣準備を含む我が国による支援取組等について説明しました。また,CPA履行を支援する国連や国際社会の取組の重要性にも触れつつ,アフリカの真の友人として我が国が引き続きスーダンの平和と安定の実現に向けて積極的に関与していく決意を表明しました。
2.二国間会談等
(1)パトリオッタ・ブラジル外務副大臣との会談
松本副大臣は,上記安保理会合に出席したパトリオッタ・ブラジル外務副大臣との会談を行い,日・ブラジル二国間の交流のほか,国連における両国間の協力や安保理改革等の共通関心事項についての意見交換を行い,今後もこうした面で両国が協力していくことを確認しました。
(2)ダイス国連総会議長との会談
松本副大臣は,別途,ダイス国連総会議長と会談を行い,安保理改革について意見交換を行い,国連総会がこの問題に取り組む上でのダイス議長の指導力への期待と我が国が同議長に協力していく意思を表明しました。
(3)アフリカ問題に関する外交問題評議会(CFR)との朝食・懇談会
松本副大臣は,米外問題交評議会(Council on Foreign Relations, CFR)のジョン・キャンベル・アフリカ政策担当シニア・フェローとの朝食・懇談会を行い,TICADプロセスを含む我が国によるアフリカでの取組内容を紹介しつつ,アフリカ情勢について意見交換を行い,今後日米両国がアフリカについて一層協調していくことの重要性につき一致しました。
<参考>日程概要
- 11月15日(月曜日)
- 本邦発ニューヨーク着
- 11月16日(火曜日)
- アフリカ問題に関する外交問題評議会との朝食・懇談会
スーダンに関する安保理閣僚級会合
パトリオッタ・ブラジル外務副大臣との会談
ダイス国連総会議長との会談
ニューヨーク発 - 11月18日(木曜日)
- 本邦着