外務本省

浅野外務副大臣のモンゴル訪問
(概要)

平成19年5月2日

 浅野副大臣は、本年2月末のエンフバヤル大統領訪日の際に策定された「今後10年間の日本モンゴル基本行動計画」(以下『基本行動計画』)の実施の方策を含む二国間関係についてモンゴル側要人と協議することを主たる目的として、4月28日(土曜日)から5月2日(水曜日)までモンゴルを訪問したところ、その概要は次のとおり。

1.概要

 昨年2月の(M.)エンフボルド首相及び本年2月末のエンフバヤル大統領の我が国訪問、昨年8月の小泉総理のモンゴル訪問といったハイ・レベルの相互訪問に加え、両国国会議員の相互訪問も活発になっており、両国関係は新しい発展の段階に向かってスタートを切った。今回の浅野副大臣のモンゴル訪問は、本年2月末に行われたエンフバヤル大統領訪日の実務的フォローアップとしてタイミング良く実施され、我が国としてのモンゴルとの関係強化への姿勢を強く印象付けることが出来た。浅野副大臣をエンフバヤル大統領、(M.)エンフボルド首相、(N.)エンフボルド外務大臣、ツォルモン外務副大臣、バトボルド官房長らの要人がそれぞれ個別に迎え会談を行ったことに、モンゴル側の対日関係の重視、更に日本に対する大きな期待が看取された。

2.要人との会談

 4月30日(月曜日)、浅野副大臣は、エンフバヤル大統領(半時間以上)、(M.)エンフボルド首相(約1時間)及び(N.)エンフボルド外務大臣(約45分間)をそれぞれ表敬し、二国間関係について忌憚のない意見交換を行った。また、ツォルモン外務副大臣とは、同日、同副大臣主催の歓迎夕食会の席上、打ち解けた雰囲気で意見交換を行った。

(1)浅野副大臣は、これらの会談において、モンゴルが来年の国連安保理非常任理事国選挙への立候補を取り止め、同選挙への日本の立候補を支持することを決定したことに対して、改めて謝意を表明するとともに、基本行動計画の具体的な実施方法につき協議した。双方は、基本行動計画に沿って、特にモンゴルの鉱物資源開発のための官民合同協議会及び貿易・投資促進のための官民合同協議会を早急に立ち上げることの重要性につき一致をみた。

(2)エンフバヤル大統領との会談では、同大統領から浅野副大臣に対して、皇太子同妃両殿下のモンゴル訪問に係るモンゴル政府からの招待状が手渡され、浅野副大臣は「宮内庁を通じ至急転達する、今後検討していきたい。」と述べた。

(3)浅野副大臣は、エンフボルド外務大臣との会談後、同外務大臣との間でモンゴルの行政官20名の我が国への新規受け入れに係る無償資金協力(3億1,000万円)に関する交換公文に署名した。この無償資金協力は、将来を嘱望されるモンゴル政府(外務省、大蔵省、教育・文化・科学省、自然・環境省等)の若手行政官を日本の大学で育成することを目的とするものであり、モンゴル側から深い謝意が表明された。

3.「モンゴルにおける日本年」

(1)両国政府は、両国外交関係樹立35周年に当たる本年を「モンゴルにおける日本年」と定めている。5月1日(火曜日)、浅野副大臣は、「モンゴルにおける日本年」のモンゴル側組織委員長を務めるバトボルド官房長官と会談し、「モンゴルにおける日本年」の実施に関しバトボルド官房長官が払っている努力に対して謝意を表明するとともに、双方は、「モンゴルにおける日本年」の成功のために引き続き協力していくことにつき一致をみた。

(2)5月1日(火曜日)、浅野副大臣は、「モンゴルにおける日本年」の記念行事の一環としてウランバートルで実施されている写真展「日本国 私たちの友人展」開幕式及びチンギス創世大学「サクラ祭」(同大学で日本語を学ぶ学生たちの日頃の勉学の成果発表会)に主賓として出席した。なお、同大学から浅野副大臣に対して、日本人としては初めてとなる名誉教授の称号が授与された。

4.その他の行事

(1)4月29日(日曜日)、浅野副大臣は、モンゴルの鉱山開発の現状を把握し、鉱山分野における両国の協力のあり方を検討するための一助とするため、モンゴル第二の都市エルデネット市を訪問し、世界有数の銅鉱山を視察した。

(2)4月30日(月曜日)、浅野副大臣はガンホヤグ・モンゴル国家大会議モンゴル日本議員連盟会長等と会談した。また、同日、浅野副大臣は、モンゴル最大(中央電力網の70%の電力を供給し、ウランバートル市の暖房用温水の65%を供給)の第四火力発電所を訪問し、我が国のODAが効果的に活用されている現状を視察した。

(3)5月1日(火曜日)、浅野副大臣はウランバートル郊外にある日本人抑留中死亡者慰霊碑に献花した。更に、同日、浅野副大臣は、邦人企業のモンゴルにおける活動の現状、今後の課題等につき日本商工者連絡会の会員企業から説明を受けた。また、浅野副大臣は、日本留学の経験を有し現在モンゴルの各方面で活躍しているモンゴル人と今後の二国間関係の在り方等につき意見交換した。

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