モザンビーク共和国

令和5年10月13日

 穂坂泰外務大臣政務官は、10月4日から10日にかけて、円借款「ナカラ港開発事業」第二期工事の完工式出席等のため、モザンビーク共和国を訪問したところ、概要は以下のとおりです。

1 モザンビーク政府要人との会談

(1)ゴンサルヴェス外務協力副大臣との会談

穂坂政務官とゴンサルヴェス・モザンビーク外務副大臣

 10月5日、穂坂政務官は、食糧援助(WFP連携)署名式に先立ち、マヌエル・ジョゼ・ゴンサルヴェス外務協力副大臣(H.E. Mr. Manuel José Gonçalves, Deputy Minister of Foreign Affairs and Cooperation)との会談を行いました。
 穂坂政務官から、本年、モザンビークへの海外協力隊の派遣は20周年、日本が推進するTICADプロセスは30周年の節目を迎え、現下の不透明、不安定な時代において、モザンビーク、さらにはアフリカ諸国を含むグローバルサウスと呼ばれる国々との関係強化はますます重要となっており、引き続き協力したい旨述べました。
 これに対し、ゴンサルヴェス外務協力副大臣から、日本のモザンビークに対する支援への謝意が伝えられるとともに、TICADプロセスを通じた協力を含めて、様々な分野で日本との協力を深めていきたいとの考えが示されました。
 併せて、安保理を含む国際場裡での連携、安保理改革、ウクライナ情勢等の幅広い問題や透明・公正な開発金融の重要性について意見交換を行い、連携を強化していくことで一致しました。また、穂坂政務官から、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応に関し理解と協力を要請したことに対し、ゴンサルヴェス外務協力副大臣はすべての国が国連の決定及び決議を遵守すべきである旨述べました。さらに、穂坂政務官から、ALPS処理水の海洋放出は、国際基準及び国際慣行に則り、安全性に万全を期した上で実施されている旨説明し、ゴンサルヴェス外務協力副大臣は日本の対応に理解を示されました。

(2)ニュシ大統領への表敬

穂坂政務官のニュシ・モザンビーク大統領への表敬

 10月7日、穂坂政務官は、ナカラ港完工式後、フィリッペ・ジャシント・ニュシ大統領(H.E. Mr. Filipe Jacinto Nyusi, President of the Republic of Mozambique)に表敬を行いました。
 穂坂政務官から、本年5月に岸田総理がモザンビークを訪問したように、日本とモザンビークの今後の協力関係は非常に重要であり、また、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を実現するため、引き続き協力していきたい旨述べました。
 これに対し、ニュシ大統領から、二国間の協力のみならず、安保理を含め、国際場裡でも協力していきたい旨述べました。
 また、両者は、地域情勢についても意見交換を行い、北朝鮮情勢について、穂坂政務官から核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応などにおいて協力を要請し、ニュシ大統領の理解を得ました。また、ウクライナ情勢については、穂坂政務官から、力による一方的な現状変更に対し断固として反対している旨を伝達し、安保理の場でも連携していくことで一致しました。

2 ODA案件完工式・署名式・視察

(1)ナカラ港完工式

ナカラ港完工式における穂坂政務官スピーチの様子
ナカラ港完工式の様子

 10月7日、穂坂政務官は、モザンビーク北部ナカラにて、円借款「ナカラ港開発事業」第二期工事の完工式に出席しました。完工式でのスピーチにおいて穂坂政務官は、一時は新型コロナの感染拡大により、現地での活動を中断せざるを得なかったが、日本・モザンビーク双方の関係者が共に協力し、難しい局面を乗り越えることができた、インド洋西部の経済連結性強化につながるナカラ港の開発は、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のビジョンを具体化するものであり、インド太平洋の東端の日本と西端のモザンビークが共に手を取り合って協力し、地域全体の経済発展及び、平和と安定の実現へとつなげていきたいと述べました。
 また、式典に出席していたヒチレマ・ザンビア大統領、カクボ・ザンビア外務・国際協力大臣及びゴンサルヴェス・モザンビーク外務協力副大臣とそれぞれ立ち話を行いました。

ナカラ港に設置されたガントリークレーン
カクボ・ザンビア外相との立ち話

(2)食糧援助(WFP連携)署名式

食糧援助(WFP連携)署名式に穂坂政務官が出席する様子
食糧援助(WFP連携)に関する署名の様子

 10月5日、穂坂政務官は、ゴンサルヴェス外務副大臣とともに、木村元駐モザンビーク共和国日本国特命全権大使とアントネッラ・ダプリール国連世界食糧計画(WFP)モザンビーク事務所代表(Ms. Antonella D'Aprile, Representative and Country Director, World Food Programme Mozambique)との間で行われた無償資金協力「食糧援助(WFP連携)」の交換公文署名式に立ち会いました。

(3)ODA案件視察

穂坂政務官のマトラ市職業訓練所視察
穂坂政務官のマプト市魚市場視察

 10日6日、穂坂政務官は、日本が無償資金協力を通じて支援を行った首都マプト市の魚市場及びマトラ市職業訓練センターを、8日には円借款で整備を行ったマプト・ガス複合式火力発電所整備事業を視察しました。

マプト・ガス複合式火力発電所
発電施設

3 在留邦人、日系企業との意見交換

穂坂政務官と在留邦人との夕食会
  • (1) 10月5日、穂坂政務官は、ナカラ港開発事業関係者、モザンビークに駐在する日本企業関係者、国際機関関係者及びJICA関係者等と懇談を行い、現地での活動、モザンビークのさらなる発展に向けた課題、二国間関係強化のための方途等につき意見交換を行いました。
穂坂政務官とWASSHA社関係者との意見交換の様子
  • (2) 10月7日、穂坂政務官はモザンビーク東北部のナンプラにて、未電化の農村地帯にオフグリッド(分散型電源)の電力サービスを提供する日系のベンチャー企業である「Wassha」社が実施中のモザンビーク事業の説明を受け、関係者と意見交換を行いました。

4 経由地でのODA案件視察

タイ国鉄総裁等から穂坂政務官へ記念品の贈呈
穂坂政務官のバンコク大量輸送網整備事業(レッドライン)視察

 10月9日、穂坂政務官は経由地のタイにて、円借款で建設を行った「バンコク大量輸送網整備事業(レッドライン)」を視察するとともに、ニルット・タイ国鉄総裁、スチープ副総裁及びレッドラインの運営主体であるSRTET社ステープ取締役の表敬を受けました。


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