モザンビーク共和国
日・モザンビーク首脳会談及びワーキング・ランチ
令和5年5月4日



5月4日、現地時間10時5分から約90分間、モザンビーク・マプトを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、フィリッペ・ニュシ・モザンビーク大統領(H.E. Mr. Filipe Jacinto Nyusi, President of the Republic of Mozambique)と首脳会談を行い、共同記者発表を実施した後、現地時間12時10分から約60分間、ワーキング・ランチを行ったところ、概要は以下のとおりです。
1 総論
- (1)冒頭、ニュシ大統領から、岸田総理のモザンビーク訪問を歓迎した上で、長きにわたって培われた日・モザンビークの強固な二国間関係に触れつつ、様々な分野において二国間関係を更に発展させるとともに、国際社会において緊密に連携していきたい旨述べました。
- (2)これに対し、岸田総理から、モザンビークは、本年3月に発表した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の新プランの推進にあたり重要なパートナーでもある旨述べた上で、今回の訪問に合わせ、50人規模のビジネス関係者が参加するアフリカ貿易・投資促進官民合同ミッションを派遣した旨紹介しつつ、今月のG7サミットでの議論にしっかりと反映することを念頭に、二国間関係や国際場裡での協力についてニュシ大統領との間で率直な議論を行って、両国の関係強化につなげていきたい旨述べました。併せて、岸田総理大臣から、日本としても、周辺地域の安定化に向けた支援を継続していくことを伝達しました。
2 二国間関係
- (1)ビジネス関係の強化
岸田総理大臣から、モザンビークはアフリカ有数の天然ガス埋蔵量を誇り、重要鉱物資源に富む南部アフリカの主要国であり、日本企業による貴国への民間投資を後押ししていく旨述べました。これに対し、ニュシ大統領から、数多くの分野における日本からの投資促進への期待が示されました。
両首脳は、特に、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、国際協力銀行(JBIC)、日本貿易保険(NEXI)が支援を行い、三井物産が投資しているアフリカ最大規模のLNG開発事業の生産設備の建設が近く再開できるよう、力強く後押しすることで一致しました。また、両首脳はモザンビークへの投資拡大を目的として派遣しているアフリカ貿易・投資促進官民合同ミッションの派遣を契機として、具体的なビジネスの芽が開花するよう、引き続き、政府としても後押ししていくことを確認しました。 - (2)開発協力の促進
岸田総理大臣から、モザンビークの経済成長の基盤となるインフラ整備、幅広い分野でモザンビークの未来を支える人材育成、デジタル技術を活用した農産物の取引など日本企業の技術を活用した農業・食料分野の生産性向上を図る取組を進めていく旨述べ、ニュシ大統領から、これまでの日本の支援に対して謝意が表明されるとともに、インフラ、保健等の分野での協力への期待が示されました。
3 国際場裡での協力
- (1)岸田総理から、ロシアによるウクライナ侵略は明白な国際法違反である旨述べた上で、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化が重要であり、力による一方的な現状変更は世界のどこであっても認められないことを強調しつつ、ロシアによる核の威嚇は受け入れられず、ましてや核兵器の使用はあってはならない旨述べました。両首脳は、こうした考えの下、同じ安保理非常任理事国として緊密に連携していくことを確認しました。
- (2)また、岸田総理から、開発金融に関し、全ての関係国が国際ルール・スタンダードを遵守するよう、国際社会が一致して声を上げることが重要と述べ、両首脳は、国際ルール・スタンダードを遵守した透明で公正な開発金融の重要性を確認しました。
- (3)さらに、岸田総理から、スーダンの状況を強く懸念しており、日本としても、G7議長国・安保理非常任理事国として、アフリカの角大使を通じた参画を含め、主体的に働きかけを行っていく旨、また、スーダン国内および周辺国における人道状況の悪化に対応するため、国際社会とともに、緊急人道支援についても早急に検討していきたい旨述べました。スーダンの安定化に向け、両首脳は、同じ安保理非常任理事国として緊密に連携していくことを確認しました。
- (4)加えて、両首脳は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応等の東アジア情勢、アフリカ地域情勢、安保理改革を含む国連の機能強化についても議論し、同じ安保理非常任理事国として両国が緊密に協力していくことで一致しました。