ケニア共和国

平成28年8月29日

 平成28年8月25日から8月28日まで、安倍昭恵総理夫人は安倍総理と共に、第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)の機会に国賓としてケニアを訪問しました。安倍総理夫人は、日本主導の首脳会議であるTICAD VIの成功に向けて開催国ケニアと共に取り組むとともに、TICAD VIで議論される優先的課題に対応する施設等の視察や、日・ケニア二国間関係の強化に向けた懇談など、活発かつ多彩な活動を行いました。訪問の概要は以下のとおりです。

8月26日

(1) ケニヤッタ・ケニア大統領夫人との懇談

 安倍総理夫人は,マーガレット・ケニヤッタ・ケニア大統領夫人との懇談を行いました。懇談では,ケニヤッタ大統領夫人から,安倍総理夫人の訪問を歓迎するとともに,翌日から始まるTICADVIの成功に向け協力したい旨の発言がありました。安倍総理夫人からは,昨年8月にケニヤッタ大統領夫人が「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(WAW!2015)」出席のため訪日して以来の再会を喜ばしく思う旨述べるとともに,TICAD等の取組を通じてアジアとアフリカの更なる交流の進展と発展に向け共に取り組んでいきたい旨述べました。両夫人は,共通の関心事項である保健分野や野生動物保護における課題や取組などについて意見交換を行いました。

(2) 「みんなのSDGs」主催セミナーへの出席

 安倍総理夫人は,日本の市民社会団体「みんなのSDGs」が主催し,第一回野口英世アフリカ賞受賞者であるミリアム・ウェレ博士がモデレーターを務めたセミナー「アフリカにおける女性の健康促進Women’s Health」に参加し,冒頭挨拶において,健康に関わる問題に女性が主体的に取り組むことの重要性を強調しました。

(3) モヨ・チルドレン・センターへの訪問

 安倍総理夫人は,ナイロビ近郊のティカに所在する,邦人女性が運営する様々な困難な事情を抱える子供たちを養育する施設「モヨ・チルドレン・センター」を訪問しました。同センターにおいて,安倍総理夫人は,子ども達との対話や,竹とんぼを用いた交流,記念植樹などを実施しました。子どもたちからは,将来の夢を含む自己紹介や,日本に関する質問などがありました。また,安倍総理夫人は,子どもたちの健全な育成を願い,今次訪問の機会にSport for Tomorrowの事業の一環として日本サッカー協会から提供されたサッカーボールを子供たち一人ひとりに贈りました。

(4) ケニアで活躍する日本出身女性との懇談

 安倍総理夫人は,ケニアにおいて医療,福祉,教育,ビジネス,開発等の様々な分野の第一線で活躍する日本出身の女性たちとの間で,夕食を兼ねた懇談会を実施しました。参加者からは,現在の活動を始めたきっかけや今後の展望などについて発言がありました。

8月27日

(1) 母子保健に関するセミナーの共催

 安倍総理夫人は,TICAD VI配偶者プログラムの一環として,マーガレット・ケニヤッタ・ケニア大統領夫人と共に,母子保健に関するセミナーを開催しました。2013年に行われたTICAD Vの際にも,安倍総理夫人は保健をテーマとしたセミナーを配偶者プログラムとして開催しています。
 安倍総理夫人は,同セミナーの開会にあたり,TICAD VIの重点分野の一つでもある保健分野に関し,アフリカ各国の首脳夫人等と再び議論できることを喜ばしく思う旨述べ,アフリカの発展のため女性と子どもの健康に焦点を当て議論することの重要性を述べました。
 このセミナーには,ダイブル・グローバル・ファンド事務局長や天野・国際原子力機関(IAEA)事務局長をはじめとする関係諸機関の代表者が参加し,アフリカにおける母子保健に関して幅広い議論を行いました。特に参加者の専門分野も踏まえ,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の重要性,がんの早期発見,HIV/AIDSへの対応などのテーマに関し,活発な意見交換が行われました。 同セミナーの後,安倍総理夫人は,アフリカ各国の首脳夫妻等と共に,ケニア政府主催の昼食会に出席しました。

(2) ジャパン・フェアの視察

 安倍総理夫人は,TICAD VIに際し日本貿易振興機構(JETRO)が開催中の展示会「ジャパン・フェア」の視察を行いました。同展示会は,日本の優れた技術,製品,サービスをアフリカ各国へ紹介するものであり,安倍総理夫人は,出展企業のアフリカにおける取組等について説明を受けました。

(3) モバイル・ラボラトリー贈呈式への出席

 安倍総理夫人は,モバイル・ラボラトリー(医療・検査機材を搭載した車両)の贈呈式に参加しました。これは,日本企業がケニヤッタ大統領夫人主導の保健関連プロジェクト「Beyond Zero」に対し,必要機材を搭載した車両を寄贈するものです。

(4) ケニア及びアフリカ諸国による展示会の視察

 安倍総理夫人は,ケニヤッタ大統領夫人と共に,ケニアによる展示会の視察を行い,ケニアの名産品や経済振興に関わる取組等について説明を受けました。同展示会において,安倍総理夫人は,「Beyond Zero」プロジェクトがケニアの各郡への配備を進めているモバイル・クリニックの視察を行いました。その後,安倍総理夫人は,ケニヤッタ大統領夫人らと共に,アフリカ諸国による展示会の視察も行いました。

(5) ミレニアム・ビレッジ・プロジェクト関係者との懇談

 安倍総理夫人は,ミレニアム・ビレッジ・プロジェクトが行われているケニアのサウリ村の関係者との懇談を行いました。安倍総理夫人は,同村におけるHIV/AIDS等の保健分野におけるこれまでの取組の成果や今後の展望などについて,出席者との間で意見交換を行いました。

8月28日

(1) ケニア側主催配偶者プログラムへの出席

 安倍総理夫人は,ケニア政府が主催したTICADVI配偶者プログラムに参加し,ケニヤッタ・ケニア大統領夫人を始めとするアフリカ各国首脳夫人と共に,シェルドリック動物孤児院及びカズーリ・ビーズ工房を訪問しました。シェルドリック動物孤児院では,ケニア国内の国立公園や保護区内で象牙採取のための密猟等によって母親を失った子どもの象やサイを一時的に保護しています。カズーリ・ビーズ工房は,シングルマザー等の社会的に不利な立場にある人々に雇用の機会を提供・維持することを目標とした施設です。

(2) 知日派ケニア人との懇談

 安倍総理夫人は,国費留学やJICA研修,JETプログラムで訪日経験のある知日派のケニア人たちとの間で,昼食を兼ねた懇談会を行いました。安倍総理夫人は,参加者から,日本への印象や,日本での経験を活かした各界での活躍について話を聞くとともに,今後のアフリカの発展のあり方や日本とアフリカの更なる交流促進に向けた方策などについて意見交換を行いました。

(3) ナイロビ日本人学校への訪問

 安倍総理夫人は,ナイロビ日本人学校を訪問し,同校の児童・生徒及び同校と交流のある現地校であるキリマニ小学校の児童の歓迎を受けました。安倍総理夫人は,日本人学校の児童・生徒による和太鼓の演奏で出迎えを受け,児童・生徒たちとの対話や日本の歌の合唱などの交流を行いました。
 また,安倍総理夫人は,この機会に,両校に対し,安倍総理から寄贈された書籍を含む日本関連書籍等を「昭恵文庫」(注)として寄贈しました。

(注)昭恵文庫
安倍総理夫人は,訪問国における日本語学習や日本文化の更なる普及や交流の促進に役立つようにとの願いから,関連団体の協力を得て,海外訪問先の日本人学校や日本語,日本文化のプログラムを実施する学校や大学に日本関連書籍や日本語教材を寄贈しています。


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