マダガスカル共和国

令和6年4月27日
ラサタ・ラファラバビタフィカ・マダガスカル外務大臣とともに写真撮影に応じる上川外務大臣
会談の様子

 現地時間4月27日午後0時30分(日本時間同日午後6時30分)から合計約2時間45分間、上川陽子外務大臣は、訪問先のマダガスカル共和国において、ラサタ・ラファラバビタフィカ・マダガスカル共和国外務大臣(H.E. Ms. RASATA Rafaravavitafika, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Madagascar)とテタテ(一対一の会談)を含む会談及びワーキングランチを実施したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣から、日本の外務大臣として初めてマダガスカルを訪問でき嬉しく思う旨述べるとともに、先月同国北部で発生したサイクロン被害に対するお見舞いと日本の支援を伝えました。また、インド洋とアフリカ東岸を結ぶ要衝に位置するマダガスカルは、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を推進する上で重要なパートナーであり、今次訪問を通じて、本年8月のTICAD閣僚会合及び来年8月のTICAD9を見据えながら、FOIPの具体化に向けた戦略的な協力の推進、二国間関係の強化、グローバルな課題の解決に向けた連携促進を図りたい旨述べました。これに対し、ラサタ大臣から、上川大臣の歴史的な訪問を歓迎しつつ、サイクロン被害対応に係る日本の支援に謝意を述べると共に、過去のTICADで提唱されたFOIPに賛意を示し、今回の訪問は二国間関係を更なる高みに引き上げるものであり、両国の良好な関係を一層強化させたい旨述べました。
  2. 上川大臣は、日本が支援するトアマシナ港の海の連結性強化における重要性に触れつつ、マダガスカルの多角的な開発に取り組むことで、日・マダガスカル両国の経済発展に繋げたい旨述べ、両大臣は新たな開発協力大綱で打ち出したオファー型協力を活用して、都市圏の広域開発と重要鉱物の生産技術底上げにつながる協力に取り組むことで経済強靱化を共に進めていくことで一致しました。また両大臣は、共に海洋国家として、FOIPを具体化するため、海洋安全保障を含め法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の維持に向けて協力していくことでも一致しました。
  3. 上川大臣は、マダガスカルは経済安全保障の観点からも日本にとって重要なパートナーであるとして、同国で実施されている日本の対アフリカ投資案件として最大規模の鉱物事業に触れつつ、ビジネス環境の改善に向けた協力を要請しました。これに対し、ラサタ大臣から、同事業を通じた技術協力、人材育成の期待が示されました。両大臣は、同事業の安定的な運営に向けて、人材育成に向けた協力を含め引き続き連携していくことを確認しました。
  4. 上川大臣は、自然災害への対応を含め、国際社会の平和と安定、繁栄を実現し、「人間の安全保障」を実践していく上で、女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security: WPS)の視点が重要であることを強調し、両大臣は、国際社会においてWPSを共に推進していくことで一致しました。
  5. このほか、両大臣は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応等の東アジア情勢、軍縮・不拡散、安保理改革を含む国連の機能強化等の国際社会における諸課題への対応等についても意見交換を行い、今後とも連携していくことを確認しました。

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