アフリカ
宇都外務大臣政務官のアフリカ連合(AU)総会出席
平成27年2月9日
宇都政務官は,1月29日(木曜日)から31日(土曜日)まで,アディスアベバ(エチオピア)にて開催された第24回AU総会に出席したところ,概要以下のとおり。なお,今次AU総会では「女性のエンパワーメント」をテーマとした議論が行われるとともに,ジンバブエが本年の総会議長国に選出され,また,今後の50年を見据えたアフリカの統合と開発の大綱である「AUアジェンダ2063」の枠組が採択された。また,次回AU総会(2015年6~7月の予定)は南アフリカで開催されることが決定された。
1 二国間会談
4名の大統領を含む14名のアフリカ各国首脳・外相と二国間会談を行ったほか,多くのアフリカの要人と意見交換を行った。一連の会談では,アフリカで初の開催となる次回TICAD首脳会合に向けて協力していくことを確認したほか,二国間関係の強化,安保理改革を含む国際場裡における協力等についても議論を行った。またシリアにおける邦人拘束事案に関し,多くのアフリカ要人から弔意と連帯の意が表明された。
会談を行った要人
マハマ・ガーナ大統領,ルング・ザンビア大統領,ラジャオナリマンピアニナ・マダガスカル大統領,カファンド・ブルキナファソ暫定大統領,ドラミニ・スワジランド首相,クテサ国連総会議長(ウガンダ外相),モハメド・ケニア外相,チバンダ・コンゴ(民)外相,カマラ・シエラレオネ外相,アダム・セーシェル外相,ベルハネ・エチオピア外務国務大臣,グイア・チュニジア外務大臣付国務長官,チェルギAUC(アフリカ連合委員会)平和安全保障委員,ツムシメAUC農業委員
2 エボラ出血熱に関する関係者会合
29日,宇都政務官はAU総会の機会を捉えて開催されたエボラ出血熱に関する関係者会合に出席し,概要以下の発言を行い,アフリカ側から高い評価を得た。
(1) 今般のエボラ出血熱の流行は,感染国の脆弱な保健システムに大きく起因しており,中長期的な視点を持って,関係国の基礎的な保健システムを強化することに取り組む必要がある。
(2) 日本はASEOWA(AUミッション)支援としてAUに約3億円を拠出(国会の承認後)。また,日本人の医療分野の専門家の派遣を引き続き継続していく。また,日本が用意した個人防護具72万セットをエボラ出血熱に対する備えが不十分な保健センターや一般病院に提供していく。さらに,西アフリカの保健システムの再構築に中長期的に取り組むため,一昨年のTICADVで表明したアフリカ地域の保健分野に対する5億ドルの支援,12万人の人材育成支援も有効に活用していく。
(3) 国境管理,「風評被害」対策の一つとして,日本の空港で使用する赤外線サーモグラフィー装置を周辺国や交通のハブとなる国々等に供与する。こうした支援も踏まえて,次回TICAD首脳会合のアフリカ開催に向けて,アフリカ諸国,AUとの一層の関係強化を目指していく。
(4) なお,会合後の記者会見において,宇都政務官から,中長期的な視点から関係国の保健システムを強化することにも取り組む旨の日本の取組を説明した。
3 日本企業関係者との夕食会
宇都政務官は在エチオピアの日本企業関係者との間で,アフリカの更なる成長や日本の対アフリカ貿易・投資の一層の促進に向けた取組について議論し,官民連携の具体策についても意見交換を行った。また,エボラ出血熱対策に関して,「風評被害」払拭に向けた取組についても意見交換した。