ナイジェリア連邦共和国

令和6年4月30日
トゥガー大臣にギフトを渡す上川外務大臣
トゥガー大臣と会話する上川外務大臣
会談の様子

 現地時間4月30日午前10時50分(日本時間同日午後6時50分)から計約90分間、ナイジェリアを訪問中の上川陽子外務大臣は、ユスフ・トゥガー・ナイジェリア連邦共和国外務大臣(H.E. Ambassador Yusuf Maitama TUGGAR, Minister of Foreign Affairs of Federal Republic of Nigeria)と外相会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣から、ナイジェリアの潜在力に注目した日本企業による新規投資が増えている旨紹介するとともに、起業家精神が豊富であるサブサハラ・アフリカ最大の経済大国ナイジェリアとの更なるビジネス・経済関係を強化し、ナイジェリアのスタートアップやビジネス関連法分野での人材育成等に協力していきたい旨述べました。更に、ナイジェリアの直面する食料安全保障や感染症対策分野の課題対処に協力していく旨表明しました。
  2. これに対し、トゥガー大臣からは、上川大臣のナイジェリア訪問を歓迎するとともに、両国の強固な友好・協力強化に言及しつつ、今般署名に至った食料安保や感染症対策に関する日本からの支援に対する謝意が示されました。また、日本の技術・資金等を活用した両国の経済関係の更なる強化やナイジェリアへの日本企業の更なる進出への期待についても発言がありました。
  3. 上川大臣からは、ナイジェリアを始めとするギニア湾沿岸諸国の政治的・経済的な安定を後押しするため、サヘル地域の貧困、人道危機といった根本原因に対処する人道・開発支援やギニア湾沿岸諸国の安定のための協力を継続する旨述べました。トゥガー大臣から、民主主義の強化は1回限りのイベントではなく時間のかかるプロセスであるが、それ以外に安定は実現できないと述べた上で、ナイジェリアによる具体的取組について説明がありました。両大臣は、この分野での連携強化に関する認識を共有しました。
  4. さらに、上川大臣は、女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security: WPS)の視点を踏まえ、ナイジェリア北東部での女性の生計支援やジェンダーによる暴力防止支援等の取組を実践しており、WPS 分野での連携を一層強化したい旨述べました。また、両大臣は、東アジア情勢、WPS や核軍縮、安保理改革を含む国連の機能強化等の国際場裡での協力強化について確認しました。
  5. トゥガー大臣から、2名の日本への留学経験者の紹介があり、感染症対策分野での日・ナイジェリアの協力や日本をモデルにしたビジネス分野での協力の重要性についてそれぞれから述べるとともに、日本への留学を通じた人材育成や双方の大学・教育機関同士の交流・協力の重要性について説明がありました。
  6. 最後に、両大臣は、本年8月の TICAD 閣僚会合及び来年8月の TICAD9 を見据えながら、二国間関係を一層強化していくことで一致しました。
(参考)女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security: WPS)

 2000 年、国連安全保障理事会(国連安保理)において、同理事会史上初めて、国際的な平和と紛争予防、紛争解決には女性の平等な参画や紛争下の性暴力からの保護、ジェンダ-平等が必要であると明記した「女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security: WPS)に関する安保理決議第 1325 号」が全会一致で採択された。同決議及び関連決議を実施するため、日本はこれまで3次にわたり行動計画を策定・実施している。


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