ソロモン諸島
林外務大臣によるソガバレ・ソロモン諸島首相への表敬
令和5年3月19日
現地時間3月19日午前11時20分(日本時間午前9時20分)から約50分間、ソロモン諸島を訪問中の林芳正外務大臣は、マナセ・ソガバレ・ソロモン諸島首相(Hon. Manasseh SOGAVARE, Prime Minister of Solomon Islands)への表敬を実施したところ、概要は以下のとおりです。
- 冒頭、林大臣から、日本とソロモン諸島は太平洋によって結ばれた重要な友人であり、日本は、戦後一貫して日・ソロモン諸島間の友好と親善に努めてきた旨説明し、ソガバレ首相からは、日本の友好的な姿勢に対する高い評価が表明されました。
- 林大臣から、日本は20年以上にわたり、太平洋・島サミット(PALM)を通じてソロモン諸島を含む太平洋島嶼国の諸課題の解決を支援してきたことに触れ、不発弾処理や海洋安全保障分野での更なる協力の用意を表明しました。ソガバレ首相からは、ホニアラ国際空港を始めとするインフラや医療といった様々な分野でのこれまでの日本の支援への謝意が改めて示され、両者は、今後の協力について、両政府間でフォローアップしていくことで一致しました。
- 林大臣から、日本を取り巻く安全保障環境が戦後最も厳しく複雑な状況にある中、昨年末に新たな国家安全保障戦略を策定し、防衛力を抜本的に強化していくこと、島嶼国を含む途上国と協力し、気候変動分野の支援を強化していくことについて説明しました。
- 林大臣から、日本は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、太平洋島嶼国との間でも透明性・包摂性のある協力を幅広く進めていく旨述べ、両者は一層の連携強化を確認しました。
- 林大臣から、ALPS処理水の海洋放出に関して、共有の財産である太平洋の海洋環境を守ることは、日本が国際社会に負っている責任であり、日本は、PALM9のコミットメントに基づき、環境及び人の健康に害がないことを確保した上で行うことを説明しました。この機会を捉え、林大臣は、二国間関係強化やALPS処理水の海洋放出に関する日本の立場を示した岸田総理大臣からの親書を手交しました。これに対して、ソガバレ首相から、林大臣からの説明を評価するとともに、引き続き日本が透明性をもって情報提供し、IAEAによる評価を含め科学的に安全性が確保されることを期待する旨述べました。
- また、両者は、安全保障環境や開発に関するパートナーの多様化について議論を行い、林大臣から、安全保障・治安分野において、まずは地域で対処するという「Family First」の原則に対する強い支持を表明しました。また、林大臣から、日本として、昨年の中国との安全保障協力協定について注視していることを述べつつ、ソロモン諸島の長期的な発展と自律性の維持の両立について、日本の率直な考えを伝えたのに対し、ソガバレ首相からは、地域の平和・安定が最も重要であることに触れつつ、ソロモン諸島の立場について説明がありました。
- 両者は、来年開催予定の太平洋・島サミット(PALM10)に向けて、本年開催予定のPALM中間閣僚会合での協力を確認しました。