大洋州

令和6年4月24日

 4月16日から21日まで、高村正大外務大臣政務官は岸田文雄内閣総理大臣の特使として、フィジー共和国及びツバルを訪問しました。本訪問の概要は以下のとおりです。

I フィジー(4月17日~18日)

1 政府要人等との面会

ンゲレンゲレタンブア副議長兼外務副大臣と並ぶ高村政務官

レノラ・サルサル・ンゲレンゲレタンブア副議長兼外務副大臣との会談

 4月17日、高村政務官は、レノラ・サルサル・ンゲレンゲレタンブア副議長兼外務副大臣(Hon. Lenora Salusalu QEREQERETABUA, Deputy Speaker of the House and Assistant Minister for Foreign Affairs of the Republic of Fiji)と会談しました。その際、二国間関係の強化やPALM10に向けた協力に関するランブカ首相宛の総理親書を手交しました。
 高村政務官から、フィジーは、太平洋で結ばれた大切な友人であり、基本的な価値を共有する重要なパートナーである旨述べるとともに、ランブカ首相を始めとするフィジー政府の太平洋島嶼国地域の結束に向けたリーダーシップに敬意を表しました。
 また、「政府安全保障能力強化支援」(OSA)による警備艇等の供与や、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)を通じた海上法執行機関の能力強化支援等、二国間協力を通じて関係を強化している旨述べました。また、ALPS処理水に関し、フィジーの支持と協力に改めて感謝を述べました。
 さらに、本年7月開催の第10回太平洋・島サミット(PALM10)では、日本は「ブルーパシフィック大陸のための2050年戦略」と軌を一にした成果を追求し、気候変動、海洋分野、自由で開かれた国際秩序等、共通の課題に共に取り組んでいく旨述べました。
 これに対し、ンゲレンゲレタンブア副議長兼外務副大臣から、高村政務官のフィジー訪問を歓迎し、日本のフィジーに対する長年の協力に感謝する旨述べるとともに、若者を中心とした人的交流含め、両国の二国間関係を一層深化させていきたいとの発言がありました。
 両者は、幅広い分野で様々な協力をしていくことを確認するとともに、PALM10に向けて緊密に協力していくことを確認しました。

2 南太平洋大学ICTセンターの視察

南太平洋大学ICTセンター視察の様子

 17日、高村政務官は、南太平洋大学(USP)を視察しました。日本は同大学に対し、過去に海洋研究施設への支援を行うとともに、遠隔教育改善のための衛星回線・回線管理設備、アンテナ設置への支援及びICTセンター設立への支援を実施しています。

3 その他

在留邦人との面会の様子

 17日、高村政務官は、在留邦人と面会し、日フィジー関係の強化への貢献に対する謝意を伝えつつ、フィジーにおける様々な課題等について意見交換しました。

II ツバル(4月18日~20日)

1 政府要人等との面会

(1) フェレティ・ペニタラ・テオ首相表敬

表敬の様子

 4月19日、高村政務官は、フェレティ・ペニタラ・テオ首相(Hon. Feleti Penitala TEO, Prime Minister of Tuvalu)を表敬しました。その際、二国間関係の強化やPALM10に向けた協力に関するテオ首相宛の総理親書を手交しました。
 高村政務官から、ツバルは、太平洋で結ばれた大切な友人であり、基本的な価値を共有する重要なパートナーである旨述べました。
 また、日本はツバルを含む太平洋島嶼国の持続可能で強靱な経済発展や連結性強化に協力しており、ツバルにとって初めてとなる海底ケーブルの整備に向けて連携していきたい旨述べるとともに、引き続き二国間で協力を強化していく旨述べました。
 さらに、PALM10では、日本は2050年戦略と軌を一にした成果を追求し、ツバルにとって最優先課題である気候変動対策を始めとする共通の課題に共に取り組んでいく旨述べました。
 これに対し、テオ首相から、高村政務官のツバル訪問を歓迎し、日本のツバルに対する長年の協力及び日本の取組が2050年戦略に沿ったものであることに感謝する旨述べるとともに、ツバルの通信環境を改善させることにつながる海底ケーブルの整備について日本の貢献に感謝する旨述べ、両国の二国間関係を一層深化させていきたい旨発言がありました。
 また、両者は、幅広い分野で様々な協力をしていくことを確認するとともに、PALM10に向けて緊密に協力していくことを確認しました。

(2) ポールソン・パナパ外務・労働・貿易大臣との会談

ポールソン・パナパ外務・労働・貿易大臣と高村政務官との会談の様子

 18日、高村政務官は、ポールソン・パナパ外務・労働・貿易大臣(Hon. Paulson PANAPA, Minister for Foreign Affairs, Labour and Trade of Tuvalu)と会談しました。
 高村政務官から、ツバルは太平洋で結ばれた大切な友人であり、基本的な価値を共有する重要なパートナーである旨述べました。
 また、ツバルにとって初めてとなる海底ケーブルの整備に向けて連携していきたい旨述べるとともに、ツバルが重視する分野での協力を継続していく旨述べました。さらに、PALM10では、日本は2050年戦略と軌を一にした成果を追求し、気候変動、海洋分野、自由で開かれた国際秩序等、共通の課題に共に取り組んでいく旨述べました。
 これに対し、ポールソン・パナパ外務・労働・貿易大臣から、高村政務官のツバル訪問を歓迎し、日本の長年の支援に対する謝意を表明するとともに、引き続き二国間の協力関係を強化していきたいとの発言がありました。
 両者は、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応や変化する地域情勢等についても意見交換し、連携していくことを確認しました。

(3) パナパシ・ネレソネ副首相兼財務・経済開発大臣との会談

ネレソネ副首相兼財務・経済開発大臣と高村政務官との会談の様子

 18日、高村政務官は、パナパシ・ネレソネ副首相兼財務・経済開発大臣(Hon. Panapasi NELESONE, Deputy Prime Minister and Minister of Finance and Economic Development of Tuvalu)と会談しました。
 高村政務官から、ツバルは太平洋で結ばれた大切な友人であり、基本的な価値を共有する重要なパートナーである旨述べました。また、ツバルにとって初めてとなる海底ケーブルの整備に加え、引き続き二国間で経済的連携を強化していく旨述べました。
 また、PALM10では、日本は2050年戦略と軌を一にした成果を追求し、気候変動、海洋分野、自由で開かれた国際秩序等、共通の課題に共に取り組んでいく旨述べました。
 これに対し、ネレソネ副首相兼財務・経済開発大臣から、両国は外交関係を樹立して以来、強固な二国間関係を築いてきており、電気、ラジオ、港湾、病院等の主要インフラを中心とした日本の長年の支援に対する謝意を表明するとともに、特に、通信環境の改善は国の発展に不可欠であり、海底ケーブルの整備について日本の貢献に感謝する旨述べ、引き続き、気候変動対策や観光振興を含め二国間の協力関係を強化していきたいとの発言がありました。

2 無償資金協力案件視察

(1)フナフティ港埠頭及び貨客船(マヌファラオ号・ニバンガIII号)視察

マヌファラオ号・ニバンガIII号の前に立つ高村政務官

 19日、高村政務官は、日本の無償資金協力によって整備されたフナフティ港埠頭及び貨客船(マヌファラオ号・ニバンガIII号)を視察し、ツバル国内外を結ぶ基幹インフラとして、維持管理・活用されていることを確認しました。

(2)フナフティ発電所視察

発電所を視察する高村政務官

 19日、高村政務官は、日本の無償資金協力によって整備されたフナフティ発電所を視察し、同発電所がフナフティ市民への安定した電力供給に貢献していることを確認しました。

(3)プリンセス・マーガレット病院視察

病院設備について説明を受ける高村政務官

 20日、高村政務官は、日本の無償資金協力によって整備されたプリンセス・マーガレット病院を視察し、施設や機材が維持・管理されていることに加え、同病院が、ツバルにおける唯一の総合病院として、同国の国民に保健医療サービスを提供するため重要な機能を果たしていることを確認しました。

3 その他

(1) ツバル外務省主催夕食会

挨拶に立つ高村政務官

 18日、高村政務官は、ツバル外務省主催の夕食会に参加し、ツバル政府要人との意見交換を行いました。

(2) 高村政務官主催夕食会

夕食会の様子

 19日、高村政務官は、テオ首相、イタレリ国会議長、パナパ外相ほか閣僚を招いて夕食会を開催し、今後の二国間関係等について意見交換を行いました。


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