オーストラリア連邦

平成27年5月18日
内閣官房
外務省
経済産業省
防衛省

1.本日、豪州の将来潜水艦プログラムに関する共同開発・生産の実現可能性の調査を行うために必要な技術情報の我が国から豪州への移転について、「防衛装備移転三原則(平成26年4月1日閣議決定)及び「防衛装備移転三原則の運用指針」(平成26年4月1日国家安全保障会議決定)に従い、国家安全保障会議で審議した結果、海外移転を認め得る案件に該当することを確認した。

2.防衛省では、平成26年10月の日豪防衛相会談における豪州からの要請を受け、豪州の将来潜水艦プログラムに関する我が国の協力の可能性について検討してきた。また、平成27年5月6日の日豪防衛相電話会談において、豪州側から、日豪防衛協力を発展させる重要性及び豪州の将来潜水艦の戦略的重要性について言及があり、その上で、通常型潜水艦に関する我が国の長年の実績と技術力を踏まえ、豪州の将来潜水艦を我が国と共同して設計・建造することが可能か検討したいとの説明があり、このため、我が国に豪州の将来潜水艦の選定に向けた手続に参加して欲しいとの要請があった。
以上の豪州からの要請を受け、政府としては、日豪防衛協力の重要性に鑑み、豪州の将来潜水艦プログラムに関し、我が国として具体的にいかなる協力が可能か詳細に検討するために、民間企業の参画を得て、豪州政府と協議を開始することとしたが、こうした協議を行うためには、我が国から豪州に対して技術情報を提供することが必要である。このような豪州の将来潜水艦プログラムに関する共同開発・生産の実現可能性の調査のために我が国から豪州に対して技術情報を移転することは、豪州との防衛協力の一層の強化に資することから、我が国の安全保障の観点から積極的な意義を有する。さらに、本件海外移転の仕向先は豪州であり、最終需要者は豪州国防省及びその契約者であり、適正管理の確実性は高い。加えて、本件実現可能性調査のために移転される技術情報は豪州政府内での検討に必要な主要寸法や性能情報等に限られ、潜水艦の全部又は一部の建造を可能とするようなものではないことに加え、以下3.のとおり適正管理が確保されることとなっていること等を考慮すれば、我が国の安全保障上の問題はないと認められる。

3.本件移転は、豪州政府内での検討に必要な技術情報に限り移転を行うものであり、潜水艦の全部又は一部の建造を可能とするようなものではなく、「防衛装備移転三原則の運用指針」上の「相手国への貢献が相当程度小さいと判断できる場合」に該当し、仕向先の管理体制の確認をもって、適正な管理を確保することが可能である。そのため、最終需要者である豪州国防省から、我が国から移転される潜水艦に関する技術情報について、豪州政府内での検討以外の目的に使用しないこと、第三国に移転しないこと等の管理体制を確認する。

4.経済産業省においては、上記の国家安全保障会議での審議結果を踏まえ、本件海外移転に関する許可申請があった場合には、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)に基づき、適切に対応することとする。

(参考)豪州将来潜水艦プログラムに関する豪州との共同開発・生産の実現可能性の調査の概要
豪州将来潜水艦プログラムは、豪州が現有のコリンズ級潜水艦の代替として計画している潜水艦に関する事業である。
我が国は、豪州政府の行う豪州将来潜水艦の選定に向けた手続に参加し、豪州政府と協議を行うこととし、これに必要な豪州将来潜水艦プログラムに関する豪州との共同開発・生産の実現可能性の調査に着手することとした。なお、当該手続には、フランス及びドイツの企業も参加している。

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