大洋州

平成26年4月7日
写真提供:内閣広報室
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平成26年4月5日(土曜日)~8日(火曜日),トニー・アボット・オーストラリア首相が公賓として来日したところ,概要は以下のとおり。

1.主要日程

4月5日 本邦着
4月6日 日豪関係者との昼食懇談会,企業訪問
4月7日 歓迎行事,「新コロンボ計画」(豪留学生派遣のための計画)発表式,日本側企業関係者との昼食懇談,天皇陛下御引見,国家安全保障会議(四大臣会合)特別会合出席,日豪首脳会談,共同記者発表,安倍総理主催晩さん会
4月8日 本邦発

2.首脳会談等

日豪の「戦略的パートナー」を新たな特別な関係に引き上げることを確認,別添の「共同プレス発表」を公表。

日豪EPA交渉の大筋合意を確認。

具体的には,(ア)我が国の関心品目である自動車について輸出額の約75%の関税が即時撤廃され,残りも3年で撤廃される等,豪州市場における我が国企業の競争力確保を促進する,(イ)我が国として初めて食料供給章を設けるとともに,エネルギー・鉱物資源章を設け,食料やエネルギー・鉱物資源の安定的供給を確保するための規定を設ける,(ウ)豪州側の関心品目である牛肉については,一定量以上の輸入量となった際に関税率を戻す新たなセーフガードを導入しつつ,関税削減を年数をかけて段階的に行う等の内容で合意。

(参考)豪州は,これまで日本が締結した二国間EPAのパートナーとして最大の貿易相手国。
 

安全保障分野における協力の一層の強化

  • 安倍総理から,日本の「積極的平和主義」に対するオーストラリアの支持に謝意を表明し,日豪間の安全保障協力を一層強化したい旨述べ,アボット首相から賛同を得た。
  • 具体的には,(ア)防衛装備・技術分野における協力の枠組みの合意に向けて,交渉を開始することを決定,(イ)両国の防衛組織間の相互運用性を向上させ,共同訓練を含む実際的な協力を一層拡充していくことを確認。

「新コロンボ計画」への支援

  • アボット首相から,オーストラリア人学生を派遣する「新コロンボ計画」について説明,同プログラムで最も成績優秀な者を「岸フェロー」と命名することを提案。
  • 安倍総理から,アボット首相が最初の実施国の一つに日本を選んだことを高く評価する,円滑な受入れのため,両国政府関係機関等による「新コロンボ計画友の会」の立ち上げを確認
(参考)新コロンボ計画
1.オーストラリアのアボット保守連合政権が推進する,アジアへの留学プログラム。
2.具体的には,オーストラリアの学部学生をアジアの大学へ留学させるとともに企業等でインターンを行い,対アジア理解を深めることを目的とする。
3.豪は5年間で1億豪ドルを同計画に拠出する予定であり,2014年から,日本を含む4か国・地域でのパイロット・プロジェクトを実施。2015年から本格的に実施予定。

地域・国際情勢

  • 安倍総理から,G20ブリスベン・サミットや,来年いわき市で開催する第7回太平洋・島サミットに向けた協力,太平洋地域の国際機関である太平洋諸島フォーラム(PIF)における日本の役割の一層強化を提案。アボット首相から,この分野で日本との協力を進めていきたい旨述べた。
  • 拉致問題及び核・ミサイル問題を含む北朝鮮情勢,シリア,国連安保理改革,軍縮・不拡散等を含む幅広い地域及び国際課題につき議論し,認識を共有。
  • 両首脳は,国際的な紛争及び問題が,力ではなく,平和的かつ国際法に従って解決される必要性の認識を確認。

捕鯨

 訪日中の一連のやり取りの中で,安倍総理から,国際司法裁判所(ICJ)の捕鯨に関する判決を受けた国内の厳しい状況につき言及し,両首脳は,本問題が二国間関係全体に影響を及ぼさないよう努めることで一致。

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