北朝鮮
国連安全保障理事会決議第2375号の我が国における実施に関する同理事会への報告
平成29年12月6日
1 我が国の基本的立場
- (1)北朝鮮による本年9月の核実験実施や我が国上空を通過するものを含む度重なる弾道ミサイルの発射により,北朝鮮の核・ミサイル開発が我が国を含む地域の平和と安全に対する,これまでにない重大かつ差し迫った脅威であり,地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものであることが改めて明らかとなった。また,北朝鮮による核実験及び弾道ミサイル発射は関連安保理決議に明白に違反するものであり,核兵器不拡散条約(NPT)を中心とする国際的な軍縮・不拡散体制に対する重大な挑戦である。
- (2)国連安保理決議第2375号は,北朝鮮に対する圧力を従来にない新たな段階まで強化し,北朝鮮に政策を変えさせなければならない,との国際社会の意思を明確に示したものである。北朝鮮が今般採択された安保理決議第2375号を始めとする一連の安保理決議を遵守し,朝鮮半島の非核化に向けた真剣な意思と具体的行動を直ちに示すことを強く求める。
- (3)日本は,これまで決議第1718号,第1874号,第2087号,第2094号,第2270号,第2321号,第2356号,第2371号及び第2375号を実施するために必要な措置を着実に実施してきた。
- (4)日本は,引き続き北朝鮮制裁委員会及び専門家パネルと緊密に協力し,作業に貢献する。
2 決議第2375号に基づく主な措置
(1)金融面の措置
決議第2375号で指定された1個人・3団体を外為法に基づく資産凍結の対象として追加指定。
(2)人の流れに対する措置
- ア 決議第2375号で指定された1個人について,入国管理法に基づく入国及び領域通過防止の対象として追加指定。
- イ 決議第2375号で北朝鮮籍者に対する労働許可の発給禁止が決定されたが,日本は,以前から北朝鮮籍者の入国をその目的にかかわらず原則禁止している。
(3)物資の流れに対する措置
決議第2375号で北朝鮮への天然ガス液・コンデンセート・石油精製品の輸出禁止及び北朝鮮からの繊維製品の輸入禁止等の措置について規定されたが,日本は,以前から外為法に基づき,目的又は性質にかかわらず,北朝鮮との間の全ての品目の輸出入禁止措置をとっている。
(4)海上輸送に対する措置
- ア 特定船舶入港禁止法に基づき,北朝鮮制裁委員会により指定された船舶の入港を禁止。
- イ 北朝鮮籍船舶との間での船舶間の物品の移転を行わないよう,関連団体に要請。
3 我が国の追加的対北朝鮮措置
2017年11月7日,日本政府は,過去の報告書により既に報告済みの我が国独自の措置に加え,資産凍結の対象となる個人・団体を追加指定する措置の実施を決定。