香港
河野外務大臣と林鄭月娥(キャリー・ラム)香港行政長官との会談



3月25日,香港を訪問中の河野太郎外務大臣は,現地時間午後0時半(日本時間午後1時半)過ぎから約1時間50分間にわたり,林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官とワーキングランチを行ったところ,概要は以下のとおり。
1 日・香港関係
双方は,日本・香港関係の重要性を確認するとともに,経済や観光面を含め,更なる関係強化を進めていくことで一致した。そうした観点から,ラム行政長官は,11月1日に東京で開催される大型シンポジウム「think GLOBAL, think HONG KONG」に出席するため日本を訪問する意向を表明し,河野大臣は行政長官による8年振りの訪日に心から歓迎の意を表明した。
(1)経済関係の強化
ア 双方は,日本と香港はお互いに重要なパートナーであり,観光,農林水産物を始めとする貿易,投資,高齢化対策等の分野で協力を更に拡大していくことで一致した。
イ ラム行政長官から,香港は本年完成予定の香港・深セン・広州を結ぶ高速鉄道や「香港・マカオ・珠海大橋」の建設等を通じて中国大陸との連結性が高まることが期待されており,「広東・香港・マカオ大湾区構想(グレーターベイエリア構想)」は日本企業にとってもチャンスである旨述べた。
ウ 双方は,日本の農林水産物の最大の輸出先である香港で毎夏開催されている食品見本市「香港フードエキスポ」に2014年から毎年農林水産大臣が出席していることを歓迎した。
エ 河野大臣から,東日本大震災以後に実施されている指定5県(福島・茨城・栃木・群馬・千葉)の一部産品の輸入停止等の措置の撤廃について働きかけた。
(2)文化・教育・人的交流の深化
双方は,大学・中等教育機関の教育交流や地方交流を更に促進していくことを確認した。河野大臣から,本年においても,一昨年,昨年に引き続き「日本秋祭in香港」を実施予定である旨述べ,これに対し,ラム行政長官から歓迎の意が表明された。
2 地域情勢等
(1)ラム行政長官から,現在,香港は中国及びASEANとの間で経済連携等を通じて,地域経済との結び付きを更に強化しているところである旨述べた。双方は,そうした流れの中で,この地域全体の経済発展に向け,日本と香港の間の経済関係を更に拡大していくことで一致した。
(2)この地域の平和と安定にとっても重要な課題である北朝鮮問題についても話が及び,双方は関連の国連安保理決議の完全な履行を含め,あらゆる方法を通じた最大限の圧力を継続するため,連携を強化することで一致した。