中華人民共和国

令和7年7月10日
握手する岩屋外務大臣と王毅中国外交部長
会談する岩屋外務大臣と王毅中国外交部長

 現地時間7月10日午前11時20分(日本時間同日午後0時20分)から約45分間、ASEAN関連外相会議に出席するためマレーシアを訪問中の岩屋毅外務大臣は、王毅(おう・き)中国外交部長と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 両外相は、昨年12月及び本年3月の相互訪問以降も、日中間で様々な分野について協議が行われ、いくつかの具体的な懸案についても解消に向けた動きが見られており、課題が残っている中でも、意思疎通を強化することで日中関係を前に進めていくことを確認しました。
  2. 中国によるレアアース及び磁石の輸出管理について、岩屋大臣から、日本企業が大きな影響を受けていることへの強い懸念を表明し、輸出許可申請の承認手続の迅速化を強く求めました。これに対し、王毅部長は、関連の規定を遵守し、必要な手続に則っていれば、日本企業の正常な需要は確保される旨述べました。
  3. 日本産水産物の輸入規制について、両外相は、中国当局による日本産水産物の輸入再開に係る公告の発出を含め、関連のプロセスが着実に進んでいることを確認するとともに、岩屋大臣から、残された10都県産の輸入規制の早期撤廃を改めて求めました。また、日本産牛肉について、両外相は、対中輸出再開に向けたプロセスを加速させるため、日中動物衛生検疫協定 を早期に発効させることについて意思疎通を行いました。
  4. 岩屋大臣から、海警船搭載ヘリによる領空侵犯、中国軍機による自衛隊機への接近事案、空母の活動範囲の拡大、東シナ海での一方的な資源開発など、尖閣諸島周辺を含む東シナ海情勢を始め、日本周辺の海空域の情勢が悪化して いることへの 深刻な懸念を表明し、対応を強く求めました。また、岩屋大臣から、邦人拘束は、日中間の人的往来や国民感情の改善を阻害する最大の要因の一つである旨指摘した上で、拘束されている邦人の早期釈放を強く求めました。
  5. 岩屋大臣から、台湾海峡の平和と安定は我が国を含む国際社会にとって重要であり、台湾周辺での大規模な軍事演習はこれと相容れない旨述べつつ、力又は威圧による一方的な現状変更への反対を表明しました。また、南シナ海情勢についても、深刻な懸念を表明しました。
  6. 両外相は、核・ミサイル問題及び拉致問題を含む北朝鮮への対応についても意見交換を行いました。また、両外相は、中東情勢についても議論し、対話を通じた問題解決の重要性を確認するとともに、日中各々が、情勢の安定化のために外交努力を重ねていくことで一致しました。

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