中華人民共和国

令和6年9月23日
上川外務大臣と王毅中国外交部長との会談の様子

 現地時間9月23日午後2時30分(日本時間24日午前3時30分)から約55分間、国連総会出席のためニューヨークを訪問中の上川陽子外務大臣は、王毅(おう・き)中国外交部長と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1.  上川大臣から、中国の深圳で日本人学校児童が襲われ逝去された事件に関し、中国側に対し、(1) 犯人の動機を含む、一刻も早い事実解明と日本側への明確な説明、さらには犯人の厳正な処罰と再発防止、(2) 中国に在留する日本人、とりわけ子どもたちの安全確保のた めの具体的措置、(3) 日本人学校に関するものを含む、根拠のない悪質で反日的なSNSの投稿等は、子どもたちの安全に直結し絶対に容認できないとして、早急な取り締まりの徹底を強く求めました。
    その上で、上川大臣から、隣国である日中両国として目指すべき交流の障害となっている課題に正面から向き合い、事態の改善に向けて真剣に取り組むよう求めました。
     これに対し、王毅部長から、中国側の立場はこれまで外交部報道官が述べているとおりであり、今回起きた事は、我々も目にしたくない偶発的な個別事案であり、法律に則り処理をしていく旨の反応がありました。
     さらに、上川大臣から、自らの指示で北京を訪問した柘植外務副大臣と中国側による突っ込んだ議論を踏まえ、在留邦人、とりわけ子どもたちの安全を確保するために日中両国が協力していくべく、領事当局間協議等の様々なチャンネルを活用しつつ速やかに具体策の実現を図っていくことを提起し、双方は、外交ルートを通じ、引き続き議論していくこととしました。
  2.  ALPS処理水の海洋放出と中国による日本産水産物の輸入規制について、上川大臣から、これまでの科学的根拠に基づく一貫した取組を改めて説明の上、9月20日に発表された日中両国間で共有された認識を踏まえ、追加的なモニタリングを早期に実施し、規制の撤廃に向けた目に見える進展を確実に示していきたい旨述べました。
  3.  また、上川大臣から、ブイも含めた東シナ海情勢、8月の領空侵犯事案や空母による我が国領海周辺の航行といった最近の我が国周辺における中国の軍事活動、邦人拘束事案等につき、深刻な懸念を改めて伝え、その中で、領空侵犯事案については、具体的かつ明確な説明を速やかに行うよう改めて求めました。

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