中華人民共和国

令和6年7月26日
王毅外交部長と握手する上川外務大臣
上川外務大臣と王毅外交部長の会談の様子

 現地時間 7 月26日午前11時25分(日本時間同日午後1時25分)から約50分間、ASEAN関連外相会議に出席するためラオスを訪問中の上川陽子外務大臣は、王毅(おう・き)中国外交部長と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、上川大臣から、「戦略的互恵関係」を包括的に推進するとともに、「建設的かつ安定的な関係」を構築するという大きな方向性の下、先般の日中戦略対話の開催を含めて両国間の意思疎通・往来が実現していることを歓迎し、王毅外交部長から、同様の考えが示されました。両外相は、互いに招請を行っている外相の相互訪問を含め、引き続き重層的に、リズム良く、かつ粘り強く意思疎通を積み重ねていくことを確認しました。
  2. 両外相は、ALPS処理水の海洋放出について、事務レベル協議や専門家対話での意思疎通が積み重ねられてきていることを評価しつつ、問題の解決に向けた協議のプロセスを加速していくことで一致しました。上川大臣からは、日本産食品に対する輸入規制の即時撤廃を改めて強く求めました。また、上川大臣から、尖閣諸島を巡る情勢やブイの設置を含む東シナ海情勢について中国側の対応を強く求めました。さらに、上川大臣から、ロシアとの連携を含む中国の我が国周辺での軍事活動の活発化、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区等の問題について、我が国の深刻な懸念を表明するとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性につき改めて述べました。さらに、邦人拘束事案について早期釈放を強く求めつつ、日本人や日系企業が中国において安心して活動できる環境が極めて重要である旨指摘しました。
  3. 両外相は、5月の日中首脳会談で確認した経済分野での二国間協力や人的交流の拡大について具体的成果を得ていくことの重要性を確認し、引き続き日中ハイレベル人的・文化交流対話や、ハイレベル経済対話も活用しながら意思疎通を行っていくことで一致しました。また両外相は、WPS、開発金融、気候変動、国際保健等の地球規模課題についても意見交換を行い、共に責任ある大国として協力していくことを確認しました。
  4. また両外相は、拉致問題を含む北朝鮮情勢、ウクライナ情勢及びイスラエル・パレスチナ情勢等の国際情勢についても率直な意見交換を行いました。

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