中華人民共和国

平成30年5月9日

 尊敬する安倍晋三総理,尊敬する日本の友人の皆様,御来場の皆様。
 先ほど,安倍総理が挨拶の中で,いくつかの橋,そして一連の数字に言及しました。これらの数字は比較的厳粛なものに見えるかもしれませんが,その数字の背後には,実は中日両国人民の交流と友情が表されています。
 先ほど晩餐会会場の外で,晩餐会に御出席される多くの日本側の方々一人ひとりと握手しました。中には,衆参議長,大臣,経済界,文化界,その他各界からの重要な方々がたくさんいました。皆様と握手をしている時,皆様がここにお集まりになられたのは,中日の平和,友好,協力の事業のためであると感じました。
 また,皆さんが本日ここにいらっしゃったのは,私と共に40年前の中日平和友好条約締結という中日関係史上の一里塚を回顧するためでもあると感じました。
 本日,私と私の同僚はまさにそのために来て,つまり,この条約の精神を噛み締め,条約の原則を遵守し,中日平和友好の事業を再出発させるためです。
 先ほど,安倍総理が,父親である晋太郎元外務大臣について触れられましたが,当時,彼は,私や私の同僚のために中華料理で宴会を催してくださり,さらに,宴会の冒頭,自ら箸を取って最初に出てきた料理皿から私の皿に料理をよそってくれたことも深く覚えています。彼は,中日の間はお互いに知り合い,理解し合うことができると言ってくれました。
 安倍晋太郎元大臣は,中日平和友好条約のために貢献された方です。あれから30年余りを経て,本日,安倍総理は私と私の同僚のために日本料理で宴会を催してくれています。日本料理であっても,あのときの中国料理と同じ意義があります。つまり,中日の間は依然としてお互いに理解し合い,友情を増進させ,中日友好の事業は新たな発展ができるということを表しています。
 我々にも,中日友好を両国関係の主旋律とし,両国の共通利益が,引き続き遙かに相違を乗り越えていく責任があるはずです。
 私は,両国の共通利益,中日平和友好事業の再出航をお祝いし,安倍総理や両議長,御来場の皆様の御健勝をお祈りして,乾杯したいと思います。

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