11月3日(木曜日)18時40分(現地時間)から約30分間,G20カンヌ・サミットに出席のためカンヌ滞在中の野田佳彦総理大臣は,レジェップ・タイイップ・エルドアン・トルコ共和国首相(H.E.Mr.Recep Tayyip Erdogan, Prime Minister of the Republic of Turkey)と二国間会談を行ったところ,概要は以下のとおりです(トルコ側から,ババジャン経済担当副首相他が,日本側から安住淳財務大臣,長浜博行内閣官房副長官,本多平直内閣総理大臣補佐官他が同席)。
冒頭,野田総理からトルコ東部で発生した地震に対するお見舞いと日本政府からの支援としてテントや緊急無償資金協力を決定したことを伝達し,今後も更なる要請があれば,我が国として対応する用意がある旨述べました。また,東日本大震災に際するトルコの支援に対して改めて謝意を述べました。
これに対し,エルドアン首相から,トルコ東部地震に対する日本からの支援に謝意が表明されると共に,震災後の現状や今後の復興政策等について説明がありました。
経済分野に関して,エルドアン首相は,トルコの宇宙機関設立に向けての日本の支援に対し謝意を表明すると共に,イズミット大橋建設計画やボスポラス海峡地下鉄横断建設工事等のインフラ部門での日本の協力を歓迎する旨述べました。また,将来的に日本とFTA交渉を進めていきたいことや,日トルコ原子力協力のための交渉が進展することを期待する旨述べました。
これに対し,野田総理は,中東・北アフリカ情勢が歴史的変革を遂げつつある中,トルコが地域における重要な民主国家として活発な外交活動を展開していることを評価し,トルコとあらゆるレベルで対話・協力を促進していきたい旨述べました。また,野田総理は,日トルコ原子力協力に関して,3月の福島原発事故の教訓と経験を踏まえ,これまでの外交交渉の積み重ねや信頼を重視し進めていきたい旨述べました。更に,宇宙分野やインフラ建設事業等での関係が進んでいることを歓迎し,今後両国がWIN・WINの関係を築いていけることを期待する旨述べました。
これに対し,エルドアン首相は,昨年の「2010年トルコにおける日本年」を機に,昨年のトルコへの日本人旅行者数が前年に比べて3割増加したこと等,両国民間の交流が一層進んでいることを歓迎しました。
両首脳は,相互の訪問が早期に実現することへの期待を表明しました。