世界の医療事情

タンザニア

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 タンザニア連合共和国(国際電話国番号255)

2 公館の住所・電話番号

在タンザニア日本国大使館 (毎週土日休館)
住所:Embassy of Japan in Tanzania, Plot No.1018, Ali Hassan Mwinyi Road, Dar es Salaam
電話:022-2115827/9
ホームページ:http://www.tz.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 タンザニアはアフリカの東部,赤道の南側に位置しており,その面積は日本の約2.5倍です。東側はインド洋に面しており,沿岸地方は年間を通じて気温と湿度が高いものの,国土の大半は標高1,000メートルを超える高原地帯に属しており,比較的涼しく,かつ乾燥しています。四季は明確でなく,雨期(3~5月:大雨期,11~12月:小雨期)と乾期に分けることはできますが,近年の気候変動によりその区分も不明瞭になりつつあります。暑い時期(12~2月)には,ダルエスサラームなど沿岸部の最高気温は32℃に達しますが,寒い時期(6~8月)になると,北部高地の最低気温は10℃を下回ります。短期旅行の場合は,時期と訪問先を考慮した服装の準備が必要です。

 衛生状態はあまりよくありません。コレラや食中毒が日常的に発生しています。水道水は飲用に適しておらず,ミネラルウォーターか浄水器を使用した水を一度沸騰させてから飲むようにしてください。

 医療水準も決して高くはありません。ダルエスサラームなど主要都市には最新の検査機器を備えた総合病院がいくつかありますが,それ以外の都市では診断に必要な検査を十分受けることも難しい状況です。慢性的な医師不足に加え,医師の診断能力も高くなく,正しい診断と治療が行われないこともあります。看護師など医療従事者に衛生観念が欠如していることもあり,安心して医療を受けられる状況にはありません。

 ダルエスサラームにある総合病院の多くは24時間体制で診療を行っています。薬は病院内の薬局で購入することができます。薬局は市内至る所にありますが,偽薬が出回っているため,なるべく病院内で購入することをお勧めします。ただし,購入できる薬は種類が限られるため,常用薬と常備薬は日本から持参するようにしてください。

 救急車を利用したい場合は,受診したい病院あるいは民間の救急搬送サービスに連絡し、車両の派遣を要請してください。

 治療費の支払いは,現地通貨による現金払いが一般的です。一部の私立病院ではクレジットカードによる支払いも可能ですが,海外旅行傷害保険のキャッシュレスサービスはほとんど利用できません。入院が必要な場合は高額な保証金を求められることもあります。

 タンザニア国内での治療が難しいと判断された場合はケニア,南アフリカあるいはヨーロッパへの移送を検討することになりますが,この場合は1,000万円以上の費用が必要になることもあります。海外旅行傷害保険に加入する際には十分な補償を確保してください。

5 かかり易い病気・怪我

(1)マラリア

 ダルエスサラーム周辺でも日常的に発生しています。マラリアはマラリア原虫を有するハマダラカ(蚊)に刺されることで発症しますが,予防接種はなく,蚊に刺されないようにすることが基本的な予防策になります。ハマダラカは夕方から明け方にかけて吸血行動をとるので,夜間は不必要な外出を控え,外出するときは長袖・長ズボンを着用し,併せて虫除けスプレーを使用してください。日没後は窓を閉めるか網戸にし,蚊取り線香や蚊帳を使用してください。

 タンザニアで発生しているマラリアの大半は,症状の重い熱帯熱マラリア(別名:悪性マラリア)です。その潜伏期間は7~30日で,突然の発熱で発症します。悪寒が強く,頭痛や脱力感,下痢を伴うこともあります。治療が遅れると命に関わるため,高熱が出たら迷うことなくすぐに最寄りの病院で検査を受けてください。

 なお,メフロキンなどのマラリア治療薬を予防的に内服することで発症を防ぐことも可能です。但し,100%予防できるという保証はなく,また副作用により体調を崩すこともあるため,必要性を十分検討した上で服用してください。なお,帰国後1ヶ月(マラリア流行地を離れて1ヶ月)以内に発熱が認められた場合は,マラリアの可能性も想定して,診察時にマラリア汚染地域に滞在していた旨を医師に伝えてください。

(2)デング熱

 デングウイルスを有する蚊に刺されることで感染します。潜伏期間は4~7日間で,突然の高熱,頭痛,関節痛で発症し,解熱後には発疹が認められます。まれに重症化して死亡することがあります。予防接種や治療薬はなく,蚊に刺されないようにすることが唯一の予防策です。発熱が認められた場合は,マラリアと同じく早めに医療機関で検査を受けてください。

(3)腸管感染症(コレラ,腸チフス,赤痢など)

 細菌やウイルスに汚染された飲食物を口にすることで感染します。主な症状は嘔吐,下痢,腹痛で,ときに発熱を伴います。潜伏期間は病原体によりまちまちです。ヒトからヒトへ直接うつる事はありませんが,吐物や排泄物を介して感染することがあります。これらの病原体は加熱することによって死滅するため,外食時には生水や氷は避け,しっかり加熱した料理を冷めないうちに食べるようにしてください。発熱,頻回の水様便,血便,ひどい腹痛が認められた場合はただちに医療機関を受診してください。

(4)高山病

 アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ山は,特別な技術や装備を要しない山として登山客に人気ですが,高山病や登山による持病の悪化により登山者が亡くなるケースが毎年発生しています。

 高山病は,標高が高くなるにつれて空気中の酸素濃度が低下し,身体が酸欠状態になることで発症します。初期には頭痛,めまい,吐き気,むくみ,眠気などが認められ,さらに状態が悪化すると脳が腫れ,肺に水が溜まり,やがて死に至ります。何らかの初期症状が認められたら,高度に慣れ,症状が軽快するまでその場で経過をみるか,無理をせず下山してください。高山病は高度を下げることで速やかに回復します。

(5)ウイルス性肝炎

 A型,B型,C型,E型肝炎ウイルスが蔓延しています。A型とE型は経口感染,B型とC型は血液や体液を介して感染します。A型とB型には予防接種があります。

(6)その他

 狂犬病,破傷風,チクングニヤ熱,流行性髄膜炎,住血吸虫症,アフリカ睡眠病,象皮症(フィラリア症)といった疾患が発生しています。なお,タンザニアのHIV感染率は約6%で,感染の大半は異性間性交渉によるものと言われています。

6 健康上心がける事

(1)感染症予防のため,手洗いとうがいをまめに行ってください。

(2)食中毒予防のため,屋台や路地での飲食はなるべく避けるようにしてください。

(3)狂犬病予防のため,野生の動物には手を出さないよう注意してください。

(4)マラリア,デング熱予防のための蚊対策は必須です。

(5)日差しが強いので,帽子を着用し,紫外線対策をしっかりとってください。

(6)バイクタクシーやバジャージと呼ばれる三輪タクシーが頻用されていますが,交通マナーが悪く,重大な事故が頻発しています。利用はなるべく控えてください。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

 2016年10月現在,黄熱感染リスクのない国(日本など)から直接タンザニアへ入国する場合,イエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)の提示は不要です。このほか入国のために必要な予防接種もありません。ただし,規則が突然改定されることもあるため,入国前に再確認していただくことをお勧めします。

 赴任にあたり以下の予防接種を推奨しています。

  • 成人:A型肝炎,破傷風 > B型肝炎,狂犬病 > 髄膜炎菌,腸チフス
  • 小児:A型肝炎 > B型肝炎,狂犬病 > 髄膜炎菌,腸チフス

(2)タンザニアにおける小児定期施行予防接種一覧

初回2回目3回目4回目
BCG出生時
ポリオ出生時6週10週14週
5種混合(DPT,B型肝炎,インフルエンザ菌b型) 6週10週14週
ロタウィルス 6週10週
麻疹(はしか)9ヶ月18ヶ月
ムンプス(おたふく風邪)実施されていない
風疹(ふうしん)実施されていない
MMR任意接種

その他:ポリオは経口ワクチンを用いている。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 予防接種歴の確認ができる書類の提出を求められることがあります。学校に直接お問い合わせください。

8 病気になった場合(医療機関等)

ダルエスサラーム

(1)Aga Khan Hospital
所在地:Ocean Road / Ufukoni Street, Dar es Salaam
電話:(022)-2115151/3 EXT.4029(外来),(022)-2124111(救急)
FAX:(022)-2115904
ホームページ:http://www.agakhanhospitals.org/DarEsSalaam別ウィンドウで開く
概要:ダルエスサラーム市街地に位置する24時間対応の私立総合病院です。CTスキャンのほかにMRIがあり,タンザニアでは診療水準の高い医療機関の一つです。専門医の診察を希望する場合は曜日の確認が必要です。支払いにクレジットカード(VISA, MasterCard)が利用できます。有料の救急車派遣サービスがあります。また,歯科も併設しており,矯正やインプラント治療も行っています。
(2)IST Medical Scheme Clinic
所在地:Ruvu Street, Msasani, Dar es Salaam
電話:(022)-2601307/8,0784-783393(代表),0754-783393, 0782-783393(救急)
FAX:(022)-2600127
ホームページ:https://www.istclinic.com/別ウィンドウで開く
概要:ムササニ半島に位置し,在留外国人がよく利用しているオランダ人医師経営のクリニックです。診察時間は平日が8時~18時, 土曜日は9時~12時(要予約)ですが,時間外は緊急電話に連絡した上で診察を受けることも可能です。妊婦検診,乳児検診,予防接種に利用している邦人も多くいます。レントゲン装置はありません。支払いは現金のみです。
(3)Sali International Hospital
所在地:589 Yacht Club Rd, Msasani Peninsula,Dar es Salaam
電話:(022)-2601296(代表),(022)-2601265(救急)
ホームページ:http://salihospital.com/別ウィンドウで開く
概要:ムササニ半島の岬近くに位置する24時間対応の私立総合病院です。内科,外科及び産婦人科は毎日診察を行っていますが,その他の専門医を希望する場合は曜日の確認が必要です。不妊治療のためのIVFセンターも併設しています。支払いにクレジットカード(VISA, MasterCard)が利用できます。有料の救急車派遣サービスがあります。
(4)Regency Medical Centre
所在地:Alykhan Road, Upanga, Dar es Salaam
電話:(022)-2150500,0784-417500(代表),0787-228801, 0685-530912(救急)
FAX:(022)-2150180
ホームページ:https://regencymedicalcentre.com/別ウィンドウで開く
概要:ダルエスサラーム市街地に位置する24時間対応の私立総合病院です。専門医の診察を希望する場合は曜日の確認が必要です。支払いは現金のみです。有料の救急車派遣サービスがあります。なお,院内に検査専門機関Lancet Laboratoryがあり,医師の診察を受けることなく,検査(血液,尿,便など)だけを受けることも可能です。
(5)AAR Healthcare New Chato Clinic
所在地:2nd floor Tropical Center, New Bagamoyo Road / Uporoto Street,
電話:0758-916282(代表),0754-760790(救急車)
FAX:(022)-2701120
概要:AAR Healthcareが運営するクリニックの一つです。2名の医師が常勤しており,専門医の診察は指定された曜日と時間帯に受けることが可能です。診察時間は平日が7時30分~20時,土日・祝祭日は8時~20時です。レントゲン設備はありません。支払いは現金のみです。有料の救急車派遣サービスがあります。
(6)Dental Studio
所在地:1st floor Sea Cliff Village, Dar es Salaam
電話:(022)-2601155, 0753-601155
ホームページ:http://www.dentist.co.tz/別ウィンドウで開く
概要:在留外国人がよく利用している歯科クリニックです。ムササニ半島の岬近くに位置し,英国で歯科を学んだ医師が診療をしています。清潔なクリニックには英国のスタンダードが取り入れられており,治療材料や詰め物も英国に発注するなど診療水準は高いものの,料金も高めです。診察時間は9時~17時(日曜日を除く)です。支払いにはクレジットカード(VISA, MasterCard)が利用できます。

アルーシャ

(1)Arusha Lutheran Medical Centre
所在地:Makao Manya Road / Wachaga Street, Arusha
電話:0736-502376(代表),0736-502376(救急車)
ホームページ:http://www.almc.habari.co.tz/別ウィンドウで開く
概要:ルーテル教会が運営する24時間対応の私立総合病院です。ベッド数は150床で,米国人の医師や看護師が診療を支援しています。支払いにクレジットカード(VISA,MasterCard)が利用できます。有料の救急車派遣サービスがあります。
(2)NSK Hospitals
所在地:27 Unga Limited Area, Arusha
電話:0626-221331(代表)
ホームページ:http://www.nskhospitals.com別ウィンドウで開く
概要:2016年開業の私立病院です。入院施設もありますが,常勤医は1人で,2016年10月時点では外来診療のみ行っています。診察時間は平日が8時30分~17時30分,土曜日が8時30分~14時です。CTスキャンに加えて地域で唯一のMRIがあり,各種検査及び診断に力を入れています。透析治療を受けることも可能です。支払いは現金のみです。有料の救急車派遣サービスがあります。
(3)Aga Khan Health Centre
所在地:Block H, Area F, Plot 506, Seth Benjamin Street, Arusha
電話:0655-231233
概要:ダルエスサラームにあるAga Khan Hospitalと同系列のクリニッです。診察時間は平日及び土曜日が8時30分~18時30分,日曜日が10時~14時で,医師3人が常勤しています。清潔で,CTスキャンやレントゲン装置などの検査機器も充実しています。

モシ

(1)Kilimanjaro Christian Medical Centre (KCMC)
所在地:Sokoine Road, Moshi
電話:(027)-2754377/78/79/80(代表)
FAX:(027)-2754381
ホームページ:http://www.kcmc.ac.tz/別ウィンドウで開く
概要:北部地域で最大規模を誇る24時間対応の総合病院です。Kilimanjaro Christian Medical Universityの付属病院として,専門医による診療も広く行われています。支払いにクレジットカード(VISA,MasterCard)が利用できます。救急車の派遣を依頼することも可能ですが,故障していることが多いようです。
(2)Saint Elmo Clinic
所在地:KILIMANI PLAZA, Selous Street, opp. Mawezi Hospital, Moshi
電話:0766-985210,0719-833497(受付)
ホームページ:http://www.saintelmo.or.tz別ウィンドウで開く
概要:2014年開業のクリニックです。診察時間は平日8時~20時,土曜日10時~16時,日曜日10時~14時です。医師2人が常勤していますが,レントゲン装置はありません。支払いは現金のみです。救急車はありません。

ザンジバル島

(1)Tasakhtaa Global Hospital
所在地:Vuga Street, Zanzibar
電話:(024)-2232341(代表), (024)-2232222, 0779-770577(救急)
ホームページ:http://tasakhtaahospital.co.tz/別ウィンドウで開く
概要:2015年に開業した24時間対応の私立総合病院です。検査機器等医療設備は島内一で,有料の救急車派遣サービスがあります。支払いは現金のみです。
(2)Zanzibar Hyperbaric Chamber
所在地:Matemwe, ZanzibarFairmont Resort敷地内)
電話:0777-788500 (Dr. Henrik携帯)
ホームページ:http://www.sssnetwork.com/our-chambers-and-medical-clinics/zanzibar-tanzania/別ウィンドウで開く
概要:東アフリカで唯一潜水病治療が可能な高圧酸素チェンバーを有する施設です。Dr. Henrikが個人で運営をしており,ふだんは施設に人がいないため,診察及び治療が必要な場合は電話による事前予約が必要です。24時間対応です。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在タンザニア日本国大使館 ホームページ:http://www.tz.emb-japan.go.jp/index_j.htm別ウィンドウで開く

(2)厚生労働省検疫所:http://www.forth.go.jp/別ウィンドウで開く


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