世界の医療事情

セーシェル

令和6年10月1日

1 国名・都市名(国際電話番号)

 セーシェル共和国(国際電話番号248)

2 公館の住所・電話番号

在セーシェル日本国大使館(毎週土曜日、日曜日休館)
住所:Maison Esplanade 5th Floor, Rue de la Possession, Victoria, Mahe, Seychelles
電話:439-9900
ホームページ:在セーシェル日本国大使館別ウィンドウで開く

(注)土曜日、日曜日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

3 医務官駐在公館ではありません

在ケニア日本国大使館医務官が担当

4 衛生・医療事情一般

 セーシェルはインド洋にある115の島々からなる小島嶼国で、赤道の少し南に位置する熱帯性雨林気候で、4月下旬から10月は乾季にあたり貿易風が吹き、11月から4月は雨期になり高温多湿になります。首都ビクトリア市内には総合病院やクリニックが点在しており、アクセスは比較的容易です。国内には約200名弱の医師が登録されており、ほぼ全診療科の専門医が存在しますが、開頭・開胸・開腹手術等を要する場合は国外のより医療レベルの高い施設に搬送することが望ましいと考えられます。熱帯感染症として土着のマラリアは報告されていません。また、ビクトリア市内のスーパーマーケット、薬局等において品数は少ないものの感染予防のためのマスク、プラスチック手袋、手指消毒用アルコール、石鹸等は入手可能です。

5 かかり易い病気・怪我

(1)交通事故等

 都市部においては無理な追い越しや歩行者の飛び出し等にて、郊外においては道幅が狭い上につづら折り上の道路のため見通しが悪くなっているところがある等にて交通事故に巻き込まれる可能性があり、注意が必要です。輸血用血液に全幅の信頼がおけないため、外傷等は厳に避けるべき疾病です。

(2)感染性胃腸炎

 セーシェル滞在時に下痢に悩まされることがあります。セーシェルの水道水は飲用に適さないので市販のミネラルウォーターや性能の良い浄水器で濾過した水道水を飲用するよう心がけて下さい。また地方ではトイレや下水道が完備されておらず、コレラが流行することもあります。外出後は手洗いを励行し、生水はもちろんのこと生野菜等加熱調理されていないものにも十分注意して下さい。また、道端で販売されているカットフルーツなども避けるようにしてください。

(3)デング熱

 デングウイルスによって引き起こされる熱性疾患です。1週間程度で改善する比較的予後の良い疾患ですが、稀に重症化することがあります。当地ではワクチンが流通しておらず、特効薬もないため蚊に刺されないようにすることが重要です。

6 健康上心がけること

(1)蚊等の昆虫に刺されないようにする

 蚊はデング熱・チクングニア熱・マラリア・黄熱等多くの熱帯病を媒介します。必要に応じて蚊帳や昆虫忌避剤を使用しましょう。

(2)動物や有害生物にむやみに近づかない

 セーシェルの街中には野良犬がいるため、狂犬病に罹患する恐れはありませんが、むやみに近づかないよう注意してください。毒蛇やサソリは生息していませんが、ビーチでは、ウニ、クラゲ、ウミヘビ、アカエイ等の有毒性の海洋生物やサメに注意してください。

(3)水分摂取、日焼け防止

 低緯度のため紫外線の影響が強いので、屋外で活動する際には、こまめに水分を摂取し、直射日光に対する防護策(帽子、長袖、サングラス、日焼け止めクリームを使用する等)をとりましょう。

7 予防接種(ワクチン接種機関含む)

(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)

 セーシェル入国に際して義務づけられた予防接種はありませんが、黄熱汚染国からの入国では黄熱予防接種証明書(通称:イエローカード)の提示を出入国審査時に求められることがあります。推奨ワクチンは、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフスです。

(2)セーシェルにおける小児の定期予防接種

  1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
BCG 出生時        
B型肝炎 出生時        
DTwP-HepB-Hib
Pentavalent)(注)
3か月 4か月 5か月 18か月
(DPTのみ)
6歳
(破傷風・ジフテリアのみ)
ポリオ(OPV) 3か月 4か月 5か月 18か月 6歳
ロタウイルス 3か月 4か月      
肺炎球菌 3か月 4か月 5か月    
ポリオ(IPV) 4か月        
黄熱 12か月        
MMR 15か月 6歳      
HPV 10から12歳      

(注)ジフテリア+百日咳+破傷風+B型肝炎+インフルエンザ菌b型

(3)小児がセーシェルの学校に入学する際に必要な予防接種・接種証明

 入学前には予防接種歴の提出が要求される事が多いですが、何を必須とするかは学校によって違いがあり、一定した規則はありません。

8 病気になった場合(医療機関等)

(首都)ビクトリア

(1)Seychelles Hospital(セーシェルホスピタル)
所在地:Mont Fleuri Road, Victoria
電話:438-8000(代表)
概要:国立総合病院。24時間対応の救急外来、CT、MRIも備えている。英語対応可。
(2)Euromedical Family Clinic(ユーロメディカルファミリークリニック)
所在地:Eden Plaza, Eden Island, Office 206
電話:432-4999
所在地:Sunshine House, Providence (Cable and Wireless Building)
電話:250-2215
ホームページ:Euromedical Family Clinic(英語)別ウィンドウで開く
概要:Eden Island及びProvidenceにある私立クリニック。一般内科、皮膚科、整形外科、耳鼻科、リウマチ科を開設。欧州出身の医師が多い。英語対応可。
(3)Victoria Health Clinic(ビクトリアヘルスクリニック)
所在地:North East Coast Road, Anse Etoile, Mahe
電話:424-1880
ホームページ:Victoria Health Clinic(英語)別ウィンドウで開く
概要:マヘ島北部にある私立病院。入院設備あり。内科、外科、小児科、整形外科を開設。英語対応可。

10.一口メモ

 医療機関では一般的に英語が通じます。「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照ください。

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