世界の医療事情

南スーダン

令和2年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 南スーダン共和国(国際電話国番号211)

2 公館の住所・電話番号

在南スーダン日本国大使館 (毎週金曜午後、土日休館)
住所:Embassy of Japan in South Sudan, Plot No.514, Block 3-K, Tong Ping, Juba, Republic of South Sudan
電話:事務所代表 +211 922 671 514, +211 922 671 511
   緊急時   +211 922 671 504, +211 922 671 506
(870)7725-43222(インマルサット)
ホームページ:https://www.ss.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)金土日以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので、ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

・全体概況

 2018年に結ばれた対立グループ間の衝突解決合意以降、大きな衝突なく2020年2月に暫定政権が発足しました。一方、地方部においては家畜の奪い合いのような小競り合いが部族間対立に発展し、大規模な衝突が頻繁に発生して、市民生活に影響を及ぼしています。

 南スーダン保健衛生当局はWHOや国際NGOとの協力をすすめ、公衆衛生上の問題解決にあたっています。ジュバの国立医学教育病院(Teaching Hospital)、小児病院(Al-Sabah Children’s Hospital)を中心として、地方都市においても病院、保健施設が整備されつつありますが、外国からの支援に資金、人材の多くを頼っています。

・気候

 南スーダンはアフリカ東部の内陸に位置し、南北をナイル川が貫いています。国土の全体が雨期と乾期に分けられるサバナ気候(Aw)に区分されます。近年は気候変動の影響を受け雨量が増加し、洪水被害が頻繁に発生しています。2020年は東部で広大な地域が被災し避難民が発生、公衆衛生上の危機をもたらしています。また、東部地域ではサバクトビバッタ襲来によって食料生産に障害が出ています。

・生活・治安・安全

 ジュバ市内の施設で供給される水の多くは井戸水を利用しています。殺菌のため塩素剤は使用されていますが、金属や有機化合物に汚染されている可能性があるため飲用は避け、ペットボトル水を利用してください。

 ジュバでは2020年に新しい火力発電所の稼働と、市内送電網での電力供給がはじまりました。一方、上下水道の整備は遅れています。国内の道路整備は遅れており、都市間の移動は主に航空機を利用します。

 首都において組織的な犯罪は目立ちませんが、家屋侵入や窃盗のような犯罪は日常的に発生しています。2020年10月現在、日本国外務省は、ジュバに渡航中止勧告、首都ジュバを除く地域に退避を勧告しています。

・公衆衛生、保健、医療水準

 ジュバには英国やアメリカでトレーニングをつんだ医師がおり、外国人を主要なターゲットにしたクリニックを利用できます。地方ではNGOが運営するクリニックを利用できます。一般的な内科疾患や軽度の外傷であればそれらのクリニックで対応できますが、重篤な内科疾患、外傷であれば国外に移送をする必要があります。外国人向けのクリニックは設立当初より海外搬送に備えたサービスを提供していますが、移送には時間がかかることから医療搬送は最終手段と考え、何らかの異常が発生したときには商用機で早めに国外へと移動するという意識を持つ必要があります。2020年のコロナウイルス感染症の広がりにより、搬送は困難になりました。

 クレジットカードの利用が可能な施設があります。現金であればアメリカドルでの支払いが必要なので、受診時にまとまった金額を持参する必要があります。また海外医療保険に加入している場合、その加入証を持参してください。クリニックでは英語が通用します。

 国内では公的な救急搬送サービスはないため、直接クリニックに出向くか、クリニックに連絡して救急車両を送ってもらうことになります。

 輸血用血液センターがあり緊急事態において輸血は可能ですが、真にやむを得ないケースでの利用と考えてください。

・医薬品

 ジュバ市内には薬局が多数あります。降圧薬やインスリン製剤といった基本的な医薬品のほか、衛生用品、消耗品の取り扱いもあります。薬局では医薬品の保存方法が適切ではないことが多く、基本的にはクリニック付属の薬局もしくは、輸入代理店に依頼して医薬品を購入します。常用薬については当地で同規格のものを購入できない可能性が高く、十分な量を本邦から持参する必要があります。医薬品を日本から当国に配送することは可能です。マスクやアルコール消毒薬は現地で購入できます。

5 かかり易い病気・怪我

・マラリア

 首都ジュバを含め全土でマラリア感染のリスクがあります。熱帯熱マラリアに罹患する可能性が高く、当国では死因の第一位となっています。感染を疑ったら直ちに検査をし、治療を始める必要があります。マラリア検査キット、マラリア治療薬ともに安価に購入できますが、クリニック受診が最善です。防蚊対策は必須で、蚊帳や虫除けを使用し蚊に刺されないよう注意してください。防虫剤、駆虫剤は市内で購入できます。長期滞在する場合はマラリア予防薬の使用をおすすめします。当地での治療には経口、注射薬ともにアルテミシニン系の薬物が使用されています。

・急性上気道炎

 コロナウイルス感染症の流行以前にも、急性上気道炎の罹患が多く報告されていました。コロナウイルス感染症は当国内でも多くの感染者が発生しており、手洗いのような基本的な感染防護対策を続けることが大切です。当国でのインフルエンザの報告は少数です。

・急性胃腸炎。水様性下痢、血性下痢

 当国で胃腸炎、下痢をはじめとする消化管疾患はありふれています。水様性の下痢症だけでなく、出血を伴う下痢症も多く報告されています。原因はわからないことが多く、たいていは対処療法となります。一方腸チフス、A型肝炎といったワクチンで予防可能な疾患もありますので渡航前にワクチン接種を検討してください。隣接するコンゴ民主共和国ではエボラ出血熱の流行がみられますが、当国において発生はありません。

・寄生虫疾患(ギニアワーム、住血吸虫、オンコセルカなど)

 国内ではギニアワームの発生が多く報告されています。寄生虫疾患は経皮、経口で感染するので、川や水たまりなどには侵入しないよう注意してください。

・麻疹、風疹

 地方にて断続的に流行しています。当国では小児に対するワクチン接種が不十分です。日本人には必要とされる2回のワクチン接種がされていない年代があります。該当する場合は滞在前に追加接種をおすすめます。

・黄熱

 主に南部、ウガンダ、コンゴ民主共和国との国境地域での発生が報告されています。当国入国前には必ず黄熱ワクチンを接種してください。入国時イエローカードの携帯が必要です。

・その他感染症

 新生児に対するB型肝炎ワクチンの接種が十分に行われておらず、感染が広くみられています。渡航前にB型肝炎ワクチンの接種を検討してください。HIV、結核の新規感染者が増加しています。髄膜炎流行地域にありますが、当国では感染者は目立って報告されておりません。

・狂犬病、動物咬傷

 国内で狂犬病発生に関する詳しい報告はありません。しかし、飼われていない犬、猫は多く潜在的なリスクは高いと考えます。クリニックでは狂犬病ワクチン、およびグロブリン製剤の扱いがあります。ほ乳類による動物咬傷の際は遅くとも翌日には受診し、狂犬病ワクチンの暴露後投与の相談をしてください。地方ではヘビ、サソリ咬傷による死亡が多く報告されています。

・外傷(交通事故、転落、爆発、火傷)

 当国で期待できるのは外傷に対する初期対応までです。根本的な検査、治療のためには国外に移動する必要があります。軽症であっても治療が遅れていくので可能な限り外傷を受けないことを心がけてください。

6 健康上心がける事

 伝染性疾患は、水や食物を通した経口感染や虫を媒介にした感染が多く、日常的な感染防御対策が重要です。こまめな手洗い、手指消毒液の利用、防虫剤の使用、屋外での動植物、水の接触を避けることが大切です。

 疾病に対する免疫力を向上するために、十分な休養、睡眠を心がけてください。可能な限り屋内外で運動をすることもおすすめします。多くの国際機関、援助関係者が滞在するジュバではスポーツイベントが開催されます。

 年間を通して気温が高く、外出の際は熱中症対策、紫外線対策が必要です。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

  • 赴任者に必要な予防接種(成人、小児ともに)
     黄熱
  • 赴任者及び小児を含めた家族に推奨する予防接種
     A型肝炎、B型肝炎、髄膜炎菌、腸チフス、破傷風、狂犬病
  • 現地の小児定期予防接種
     定期予防接種の仕組みはありません。
  • 小児が現地校に入学する際に必要な予防接種
     なし

8 病気になった場合(医療機関等)

首都ジュバ

MRDC international
WEB www.mrdc-int.com別ウィンドウで開く
住所 公開されていない(Nimra Talata地区)
電話 +211(0)917088333
当地外交団や国際企業を顧客にもつクリニック。会員制。受診できるのは会員企業、団体の所属者のみ。一般的な内科、外科、救急対応。国内搬送、国外移送サービスあり。X線診断装置、エコー、CT診断装置をもつ。入院施設、感染症に対する隔離施設あり。COVID-19にかかわるPCR検査依頼可能。南スーダンに長期間、複数人を滞在させる予定がある団体は、会員になることをすすめます。
ASPEN medical
住所 Aspen Compound, along Indian Embassy Road, near UN Women Thong Ping Plot 540 block 3K
電話 +211(0)916097531
+211(0)915949257
E-mail practicemanageramss@aspenmi.com
内科、外科、救急に対応。国内搬送(救急車)、グループ企業による国外移送手配あり。入院施設あり。
Juba Medical Complex
住所 Unity Avenue. Near Teaching Hospital
電話 Dr.Ronald Woroの個人番号 +211(0)925 523 371
内科、外科、産科、小児科。非常勤で皮膚科、眼科。手術、入院に対応。
Care Plus International Medical Centre
住所 Airport Road, Tong piny, near Marie Stopes International Juba, South Sudan
電話 +211(0)925371599
E-mail careplusinternational@gmail.com
内科、歯科。
概要:内科。予約不要。平日 午前9時-午後5時

9 その他の詳細情報入手先

(1)在南スーダン日本国大使館 ホームページ:
https://www.ss.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(2)南スーダン保健省:
https://moh-rss.org/別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 医療機関では英語もしくはアラビア語が通じます。日本語医療通訳は存在しません。英語に関しては、「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療英語)を参照願います。

11 新型コロナウイルス関連情報

 南スーダンでは2020年5月に感染者数がピークをむかえた後、1日あたりの感染者数は徐々に減少し非常に少なくなっています。入国時には96時間以内のPCR検査結果の提示を要求され、入国後は14日間の自宅検疫に入ります(2020年10月現在)。

 COVID-19感染症を疑った際には市内クリニックを受診するか、保健省のホットライン6666に電話をします。当国ではPCR検査は保健当局の検査機関にて無料で受けることが可能であり、疑いであれば出張で検体をとりにきてくれます。無症状または軽症であれば原則自宅療養です。重篤な場合の入院施設は各都市にある隔離施設になります。

 マスクをはじめとする防護用品や手指消毒用アルコールは市内スーパーマーケットで購入することが可能です。


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