世界の医療事情

ベナン

令和2年10月

1 国名(国際電話国番号)

 ベナン共和国(国際電話国番号229)

2 公館の住所、電話番号

在ベナン日本国大使館
住所:Ambassade du Japon au Bénin, Zone Résidentielle de Cotonou sis à Djomehountin, 12ème Arrondissement, Cotonou, Bénin
電話:21 30 59 86
ホームページ:https://www.bj.emb-japan.go.jp/j/別ウィンドウで開く

(注)週休日(土・日)、その他の休館日は暦年ごとにホームページにて案内しておりますので、ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 首都はポルトノボですが、経済、政治の中心はコトヌです。人口1,211万人(2020年国連統計)で、約46部族が存在します。公用語はフランス語で、その他の言語として、フォン語、ヨルバ語等が広く使用されています。

 気候は南北で大きく異なり、南部は赤道型で、大乾期(11月中旬~4月中旬)、大雨期(4月中旬~7月中旬)、小乾期(7月中旬~9月中旬)、小雨期(9月中旬~11月中旬)の4期に分かれ、年間降雨量は1,300ミリ程度、気温は20~34度です。北部はサバンナ型で、乾期(10月~4月)、雨期(5月~9月)の2期に分かれ、年間降雨量は400ミリ~800ミリ、気温は8~42度と年較差・日較差がともに大きく、12月~3月には北方のサハラ砂漠から、乾燥した砂塵を含んだ季節風「ハルマッタン」が吹きます。

 保健衛生に関わる統計は、平均寿命は男性60歳、女性62歳(2016年WHO統計)、乳幼児死亡率(出生1000あたり新生児が死亡する数)は日本の0.9(194カ国中193位)に対し、31.4(同17位)(2018年WHO統計)、妊産婦死亡率(出産10万あたりの妊産婦死亡率)は日本の3.4(2016年厚労省)に対して、405(2017年WHO統計)となっています。人口10万人当の医師数は日本の245に対して、20(2019年世銀統計)です。これらの統計からも、ベナンの保健衛生・医療事情は劣悪であることがわかります。また、マラリアによる年間推定死亡者数はおよそ2,187人(2017年WHO統計)、結核の年間患者数は推定6431人(2018年WHO統計)と、医療は未だ発展の途上にあり、特に妊産婦死亡率は、日本で統計が始まった1899年の数字と一致する程度の状況にあります。

 医療水準は近隣諸国に比べても劣悪です。医師数は全体的に足りない上に、ほとんどがコトヌ周辺に集中しています。また、各科の専門医資格を持つ医師は少数です。このような事情から、国立大学病院や県病院などの公立の医療機関は、邦人が安心して受診できる状況ではありません。また、国立大学病院でさえも老朽化し、医療機器は古い上に十分ではなく、故障したまま放置されているものが散見されます。コトヌ周辺には民間の医療機関も多く、公立病院よりは良い環境です。24時間救急を受け入れ可能で、入院設備を持ったところもあります。しかし、重症患者のための集中治療施設は国立大学病院にしかありません。また、2018年7月から国公立病院の医師が民間病院と兼業して診療することが制限されたので、民間病院が医師不足になり、医療の質は低下傾向です。輸血の安全性が保たれていないことや、麻酔や手術の技術、感染症のリスク、何よりも、入院中の安全な医療管理などを考慮に入れると、出産や手術は当地では避けるべきです。

 公立病院、民間病院ともに紹介状なしで自由に受診可能です。医療費は診察料・検査料・医薬品代に分かれており、それぞれ別会計です。病院を受診すると、担当医がまず薬や検査を処方します。それに従って薬局や検査室に自分で行くこととなり、支払いは各施設で行います。例えば、外傷でレントゲン撮影が必要な場合、医師の処方箋を持って、レントゲンを撮りに行き、そこでレントゲンの会計を済ませ、結果が出るのを待ち、担当医を再受診することになります。入院時には、医療施設、重症度によりますが、100,000~500,000FCFAを前払いすることが求められます。入院中も同じく、担当医の処方箋を持って薬局で薬の他、注射器、チューブ付き酸素マスクなどの道具までを購入しないと治療は始まりません。薬や医療品を患者自ら買いに行けないこともあり、食事のまかないも自身で行うことが慣例ですので、病院を受診する時には、介助・付添者が必要です。なお、医薬品等が入手可能な薬局はベナン全土にあり、医薬品の入手は困難ではありません。医療費は民間病院の場合、診察料が15,000 FCFA程度、入院は個室の場合1日30,000~60,000 FCFA程度を目安としてください。個室の多くはシャワー・トイレ・エアコンが備えられています。

 国内でできる医療には限りがあるので、重症の場合は、医療先進国への医療搬送を考慮するしかありません。在留フランス人はしばしばパリに移送されています。特にチャーター機を要する緊急移送には大変高額な費用を要します。当地を旅行する方は、海外旅行傷害保険への加入は必須です。

5 かかり易い病気・怪我

(1)マラリア(熱帯熱マラリア)

 ベナン滞在中、最も注意を要する疾患です。邦人の死亡例もあります。マラリアは蚊の一種のハマダラカによってマラリア原虫を媒介することで感染します。ヒトに感染するマラリアには5種類がありますが、当地では最も致死率が高い熱帯熱マラリア(Plasmodium falciparum)がほとんどを占めます。

 マラリアは首都を含めたベナン全土にて、年間を通してみられます。罹患率は293.7(人口1,000対、2017年WHO統計)と極めて高率です。国民の死亡原因のトップであり、医療機関の外来患者と入院患者の約半数をマラリア患者が占めています。感染から発症までの潜伏期は1週間~1か月です。当地を離れてから発症することもありますので注意が必要です。熱帯熱マラリアは、初期の段階で適切な治療が行わなければ、死亡することがあります。当地で発熱した場合は、いかなる発熱でもマラリアの可能性を考え、早急に医療機関を受診し、検査を受けてください。日本人が初めてマラリアに感染すると、通常は高熱がみられます。しかし、高齢者では症状がはっきりしないこともあります。また、熱は、一旦下がる場合もあるので、診断が遅れないようにする必要があります。発熱以外の症状は多彩で、頭痛、倦怠感、衰弱、異常発汗の他に、下痢や嘔吐などの消化器症状がみられることがあります。重症例では溶血性貧血、急性腎不全、脳マラリアにより昏睡となります。重症となった場合、当地の医療機関での治療は困難になるので、先進国への緊急移送を考慮するしかありません。

 マラリア原虫を媒介するハマダラカは、夜間活動性であるため、特に夕方から夜間、早朝にかけての防蚊対策が重要です。現段階ではワクチンはありません。すぐに医療機関を受診できない地域に10日間以上滞在する場合、現地での発症は極めて危険ですので、予防内服を勧めます。マラリア予防薬としては副作用の少ないAtovaquone/Proguanil(商品名は日本ではマラロン配合錠、欧州製はMalarone)が第一選択薬となります。これは高価なので、Doxycycline (日本ではビブラマイシン)が使われることもあります。Méfloquine(商品名は日本ではメファキン、欧州製はLariam)は悪夢、幻覚など精神神経系の副作用を起こすことがあるために使われなくなっています。アフリカでは抗マラリア薬の粗悪品や偽薬が問題になっています。予防内服をされる方は、本邦や先進国のトラベル外来などで専門医から処方をしてもらってください。

 マラリア治療薬としてベナンで最もよく使用されているのはArtéméther/Luméfantrine合剤(欧州製の商品名はRiametまたはCoartem、日本ではリアメット)です。2020年現在まで、当地では薬剤耐性の事例は極僅かにしか認められておらず、マラリア治療の第一選択薬となっています。この薬を常に携帯し、発熱すると、検査結果を待たずに内服するように指導している当地の医師もいますが、非常にまれですが、アレルギーを起こす場合や、薬剤耐性のマラリアに感染している場合が否定できませんので、医療機関があるところでは、先ず、医療機関の受診を優先するべきです。

(2)食中毒・感染性胃腸炎・下痢症

 コレラ、赤痢、アメーバ赤痢、A型肝炎などの感染症が発生しています。コレラは時々、ベナン各地で散発的に流行します。生水、氷、生野菜、加熱調理されていない食品など、細菌、ウイルス、アメーバ等に汚染された食べ物から感染し、下痢や嘔吐などの症状がでます。不衛生な水や食物には注意が必要です。市販のミネラルウォーターか煮沸した水を飲用し、十分加熱調理した食べ物を食べてください。また治療では脱水予防が重要で、経口補液剤(ORS、フランス語ではSRO: Soluté de réhydration orale)が有効です。薬局でSROの粉末を購入することができます。その粉末をミネラルウォーターなどで溶かして使用します。下痢止めの使用は病原体の排泄を遅らせ、症状がかえって長引くことがあります。嘔吐がひどく経口で飲めない場合は、医療施設で輸液などの治療が必要です。また、高熱があったり、下痢に血液が混ざっていたりする場合は、重症の感染症、あるいはその他の感染症の可能性があるので、可能な限り早く医療機関を受診してください。

(3)虫刺され(虫刺皮膚炎)

 ベナンで生活しているほとんどの邦人が、強く長びく掻痒感に悩まされています。原因は蚊の他には、ブヨやアブの一種であったり、ダニ類であったりします。特にダニ類は小さく肉眼では見えません。ダニは上腕、下腿、お腹の周囲などを刺します。刺されると5mm~1cmくらい腫れ、刺された箇所が赤くなり、激しい痒みが1週間から数週間続く場合もあります。治療はステロイド軟膏を塗布して、絶対に掻かないようにします。掻くと傷ができ化膿することがあります。市販のムヒ軟膏等はほとんど効果がありません。ダニは高温多湿を好むので、特に雨季に多くみられます。予防は清掃の徹底、天日干し乾燥、アイロン熱や掃除機でダニを駆除するしかありません。防虫剤や殺虫剤は効果があります。洗濯物には下着や靴下でもアイロンをかける必要があります。これは熱でダニを退治することが目的です。これらの他、ノミ、トコジラミ(南京虫)、ヒゼンダニ(疥癬症)によるものもあり、難治の場合は、専門家の受診治療が必要になります。

(4)交通外傷

 ベナンでは、骨折をするとまともな治療が受けられません。交通外傷では緊急移送や本邦への帰国を考えることになります。また気候や衛生状態の問題から、傷口から細菌が入り化膿しやすく、破傷風を引き起こす可能性もあります。ベナンで最もよく使われている交通手段はオートバイで、ゼミジャンと呼ばれるオートバイタクシーが当地での移動によく使われています。都市部ではオートバイによる交通事故が多発しています。当地の自動車やオートバイは、過積載やブレーキが効かないなど、故障したまま使用されているものも多く見られます。交通事故に遭わないように注意してください。

(5)ハエ蛆症

 ヒトクイバエ等の幼虫(蛆)がヒトの皮膚に寄生する皮膚疾患です。乾燥中の洗濯物にハエが卵を生み、衣類等の中で孵化した幼虫がヒトの皮膚に侵入します。虫刺されのような皮疹ができて、ある日、蛆が出てきます。首都周辺の外国人が住んでいる高級住宅街でもしばしば発生しています。感染予防のためには、全ての洗濯物にはアイロンがけをする必要がありますが、それでも熱が通りにくい厚手のタオルケットやガウンを通して、感染することがあるようです。

(6)デング熱

 蚊が媒介するウイルス感染症です。通常4~7日の潜伏期を経て発症します。急激な発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、皮疹などの症状が現れ、ほとんどは自然に回復しますが、まれにデング出血熱といって重症化することがあります。ワクチンも治療薬もありません。マラリアを媒介するハマダラカが夜間に活動するのに対して、デング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカは昼間に活動するので、昼間も防蚊対策が重要です。

(7)流行性髄膜炎

 流行性髄膜炎は髄膜炎菌(Neisseria minigitidis)による感染症です。乾期(12~2月)にベナン北部を中心に流行します。感染者の咳などから生じた飛沫を気道に吸い込むことで感染します。3~7日の潜伏期の後に、風邪様症状から始まり、その後急激に悪寒を伴う高熱、意識混濁、頭痛、嘔吐が発症します。予防にはワクチンが有効ですので流行地に滞在する方は予防接種を受けてください。髄膜炎菌にはいくつかのタイプがあります。ワクチンには2価(A, C)と4価(A, C, W135, Y)ワクチンがありますが、西アフリカではA型とW135型がよく流行しますので、4価ワクチンの接種をお勧めします。日本でも4価ワクチンが接種できます。

(8)ラッサ熱

 ラッサウイルスの感染により引き起こされるウイルス性出血熱の1つであり、日本ではエボラ出血熱等とともに、感染症法上の一類感染症に分類されています。西アフリカ一帯でみられます。特に隣国ナイジェリアでは毎年500~600例の発症があり、その約10%が死亡しています。ベナンでは2014年以降、毎年、数例の発症があります。乾期に流行します。ラッサウイルスを保有するマストミスというネズミを触ったり、糞や尿によって汚染された食品を摂取することによって感染します。流行地に滞在する場合は、特に食糧の管理に注意が必要です。また、流行地では医療機関での院内感染の可能性もあります。

(9)ウイルス性肝炎

 A型肝炎は慢性化することはありませんが、時に劇症肝炎となり、国外移送を要することがあります。生牡蠣など、貝類の生食で感染することが多いですが、土の着いた野菜など、それ以外の食物からも感染します。B型肝炎やC型肝炎は輸血や手術などの医療行為、性行為等から感染します。2017年、当国の保健省は、B型肝炎の陽性率は9.9%、C型肝炎の陽性率は4.2%、約140万人がどちらかのウイルス性肝炎に感染しているとの発表をしています。万一、当地で大怪我をした場合を考えると、渡航前にA型・B型肝炎の予防接種は必要です。C型肝炎の予防接種はありません。

(10)黄熱

 黄熱も蚊が媒介するウイルス感染症です。過去5年間でベナンでの流行はありません。しかし、近隣国では流行が起こっています。ベナンでは現在、空港からの入国時に、黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示を求めていませんが、黄熱病ワクチンの接種は必要とされますので、必ず予防接種を行ってください。また、他の流行国への移動の際などには、接種証明が求められることがありますので、必ず証明書を帯同して下さい。2017年より有効期限は撤廃されて、1度接種を行っていれば、生涯有効となります。

(11)AIDS・性感染症

 ベナンのHIV感染率は、1.2%と隣国と比較しても低いです。しかし、HIV検診の受診率は低く、2014年の統計では、女性の16%、男性の8%しか検診を受けていません。また、性産業従事者、薬物中毒者、受刑者、同性愛者といったキーパーソンの統計はありません。彼らの感染率は高いと推定されます。また、他の性感染症(梅毒など)の統計もありません。ご注意下さい。

(12)狂犬病

 当地には疾病の統計がないため、正確な数字はわかりませんが、当地で40年開業している欧州人医師によれば、医療機関に受診できない人々、特に子供が多く犠牲になっているということです。受診できた場合も手遅れになると、必ず死に至る怖い病気ですので、犬もしくは、狂犬病ウイルスを媒介しうるほ乳類に咬まれた場合には、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を開始して下さい。3回の予防接種を受けておくと、咬まれた後の治療が短い期間で終わりますので、渡航前の接種をおすすめします。

(13)その他の疾患

 感染症では、破傷風、腸チフスも珍しくない疾患です。予防接種をお勧めします。また、経済の発展に伴い、首都では大気汚染が深刻化しつつあります。季節性の要因ですが、12月~3月のハルマッタンの時期にはたいへん埃っぽくなるので、呼吸器疾患に悩む人が少なくありません。気管支喘息などの慢性疾患をお持ちの方は、常用薬を持参して下さい。

6 健康上心がける事

(1)防蚊対策

 マラリアを媒介するハマダラカ(蚊)は日没から夜明けを中心に活動しますので、夜間の外出時には、長袖・長ズボンで行動し、昆虫忌避剤(虫除けスプレー)を必要に応じて使用して下さい。自宅等では網戸や蚊帳は効果がありますが、隙間から蚊が侵入することがありますので、十分注意が必要です。窓を閉め切り、室内で蚊取り線香や電気蚊取り器を使うとより効果的です。昆虫忌避剤、蚊取り線香、電気蚊取り器、殺虫剤はベナンで入手できます。日本製のワンプッシュ式殺虫剤は優れた効果がありますが、当地では入手できません。昆虫忌避剤は有効成分DEET(N,N-diéthyl-m-toluamide)30%の製品がよく効きます。数年前から日本でも入手できるようになりました。乳幼児には有効成分イカリジン(icaridine)15%の昆虫忌避剤が安全で、当地で入手可能です。

(2)食事・飲料水

 路上の屋台など衛生状態の悪い場所では食事は控えて下さい。食材は信頼のおける店かスーパーで購入してください。野菜や果物は良く洗い、肉類や魚類は必ず火を通してから食べて下さい。卵の生食はできません。首都の水道水は塩素殺菌されていますが、配管・受水槽の維持管理状態によっては細菌が混入している可能性があるので飲用には適しません。市販のミネラルウォーターの場合は自分で封を切ることを確認して下さい。

(3)熱中症対策(水分補給)

 ベナンでは、年間を通して熱中症対策が必要です。熱中症・脱水予防は、身体から失われる水分と塩分を補うことですので、こまめに水分を摂取する習慣をつけましょう。

(4)洗濯

 洗濯物に蝿が卵を産み付けることがあります。また、ダニやノミなどによる虫刺されも多いので、洗濯物には下着や靴下でもアイロンをかける必要があります。

(5)メンタルヘルス

 当地では、習慣の違いなどから、日常生活全般で思うようにいかないことが多く、ストレスが溜まりやすくなります。先進国並みの娯楽は無く、英語が通じないという言葉の壁も存在します。また、在留日本人の数も限られており、人間関係が負担となる場合もあるかもしれません。新型コロナウイルスの流行後は、さらに日常生活の制限も加わっているため、ストレスを溜めないためには、家族や友人などと何でも話し合える良好な関係を築くことが大切です。また、定期的に休暇を取る、軽い負荷でも良いので運動の習慣をつけるなど、心身のリフレッシュのための時間確保にも努めてください。

7 予防接種

 現地のワクチン接種医療機関などについてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

 9ヶ月以上の小児および成人は、現在、ベナン入国時に黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められることはありませんが、予防接種を受けていることが必要です。成人・学童児はA型肝炎、B型肝炎、破傷風、腸チフス、流行性髄膜炎、狂犬病の予防接種を受けてくることを勧めます。乳幼児は日本での定期予防接種及び任意接種の全てを済ませることを勧めます。

(2)小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧(ベナン人の乳幼児のスケジュール)
ワクチン 初回 2回目 3回目 4回目
B型肝炎 出生後
24時間以内
     
BCG 出生時      
ポリオ(経口) 出生時 生後6週間 生後10週間 生後14週間
ポリオ(接種) 生後14週間      
ロタ 生後6週間 生後10週間 生後14週間  
PENTA 生後6週間 生後10週間 生後14週間  
13価肺炎球菌 生後6週間 生後10週間 生後14週間  
麻疹 生後9ヶ月      
黄熱 生後9ヶ月      

注:PENTA:ジフテリア、破傷風、百日咳、B型肝炎、Hib(インフルエンザ菌b型)の5種混合ワクチン

現地の小児定期予防接種一覧(インターナショナルスクールまたはフランス人学校用)
ワクチン 初回 2回目 3回目 4回目 5回目
不活化ポリオ 生後2ヶ月 生後4ヶ月 生後11ヶ月 6歳 11-13歳
DPT 生後2ヶ月 生後4ヶ月 生後11ヶ月 6歳 11-13歳
B型肝炎 生後2ヶ月 生後4ヶ月 生後11ヶ月    
Hib 生後2ヶ月 生後4ヶ月 生後11ヶ月    
13価肺炎球菌 生後2ヶ月 生後4ヶ月 生後11ヶ月    
麻疹・風疹・おたふく風邪 生後12ヶ月 生後16-18ヶ月      

(3)小児が現地校に入学・入園の際必要な予防接種・接種証明

 邦人の子女はインターナショナルスクールまたはフランス人学校に入学することが多いと思われます。これらの幼稚園や学校に入学する場合には、フランス式あるいは国際式のスケジュールで接種が要求されます。日本で接種を行った場合、追加接種を要求される場合があります。先ず、日本で定期接種に定められているもの、BCG、ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ4種混合、Hib(ヒブ)、B型肝炎、小児用肺炎球菌、麻しん・風しん混合、水痘ワクチンの他、任意接種となっているおたふくかぜワクチンの全てを済ませているかを確認してください。さらに、麻しん・風しん・おたふくかぜワクチンの2回目は日本では5歳での接種ですが、フランス式・国際式では生後16-18ヶ月時での接種となっています。従って、当地で幼稚園に入園する幼児には渡航前に、麻しん・風しん混合ワクチン、おたふくかぜワクチンの追加接種を済ませることをお勧めします。当地での接種が困難な場合があります。また、当地の学校に入学する際には、接種証明書(英文または仏文)を提出する必要があります。

8 病気になった場合(医療機関等)

Cotonou コトヌ

(1)救急搬送
① SAMU(Service National d'Aide Médicale d'Urgence
電話:21 30 73 36 / 90 90 30 02
② BIMA(Benin International Medical Assistance
電話:21 38 36 26 / 96 61 47 47 / 94 86 07 07
Sapeur-Pompier
電話:166
SAMUは公営の有料救急搬送サービスで、救急車には医師が同乗し医療機材も備わっています。料金はコトヌ市内の搬送で10,000 FCFA~です。BIMAは民間の有料救急搬送サービスで、SAMUよりも高額ですが、信頼がおけます。日本の消防署の救急車に当たるのがSapeur-pompierで、交通事故などの際に無料で患者を近くの病院まで搬送しています。車内には医療設備は全くなく、単純な搬送のみとなります。一般的には、救急車での搬送は迅速に行われないので、歩行が可能な場合は自力で病院に向かう方が早いです。
(2)Centre Médical APITHY
所在地:Camp Guezo(カンゲゾ、陸軍駐屯地)隣の小学校の向かい
電話:21 30 15 62 / 66 53 99 76
概要:フランス人医師Dr APITHYの個人診療所で、他に複数の医師が診療しています。Dr APITHYDr AZZAZDr ADJAHIが一般内科、小児科、熱帯医学、Dr IGUEが産婦人科の診療を行い、曜日により精神科の医師も在籍しています。邦人がマラリア検査等のために受診する場合は最も信頼がおけます。診察料は15,000 FCFA~。入院設備はありません。午前中は検査技師が勤務しており、各種検査が可能です。また、狂犬病、その他のワクチン接種も行えます。
特に生化学・免疫学検査は専門の検査技師が常駐し、ベナンで最も充実しています。
(3)Clinique Mahouna
所在地:Patte-d'oie地区
電話:21 30 14 34 / 95 42 54 50
概要:週7日・24時間体制で外来診療を行っています。小規模の私立総合病院で全科の診療をしていますが、専門医の診察は予約制です。夜間・休日は一般医の診療となります。24時間いつでもマラリア検査は可能です。入院設備もあります。入院費は1日15,000 FCFA~55,000 FCFAです。隣国の整形外科専門医が診療に来るなど、整形外科、外傷治療に力を入れていますが、レントゲンはありません。骨折が疑われる場合、別の医療機関にレントゲン撮影に行く必要があります。脳卒中、心筋梗塞、交通事故などの患者も受け入れますが、入院前のデポジットを重症度に応じて100,000~500,000FCFA前払いする必要があります。
(4)Clinique Internationale de Cotonou Aupiais (CICA)
所在地:Cadjehoun 地区、Collège Catholique Père Aupiaisの向かい
電話:21 30 78 86 / 60 73 24 24
概要:2018年12月に開院した新しい私立病院です。設備は新しく、病室等もきれいです。夜間・休日の救急診療も行っています。一般内科医の他、小児科、循環器科、消化器科の医師が常勤、他の各科の専門医も非常勤で診療しています。上部消化管内視鏡検査を行っている私立病院はベナンではここだけです。一般外科、整形外科の手術も行っています。病室は全て個室、テレビ、エアコンが備え付けられています。診察料は医師により5,000 FCFA~、入院費は1日50,000 FCFA~です。
(5)Clinique Atinkanmey
所在地:Atimkanmey地区
電話:21 31 22 76 / 21 31 22 83
概要:院長が循環器医で、心疾患の診療に強い病院です。24時間救急を受け付けており、検査室も24時間稼働しています。一部の個室は、テレビエアコン、冷蔵庫が備え付けられています。診察料は7,000-10,000 FCFA、入院費は1日35,000 FCFA程度です。
(6)Clinique Sainte Anne d'Afrique
所在地:Jonquet地区
電話:21 31 58 50
概要:しばらく休院していましたが、2019年2月より再開しました。普段の診療は一般内科医が行っていますが、非常勤の外科や整形外科の専門医の診療もしています。時間外も救急患者を受け付けています。入院も可能で部屋は比較的清潔です。入院中の食事は本人、もしくは付き添いの人が用意する必要があります。入院費は個室で1日30,000 FCFA程度です。簡単な血液検査の他、レントゲン検査も院内でできます。骨折の可能性がある場合など、院内でレントゲンを撮ることができる医療機関は、国立大学病院以外にはここしかありません。
(7)CNHU(Centre National Hospitalier Universitaire)
所在地:Présidence(大統領府)前
電話:21 30 01 55 / 21 30 17 69 / 21 30 46 52
概要:ベナンの国立大学病院でベナン最大の総合病院です。常にたくさんの患者、付添い職員、学生、物売り等多数の人で混雑しています。設備は老朽化しており、英語はほとんど通じません。また、職員の対応が悪いため、邦人が安心して治療を受けることができる環境ではありません。しかし、集中治療室(ICU、フランス語ではRéanimation)、血液透析設備等は、国内でCNHUにしかありません。重症のマラリアや外傷ではここを利用するしかありません。また、SAMU(救急搬送サービス)を利用するとCNHU内の救急外来に搬送されます。
(8)Cabinet Dentaire de Dr Vincent RICHARDIER
所在地:Pharmacie Camp Gezo
電話:21 31 44 15 / 65 76 76 76
概要:歯科、要予約。フランス人歯科医Dr Vincent RICHARDIERが診療をしています。ベナンでは最も衛生的で、邦人がよく利用しています。治療費30,000 FCFA~、一般的な歯科診療の他、矯正歯科やインプラント、歯石除去も行っています。ただし、ベナンには歯科技工士がいないので、インレー、コア、歯冠、義歯の制作ができません。必要な場合は、型取りをして、フランスの歯科技工士に送っているので、時間と費用がかかります。

Parakou パラクー

(1)CHD Borgou(セーアッシュデー・ボルグ)
所在地:パラク市内、Bioguera広場前の道を約100メートル進む。
電話:94 79 41 52
概要:総合病院。パラク大学の研修病院としても機能しています。敷地内にはSAMU(救急搬送サービス)や、赤十字の血液センターなどがあります。多くの専門医が在籍し、比較的設備も整っていますが、公立病院のため良いサービスを受けることができません。

Tanguièta(タンギエタ)

(1)Hôpital Saint Jean de Dieu(オピタル・サン・ジャン・ド・デュー)
所在地:Natitingou(ナティティング)から北に40キロメートルのTanguiètaの大通りに面する。
電話:23 83 00 11
概要:Pendjari国立公園の近くにあるキリスト教系の病院。イタリア人医師が在籍。人気の病院で、ベナン全土から、またトーゴやブルキナファソからも患者が来ています。使われている器具や医療の質は良く、オゾン療法室や薬局も備えられています。ただし、地元住民用の医療機関であり、私立病院のような快適さはありません。

9 その他の詳細情報入手先

(1)外務省ホームページ ベナン共和国:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/benin/index.html別ウィンドウで開く

(2)在ベナン日本国大使館 ホームページ:
https://www.bj.emb-japan.go.jp/j/別ウィンドウで開く

(3)旅行医学情報:
http://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/benin.aspx別ウィンドウで開く

(4)日本渡航医学会、帰国後診療医療機関リスト:
http://jstah.umin.jp/03posttravel/index.htm別ウィンドウで開く

(5)日本感染症学会、蚊媒介感染症専門医療機関一覧:
http://www.kansensho.or.jp/mosquito/medical_list.html別ウィンドウで開く

(注)当地で感染したマラリアが帰国してから発症することがあります。ベナンから帰国後1ヶ月以内に発熱等の症状が出た場合、これらの医療機関に相談してください。

10 現地語・一口メモ

 ベナンの医療機関では公用語であるフランス語しか通じません。「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療フランス語)を参照願います。

11 新型コロナウイルス関連情報

 2020年10月現在、外出時にはマスクの着用義務があり、違反した場合は、罰金6,000FCFA を徴収されます。国民全体には着用義務の徹底が行き渡っておらず、着用率は都市では7、8割程度ですが、地方では極端に低下し、殆どマスクをしていないような状況です。品質に懸念があるものの、当地にて布マスク、サージカルマスク共に入手は可能で、値段は物により1枚200~2,000FCFA程度です。

 感染が疑われる場合は、PCR検査を指定検査場で受けることができます。陽性であった場合、症状の程度により、自宅隔離、もしくは指定された施設での隔離、治療が行われています。また、入国時には有料のPCR検査とRDT抗体検査、陰性であっても14日間の自己隔離の後に2回目のPCR検査を受検することが義務づけられており、出国時も、72時間前までに有料のPCR検査を受け、陰性が証明されなければ、出国できない状況となっています。検査費用の支払いが電子化されるなど、状況が変化していますので、渡航前には、出入国、流行の状況などに関する最新の情報をご確認下さい。


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