外務省: 東日本大震災: 外務省の震災関連情報の対外発信への取り組み

外務省の震災関連情報の対外発信への取り組み

平成23年7月

1　ハイレベルでの説明（主なもの）

　各外相会談及び国際会議等で松本外務大臣から直接,各国の支援への謝意表明，福島原発の現状について正確な情報提供，震災からの再生に向けた日本の強靱さの発信を行っている。最近では，アジア欧州会合（ASEM）出席のためハンガリーを訪問した際にも，然るべく説明を行い，防災・原子力安全分野での国際協力を推進した。また，日中韓サミット（5月22日）やG8ドーヴィル・サミット（5月26，27日）で菅総理から直接説明。各国際会議等の成果文書（PDF）の中で，日本の産品と渡航に対する措置が科学的根拠に基づくべきであることを強調する内容の文言が盛り込まれた。この間，電話での首脳会談及び外相会談においても累次説明。

　（下写真：（左）第4回日中韓サミット（5月22日），（右）TICAD閣僚級フォローアップ会合（5月1日～2日））

（写真提供: 内閣広報室）

2　在外公館等を通じた情報発信の強化

（1）全ての在外公館（大使館，総領事館等）に対し震災関連の情報発信を強化するよう指示，わかりやすい説明の方法等を提示。東京電力福島原発をめぐる現状等に関する資料を全在外公館に送付（3月11日から）。
（2）在外公館は，相手国政府要人，有識者への働きかけや現地メディア及びインターネット等を通じて関係者に正確な情報を発信し，冷静な対応を要請。大使のTV出演やインタビュー，プレスリリース，ミニブログ等による在外公館からの情報発信，働きかけ等は，震災後2ヶ月間で，世界中で延べ約1,500件にのぼる。
（映像は荒木駐トルコ大使のテレビ出演の例）
（3）海外産業界向けに，在外公館とJETRO等が協力し，12カ国・地域15都市で説明会　を実施した。

3　東京で外国大使館等への迅速な情報提供

　3月13日から東京にある外国大使館や国際機関に対し，原発事故をめぐる状況等を中心に説明会を実施。各国・地域の輸出入等関連措置等に関しては，各国・地域の関係当局が科学的かつ合理的な判断に基づいて適切な対応を行うよう，食品・水の安全，港湾と空港の安全等についても説明。4月27日には，大阪でも領事団に対し，説明会を実施した。また，国内の外資系企業向けに，3月31日及び4月28日に説明会を実施した。

4　外国メディアへの迅速な情報提供と問題報道への対応

（1）東京にいる外国プレス特派員等を対象に，官邸を中心に当省を含む関係省庁も参加した形で記者会見やブリーフィングを4月末までほぼ毎日実施。その後もほぼ週2回実施。また枝野内閣官房長官（下写真），福山内閣官房副長官，細野総理大臣補佐官が，それぞれ外国メディア向けの会見を実施。これら外国プレスに対する会見やブリーフィングの記録，動画，配布資料も官邸ホームページ及び外務省ホームページ等を通じて閲覧できるようにしている。
（2）個別インタビューへの対応やプレスリリース，外国メディア向け資料等の発出を通じて，関連情報を迅速に発信。米国ワシントンポスト紙などは菅総理による寄稿を掲載。また，「Japan is open for business」（「日本，営業中」）とする松本外務大臣の寄稿を4月30日-5月1日付国際紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンに掲載。
（3）世界のオピニオン・リーダーに対しても積極的に説明。世界経済フォーラム・グローバル・リスク会議に枝野官房長官がメッセージを発出し，藤﨑駐米大使，官邸関係者も会議に出席。
（4）風評被害につながりかねないものを含め，事実に反する報道等に対しては，在外公館を通じて反論・申入れを実施。