東日本大震災

アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流(キズナ強化プロジェクト)
在韓国公館選抜韓国青少年訪日研修団による外務省訪問について

平成25年1月

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    (発言する参加者)
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    (全員の集合写真)

 アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流(キズナ強化プロジェクト)の一環として,1月14日から24日まで訪日している韓国青少年約100名が,21日午後外務省を訪問し,金杉賢治アジア大洋州局参事官を表敬しました。なお,一行は被災地である岩手県(一関市,大船渡市,陸前高田市,釜石市,宮古市)を訪問し,被災地や被災企業の視察の他,ファームステイ等を経験しました。

1.冒頭,金杉参事官から,訪日を歓迎する旨述べつつ,東日本大震災発生時に真っ先に支援の手を差し伸べてくれた韓国側の「友情」に改めて感謝の意を表したい,韓国を始めとする各国の若い方々に日本の復興の姿を見ていただきたいと考え「キズナ強化プロジェクト」を実施している旨紹介し,今回の訪日で得た経験をぜひ帰国後に周囲の家族や友人に伝えて欲しいと挨拶しました。

2.その後,訪日研修団一行を代表して,ソウル大学の呉海麟(オ・ヘリン)さんから,被災地訪問に関する報告がありました。呉海麟さんからは,テレビ等のみを通じて接していた被災地の惨状を直接見たり,案内の方々の体験談を聞く中で涙を流す学生も多かった,我々は被災地で見て,肌で感じたことを,韓国に帰って「真摯な声」で伝えていきたいと述べつつ,

  1. (1)訪問した岩手県では,参加学生皆が力を合わせて大きな紙に被災地域の復興を応援するメッセージを書いたこと,
  2. (2)大船渡市に所在する「さいとう製菓株式会社」で見せてもらった震災当時の映像に衝撃を受けたこと,当時,同社が被災者達に配った菓子は,食事の代わりにはならなかったかもしれないが,単純な「菓子」ではなく,地域の住民に「希望」や更には皆が力を合わせて困難を克服するという「意志」を与えたのではないかと感じたこと,
  3. (3)釜石市を訪問した際,案内の方が語った「大きな災害を経験しながら,人間として自然を前に『謙遜する』という教訓を得た」という言葉が印象深く胸に刻まれたこと,
  4. (4)被災地の方々が,緊迫した状況の中でも,隣人をまず気遣い,厳しい状況でありながらも皆が手を取り合って克服していこうとする姿を見て多くのことを感じ,また学んだ,復興を成し遂げると力強く話して下さった被災地の方々を目にして,明るい未来が到来することを感じたこと等,被災地訪問の所感が述べられました。 また,思い出したくない記憶にもかかわらず「災害から得た教訓を後世に伝える義務」を背負って,災害からの傷を乗り越えこれらを伝えようとしてくれた被災地の方々に拍手を送りたい,「小さなキズナ」が集まって,いつか日韓両国の関係を導く「大きなキズナ」となることを期待するとの発言がありました。

3.続いて,他の多くの参加者からも,「一見は百聞にしかずという言葉のとおり,実際に被災地を訪問する中で学ぶことも多く,被災者の方々の話に涙を流さずにはいられなかった」「被災地での体験やファームステイを通じて,正しい状況を理解し,被災地の痛みを肌で感じることができた。帰国後は写真展やSNSを通じて,被災地の状況を韓国で伝えていきたい」等の発言があるとともに,キズナ強化プロジェクトを今後も続ける予定であるのかどうか,被災地の状況を伝える活動への財政支援の可否,日本の安全性(放射能の状況)等についての質問がありました。  

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