世界が報じた日本

海外主要メディアの日本関連報道
(7月22日~7月23日)

平成25年7月23日

 最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。(メディア側から予め同意が得られたものの中から選んで、その要約を掲載しています。)転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文にあたって下さい。

掲載日

23日付

紙面(国名)

オーストラリアン紙(豪州)

執筆者・掲載欄・発信地

社説

 安倍総理は参議院選挙において、不人気で痛みを伴う構造改革を行うための委任を獲得した。自民党内には、平和憲法の改正や中国との対立を踏まえた軍事力強化など安倍総理の愛国主義的心情に沿った課題に集中すべきとの声もあるが、安倍総理はこうした点については議論を深めていくと約束した。「アベノミクス」路線から離脱することは間違いであろう。また同総理は、消費税を5%から8%に引き上げること、法人税を引き下げること、原子力発電所を再稼働することを決定する予定である。同総理に託された委任は政治的勇気を与えるものであり、回転ドアを何人もの総理が通り過ぎたようにはならないであろうし、経済の構造改革も達成するであろう。(本件要約及び仮訳は外務省が作成したものであり、ニュース・リミテッド社の見解を一語一語訳したものではない。リンクの記事全文は購読者のみ閲覧可。)

掲載日

23日付

紙面(国名)

ジ・エイジ紙(豪州)

執筆者・掲載欄・発信地

社説

 安倍総理は多岐にわたる経済的社会的変更を行うという委任を受けた。問題はどの改革が最初なのかということである。北岡伸一教授は、安倍総理には右翼、実利主義、経済改革者という三つの顔があるが、日本の抱える負債にすぐに取り組むために第三の顔を使うのではないかと述べた。安倍総理が日本の憲法を修正したいという意欲を有することはよく知られている。同総理は同盟国が攻撃を受けた際に支援することができる能力のある軍隊を希望している。しかし憲法改正には国会議員の3分の2以上の票と国民投票が必要である。安倍総理が提唱する防衛改革には憲法改正を必要としないものもある。攻撃が切迫している場合に敵の基地を攻撃する能力や日本の離島を防衛するための新たな海上関係部局を創設することなどであり、いずれにも中国との領有権問題に対応するためのものである。安倍総理は慎重たるべきであり、将来を検討しつつも日本の過去を尊重すべきである。

掲載日

22日付

紙面(国名)

ニューヨーク・タイムズ紙(米)

執筆者・掲載欄・発信地

社説

 日曜日の参院選では,安倍総理及びその成長推進型財政・金融政策に対する強い信任が示された。同総理の保守連合は2016年までの安定多数を確保し,六代続いた弱小回転ドア政府に区切りを付けるだろう。しかし安倍総理は,この結果を,ナショナリスト的な歴史の修正やより積極的な軍事行動へ道を開く憲法改正を含む,気がかりな右翼的外交政策へのゴーサインだと捉えてはならない。この選挙は経済政策についてのものだったのだ。安倍氏はTPP交渉を,農家への助成金打ち切りへの国内的な支持を取り付けるために,利用すべきだ。また,労働市場の制約を減らしたり,外国人労働者の移民を促進すべきだ。さらに安倍氏は,少なくとも経済復興がしっかりと定着するまでは,消費増税への圧力に耐えなければならない。中国との通商関係を維持するためには,同氏は第二次世界大戦の生傷をこすることをやめなくてはならない。靖国神社を参拝すべきではないし,国家予算を軍事力強化に向けてはならない。これらの方向に進めば,経済上の進展と,安倍氏が得た安定的なリーダーシップの約束は損なわれる。

掲載日

22日付

紙面(国名)

フランクフルター・アルゲマイネ紙(独)
タイトル

不確実な安定(他のサイトヘ)

執筆者・掲載欄・発信地

ペーター・シュトゥルム政治部記者 論説

 安倍総理が昨年の衆院選における自民党の勝利以降,本当の意味での失敗を一つも犯さなかったことは,注目すべき政治的成果であると認めるべきである。安倍総理の自民党は連立相手とともに,衆院だけでなく参院でも過半数を制することとなった。今後3年間,日本の政治的安定が見込まれるが,このことは本来,歓迎すべきことである。ただし,民主的なコントロールが必要だ。だがこの先,誰が民主的なコントロールを担保できるのか。たしかに,自民党は数十年に及ぶ自民党支配時代にすでにこの状況を「訓練」している。だがその結果は,今まさしく安倍総理が日本を救い出そうとしている危機そのものだ。このような状況下で必要な刷新が成功するかは疑わしい。とりわけ日本のためにも,安倍総理がもう一つの大プロジェクトである憲法改正で先を見る力を有することを希望せずにはいられない。「自衛隊」を通常の軍隊へ象徴的に名称変更することは,中韓の抗議を招くであろうが,それ自体としてはこの世の終わりを意味するわけではない。しかし,安倍総理とその同志が日本をこれまでの外交上の座標から引き離そうとするなら,大いなる懸念を抱く必要がある。

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