世界が報じた日本

海外主要メディアの日本関連報道
(5月21日~5月28日)

平成25年5月28日

 最近の海外主要メディアにおける日本関連報道の中からいくつか紹介いたします。(メディア側から予め同意が得られたものの中から選んで、その要約を掲載しています。)転載・複製を禁じます。詳細はリンクから原文にあたって下さい。

掲載日

24日付

紙面(国名)

ニューヨーク・タイムズ紙(米国)
タイトル

日本が手本(他のサイトヘ)

執筆者・掲載欄・発信地

ポール・クルーグマン経済学者・コラムニスト(論説)

 日本で進行中の経済実験の全てが,日本のみならず世界にとっても重要である。安倍政権が導入した鋭敏な金融緩和と財政刺激策である「アベノミクス」が真に驚異的なのは,先進国中で同様の試みを行っている国が全くないことだ。実際,西洋世界は経済的敗北主義に打ち負かされているように見える。日本政府当局者にとって,我々が全ての北大西洋地域で耳にする,何もしないことに対する同様の言い訳をすることは容易だろう。日本は急速な高齢化により身動き出来ず,経済は構造上の問題に圧迫され(日本の構造上の問題,特に女性差別はよく知られている),そして債務はあまりにも巨額である。過去には,日本政府当局者は確かにこうした言い訳を非常に好んできた。しかし,真実は、これらの問題は景気低迷によって悪化しているということだ。それでは,アベノミクスはどのように機能しているか?その判断は時期尚早である,というのが無難な回答である。しかし,初期兆候は好ましいものであり,23日に突然起きた日本株急落も,それを否定するものではない。金利上昇と株価上昇の組み合わせは,その両方が,日本の楽観主義の拡大と,日本の支払能力を心配していないことを反映していることを示唆している。もしアベノミクスが機能すれば,二重の目的を果たすだろう。それは,日本に切望されている活力を与え,また残る我々全てに対してはさらに必要とされている政策停滞に対する解毒剤をもたらすということである。現時点での西洋世界は深刻な経済的敗北主義に屈しているようだ。そして我々は,自分たちの問題を解決しようとさえしていない。この状態は変革が必要であり,もしかしたら,日本はその改革の担い手となることが出来るかもしれない。

掲載日

21日付

紙面(国名)

ニューヨーク・タイムズ紙(米国)

執筆者・掲載欄・発信地

マーティン・ファクラー東京支局長(東京発)

 長年の苛酷な経済低迷を経て,日本は突如としてその光の一部を取り戻した。こうした活力の理由は何か。アベノミクスと呼ばれる,安倍総理のショック療法が機能しているかも知れないことを示す初期兆候がある。日本の5兆米ドル規模の経済は,1-3月期に年率3.5%という堅調な成長を見せた。そして、消費者の信頼感が鍵という安倍総理の概念にとって最も重要なのは,家計消費がその成長の最大の部分を占めていることだ。楽観主義が広まれば,慎重なことで有名な貯蓄家たちに経済再生の一助となるために消費するよう説得することで,日本は再生に向けた極めて重要な第一歩を踏み出すことになるだろう。日本の総理大臣は,秘密裏に決断を行う,一般的にぱっとしない人々である。他方,安倍総理は、国の「最高チアリーダー司令官」として「日本は戻ってきた」と聴衆に宣言し、日本の政治家の殆どが避ける個人的事情を公表してさえもいる。しかし,アベノミクス成功の兆候にもかかわらず,懐疑論者は多い。多くのエコノミストは,総理が矢筒にある他の二本の「矢」を射るまでは,総理の業績を評価することは不可能だと言う。それでもなお,安倍総理は最高70%といううらやましい支持率を有している。また,長年にわたり日本がまるで不運な境遇の話のように見えた後,海外投資メディアの報道が再び溢れ始め,一部は日本がその「活気」を取り戻したとも報じた。

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