掲載日
20日付
紙面(国名)
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(米)
中国,日韓との自由貿易協定協議を発表
執筆者・掲載欄・発信地
ロイター通信記事の転載(北京)
TPPへの米国の動きが本格化する中,中国は今年,日本及び韓国と3回にわたって貿易交渉を開催し,他の貿易相手国との協議にも踏み込む予定だと中国商務省が発表した。中国は,第1回目の交渉は3月26~28日にソウルで開催されると述べた。アナリストらは,同会合を通じ,中国の経済的台頭に直面する米国のアジアでの役割を再確認する動きに中国が対抗していると見ている。
掲載日
14日付
紙面(国名)
フランクフルター・アルゲマイネ紙(独)
尊厳を取り戻すために闘うパクさん
執筆者・掲載欄・発信地
カーステン・ゲルミス在京特派員
安倍総理は歴史を書き直そうとしている。数万人の朝鮮人女性がむりやり売春施設へ連れ去られたが,総理は日本の戦争犯罪を否認する。筋金入りの国粋主義者である安倍総理は,辛い経験をした女性たちの言うことを嘘であると考える。安倍総理は売春施設の存在自体は否定しないが,そのような施設では売春婦が自発的にお金をもらって仕事をしていたのだと言う。総理在任中の2007年にも安倍氏は,「慰安婦」が自発的な売春婦であったのであり,「強制性」はなかったと述べている。今回,再び総理に就任した安倍氏は歴史を書き換える2度目の試みに着手した。菅官房長官は内閣発足の日に,いわゆる「河野談話」を見直すことが望ましいとの認識を表明した。実際,日本では,過去に自国が行った残虐行為と向き合う取組みがほとんどなされていない。性奴隷となった女性たちの強制連行を証明する文書は存在しないという発言が繰り返し聞かれる。
掲載日
22日付
紙面(国名)
ワシントン・タイムズ紙(米)
中国レーダー照射を認める
執筆者・掲載欄・発信地
マイルズ・ユー コラムニスト
今週,共同通信が,中国軍高官が,中国海軍艦艇が近くの日本の護衛艦に対して直接火器管制レーダーを照射したことを最近認めたことを報じたところ,中国政府はすぐにその報道を否定し,通信社が虚偽を広めていると非難した。中国政府関係者は,日本の主張を「でっちあげ」だと激しく否定し,日本は国際社会を誤り導くために時々作り話をすると主張した。日本の防衛関係者は,中国の行動の証拠となる技術的なデータを公表すると発表したが,日本の情報機関関係者は,日本が技術的にどのように中国のレーダーを探知し,迎撃し,情報の記録をするかに関して中国に知られる恐れがあるとし,公表を撤回した。
掲載日
19日付
紙面(国名)
ニューヨーク・タイムズ紙(米)
中国への情熱が冷める
執筆者・掲載欄・発信地
ディヴィッド・シャンバウ氏 寄稿・論説
世界の大国になりつつある中国は,国際的なイメージの重要性と自国の「ソフト・パワー」拡大の必要性を認識し始めている。中国は国際世論に注意を払うと同時に,「対外プロパガンダ活動」と文化広報外交を通じて自国の文化の足跡を拡大するために巨額の資金を投資している。しかし,中国にとって不幸なことに,これらの活動は十分ではない。中国は,外交政策において,南シナ海の紛争を解決するために国連海洋法条約に基づく多国間交渉に参加し,領有権争いとなっている島群を巡り日本と和解を協議し,そして北朝鮮とイランに核開発を中止するよう圧力をかけるべきである。これらの措置は,現在中国が対外プロパガンダ活動に注ぎ込んでいる何十億ドルの資金よりも,中国の国際的イメージを向上させることに役立つだろう。
掲載日
19日付
紙面(国名)
ニューヨーク・タイムズ紙(米)
「ジゼル」が,恋と狂気,毒気のある息の中で,歌舞伎と出会う
執筆者・掲載欄・発信地
アラステア・マコーレー記者
ニューヨーク・ライブ・アーツで16日に初演された余越保子振付のダンス作品「BELL=鐘」では,東西の文化が舞台を共有し,重なり合い,そしてぴったりと合っている。この作品では,女主人公が失恋の結果半狂乱状態となり,霊としてこの世に姿を現すという1863年の歌舞伎舞踊作品「京鹿子娘道成寺」と,1841年のバレエ「ジゼル」に共通する要素が示されている。「BELL=鐘」の出演者は日本人と米国人12人で構成されており,ダンサー6人と音楽家6人である。この作品では,「ジゼル」は西洋の演劇的叙述によって語られておらず,また「道成寺」に関しても多くは語られていないが,西洋音楽と歌舞伎音楽の両方を組み込んだ形となっている。まず「道成寺」が,語りや歌,裸足のバレエといった西洋の様式で語られる。西洋と日本の異なるイディオムで,交互にまたは同時に語られている。そして徐々に観客を歌舞伎のような物語の叙述に導くことで,多くの推測の余地を与えると同時に,小さな動作が多くを語るといった構成になっている。歌舞伎音楽の使い方は,この作品で最も優れている点だ。米国人歌手ゲルシー・ベルは日本人歌手の杵屋三七郎と交互に日本語で歌う。「BELL=鐘」が示す音楽文化の交流は最も魅力的な要素の一つである。杵屋三七郎は,私が知る中で最も優れた歌舞伎の唄方である。非常に繊細に構成された節回しで,ビブラートや持続音,そして異なる響きを驚くべき技術で使いこなしている。