世界が報じた日本

海外主要メディアの日本関連報道
(2月26日~3月5日)

平成25年2月26日~3月5日

掲載日

2月25日付

紙面(国名)

バンクーバー・サン紙(ポストメディア・ネットワーク社傘下,カナダ)

タイトル

ロシアと日本が平和条約に近づく

執筆者・掲載欄・発信地

ジョナサン・マンソープ国際関係論説委員

 70年近くかかったが,ロシアと日本は,第二次世界大戦を終わりにすることに合意し,平和条約に署名する時期であるかのように考え始めている。1945年以来,常に両国の平和条約署名に障壁となってきたのは,北方領土として知られる四島のロシアによる占拠である。ロシア,当時のソ連は,1951年のサンフランシスコ平和条約が,四島の内の二島を北海道の一部と認めたことから,日本との同条約の署名を拒否した。しかし,近い将来に歩み寄りがあるかも知れない。

掲載日

2日付

紙面(国名)

オーストラリアン紙(豪)

タイトル

日本の友情

執筆者・掲載欄・発信地

小原雅博在シドニー総領事による寄稿文

 日本の砕氷船「しらせ」に関する一連の報道を受け,南極にいる「しらせ」と日本の捕鯨調査とは無関係であることを明確にしたい。「しらせ」は軍艦ではなく,定期的な南極調査隊用の船舶である。「しらせ」は,日豪の相互支援と協力の伝統に光を当てるものだ。前任艦は1985年と1998年にそれぞれ豪州の砕氷船「ネラ・ダン」と「アウロラ・オーストラリス」を救助した。「しらせ」は,日本の探検家白瀬矗にちなんで名付けられている。白瀬は,1911年に資金・装備等が貧弱なためシドニーにおいて冬を過ごさざるを得なかった。シドニー大学のエッジワース・デイビットは白瀬を助け,その返礼として,白瀬はデイビットに彼の日本刀を贈った。その刀は現在,オーストラリア博物館に展示されている。私は,「しらせ」がこれからもずっと日豪友好の象徴であり続けることを願っている。

  1. (注1)本件要約及び仮訳は外務省が作成したものであり,ニュース・リミテッド社の見解を一語一語訳したものではありません。
  2. (注2)本件記事はオーストラリアン紙ウェブ版には掲載されておりません。

掲載日

2月28日付

紙面(国名)

エイジ紙(豪)

タイトル

日本は自らの「科学的」捕鯨に銛を打ち込む

執筆者・掲載欄・発信地

社説

 (AFP通信による林農林水産大臣のインタビュー報道に関連して)林農林水産大臣は,南氷洋で毎年行われる野蛮な捕鯨はいったい何なのかについて白状した。それは日本が長年に亘って繰り返し主張してきた科学的なものとは何の関係もなく,文化的伝統を維持するために鯨を殺すことであり,食用のために鯨肉を収穫することであり,それ以上ではなかった。同大臣は,「誰しもが鯨を食べるべきだとは言わないが,我々は捕鯨の長い伝統と文化を有している。韓国では犬を食べるし,豪州ではカンガルーを食べる。我々はそれらの動物は食さないが,それが彼らの文化だと理解しているので,彼らにそれを止めろとは言わない。捕鯨は日本の伝統文化の一部であり,是非そのことを理解して欲しい」と述べた。これらの発言によって,同大臣は,日新丸やその姉妹船が日本の鯨類研究所という厳かな看板の下でなかなか高尚な価値を持った調査活動に携わっているのだという口実をきっぱりと捨て去った。

掲載日

1日付

紙面(国名)

南ドイツ新聞(独)

タイトル

福島原発周辺の発がんリスク上昇

執筆者・掲載欄・発信地

クリストファー・シュラーダー科学部記者

 WHOによると,福島第一原発事故によって周辺地域の人々の発がんリスクは生涯にわたって高まる。該当者は生涯にわたって健康調査を受ける必要があるという。ただし,顕著なリスク増加は福島県内でも特定地域に限られ,全国のがん罹患統計では,増加分は偶然の誤差と見分けがつかないという。WHOの推計では,死産・流産件数や,乳児の身体的・知的障害も増加しない。WHOの報告書作成にはドイツの連邦放射線防護局も関わった。なお,グリーンピースは,「最初の数日間にたくさん被曝した避難区域の住民を考慮していないため」同報告書は不完全であると批判する。

掲載日

1日付

紙面(国名)

ニューヨーク・タイムズ紙(米)

タイトル

安倍総理,原発再稼動を行うと表明

執筆者・掲載欄・発信地

マーティン・ファクラー東京支局長,田淵広子記者(東京)

 安倍総理は施政方針演説で,安定したエネルギー供給を確保するために,新たな安全基準が確認された原発の再稼動を開始すると述べた。同演説は,WHOが福島原発事故に関連する健康リスクに関する分析報告を発表した日に行われた。同報告書は,汚染の最もひどかった地域の子どもの特定のがん発症のリスクがわずかに高まったと指摘しているが,より広範な日本国内の地域でのリスク増加は観測できないほど小さいと述べた。WHOの報告書によれば,汚染の最もひどかった地域の女児が乳児の際に被ばくした場合は,甲状腺がんの発症率が通常より7割高くなると述べている。しかし通常の同がん発症率はわずか0.75%であり,1.25%となるに過ぎない。また同報告書は,福島第一原発の安定化を行った作業員の3分の1は,白血病や甲状腺がんなどのがんを発症する確率がわずかに高まっていると指摘。日本において被ばくはセンシティブな問題であり,健康への悪影響に対する懸念から,広島や長崎の被爆者は,例えば結婚などの際にしばしば差別されてきた。

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