世界が報じた日本

海外主要メディアの日本関連報道
(1月10日~17日)

平成25年1月10日~17日

掲載日

14日付

紙面(国名)

ニューヨーク・タイムズ紙(米)

タイトル

日本の新たな経済対策

執筆者・掲載欄・発信地

社説

 安倍総理が発表した1,160億ドル規模の緊急経済対策は,適切な方向に向けた第一歩である。安倍総理による公共事業支出(その多くが福島県復興を目指すもの),投資税額控除及び教育・医療への支出増加という対策は,瀕死状態の日本経済を活性化させる可能性がある。しかし,緊急経済対策のみでは長期的な復興には不十分である。構造改革が必要だが,安倍総理が率いる保守派・自民党にとって,農村部の有権者や政府に依存する銀行などの既得権益に挑戦するのは容易ではないだろう。新たな緊急経済対策は,さらに多くの公的債務と引き換えに短期的な景気促進しかもたらさないだろう。構造改革には,死に体企業を破綻させることや,巨額な農業助成金の段階的な廃止,また,労働人口を増加させるための合法的な移民増加の対策が含まれるべきである。また,医療費支出の増大など前向きな対策は既に新たな緊急経済対策に盛り込まれている。しかしこれだけでは不十分だ。

掲載日

14日付

紙面(国名)

ニューヨーク・タイムズ紙(米)

タイトル

日本が抜け出す

執筆者・掲載欄・発信地

ポール・クルーグマン(経済学者・コラムニスト)

 過去3年間にわたる先進国の経済政策は予想どおりの麻痺状態にある。しかし現在,その状態を崩そうとしている国がある,それは日本だ。安倍総理は長年の景気低迷を打開すると約束して再び総理に就任し,通説によればとるべきではないとされる政策を実施している。就任直後の見通しは非常に明るい。安倍総理は日銀にインフレ目標の引き上げを求めており,大規模な緊急経済対策を発表したばかりだ。これらの対策に対する市場の反応は好調で,市場のインフレ期待値はプラスの領域に上昇した。他方,政府の借入金は殆ど変化がなく,また適度なインフレを考慮すると,日本の財政見通しは大幅に改善されることを意味する。円が大幅に安くなっていることは事実であり,日本の輸出業者は歓迎している。つまり,安倍総理は通説を無視したことで素晴らしい結果をもたらしている。成功すれば非常に画期的なことが起きるかもしれない。景気低迷の先駆けとなった日本が,我々すべてにその出口を示してくれることになるかもしれない。

掲載日

13日付

紙面(国名)

オーストラリアン紙電子版(豪)

執筆者・掲載欄・発信地

AAP転載

 カー外相は,13日にシドニーで日本の岸田外相と会談し,豪州としてはアジア太平洋地域の利益のため日本と韓国が自ら二国間の問題を解決することを望むと述べた。問題を複雑にし,米国で懸念材料となっているのは,領土問題と過去に対する日本の態度である。岸田外相は,日韓で難しい問題が発生しているが,我々としては,より大局的な立場からこの問題をとらえ,平和的解決を追求していくと述べた。安倍総理が,第二次世界大戦中の従軍慰安婦問題につき日本が謝罪した1993年の村山談話を否定するかもしれないとの見方があったが,岸田外相は,安倍総理は元従軍慰安婦の方々の苦しみに非常に心を痛めているとし,この点についての思いは,歴代総理と変わらないと述べた。カー外相は,1993年の談話を近代の歴史における最も暗い過去に結びつけるとともに,この談話を改めることは誰の利益にもならないと述べた。

(注)本件要約及び仮訳は外務省が作成したものであり,ニュース・リミテッド社の見解を一語一語訳したものではない。

掲載日

8日付

紙面(国名)

ワシントン・タイムズ紙(米)

タイトル

アジアにおける保守の流れ:正しく舵を切った日韓

執筆者・掲載欄・発信地

エド・フルナー ヘリテージ財団プレジデント

 安倍総理は,前政権の指導者たちよりも現実主義的だ。安倍氏は選挙後,「中国は日本経済が成長し続ける上では欠くことのできない国」,「我々は政治問題が大きくなり,経済の問題に影響しないように知恵を絞らなければならない」と述べた。安倍氏は,米国との同盟を立て直したい意向でもある。これは日米双方にとってチャンスだ。米国政府は,日本が自らの防衛により大きな役割を担うことを奨励すべきである。それには,防衛費を増やすこと,自衛隊が海外での活動により多く参加することを認めること,沖縄において米海兵隊の飛行場を新設することが含まれるべきである。安倍氏は,公共事業に投資し,日本の通貨供給量を増やすと約束している。安倍氏はそれを考え直すべきであり,その代わりに成長を促進する政策を追求するべきだ。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る