「武力紛争の際の文化財の保護に関する条約」及び「武力紛争の際の文化財の保護に関する議定書」の批准書並びに「千九百九十九年三月二十六日にハーグで作成された武力紛争の際の文化財の保護に関する千九百五十四年のハーグ条約の第二議定書」の加入書の寄託について
平成19年9月10日
- 我が国政府は、「武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(武力紛争の際の文化財保護条約)」及び「武力紛争の際の文化財の保護に関する議定書(武力紛争の際の文化財保護議定書)」の批准書並びに「千九百九十九年三月二十六日にハーグで作成された武力紛争の際の文化財の保護に関する千九百五十四年のハーグ条約の第二議定書(武力紛争の際の文化財保護第二議定書)」の加入書を、9月10日(月曜日)、パリにおいて国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)事務局長に寄託した。
- (1) 「武力紛争の際の文化財保護条約」は、武力紛争の際に文化財を保護するため、締約国が、平時において適当な措置をとること、武力紛争の際に文化財を尊重すること等を定めるものである。
(2)
「武力紛争の際の文化財保護議定書」は、武力紛争の際に占領地域から文化財の流出を防ぐため、締約国の義務として、自国が占領する地域から文化財の輸出を防止すること、占領地域から自国に輸入される文化財を管理すること等を定めるものである。
(3)
また、「武力紛争の際の文化財保護第二議定書」は、特に重要な文化財の国際的な管理につき「強化された保護」の制度を定めるとともに、この条約に違反する一定の行為を締約国が犯罪化すること等を定めるものである。
- これらの条約等は、世界遺産条約及び文化財不法輸出入等禁止条約と並び、文化財の保護のための国際的な法的枠組みの主要な部分を構成しており、我が国がこれらの条約等を締結することは、文化財の保護の分野において、国際協力を推進する見地から極めて有意義である。
- 武力紛争の際の文化財保護条約及び同議定書は、1956年8月7日に効力が発生しており、9月10日現在、条約は118か国、議定書は96か国が締結している(条約、議定書共にG8のうち米英以外が締結済み。)。また、同第二議定書は、2004年3月9日に効力が発生しており、46か国が締結している(G8のうちカナダが締結済み)。この条約、議定書及び第二議定書とも、我が国については、批准書又は加入書の寄託の後3か月の12月10日に発効することとなる。