
柏崎刈羽原子力発電所への地震による影響
平成19年7月27日
- 今般の大規模な地震により、我が国の新潟県、長野県等の住宅などに大きな被害が発生したが、東京電力(株)柏崎刈羽(かしわざきかりわ)原子力発電所に対しても、変圧器の火災など被害が発生した。
- しかしながら、同原子力発電所の運転中のユニット(全7基中4基。残りの3基は定期検査中で稼働を停止していた)は設計どおり自動的に停止するなど、原子炉の安全性については何ら問題がない。
- また、地震の結果、極微量の放射性物質が7号機から大気中へ、6号機から海中に漏洩したが、その影響は、大気中への漏洩については一般公衆が1年間に自然界から受ける放射線の約1000万分の1、航空機により東京-ニューヨーク間を往復する際に受ける量の100万分の1であること、また海中への漏洩の影響については、一般公衆が1年間に自然界から受ける放射線の約10億分の1、航空機により東京-ニューヨーク間を往復する際に受ける量の1億分の1程度であり、これらは法令上の基準をはるかに下回ったものであることは当然として、周辺環境に影響を与えるものでも全くない。なお、これらの漏洩は既に止まっている。
- このような事実であるにも関わらず、一部海外メディアにおいて不適切な報道があったことなどから誤った認識が流布し、残念ながら我が国への渡航等において悪影響が発生している。
- なお、我が国は本件について事象発生直後から国際原子力機関(IAEA)に情報発信・共有を進めてきたが、IAEAから、日本が本件の徹底的な調査を行う能力があることを確信しているものの、国際協力の観点から調査団を派遣する用意があるとする提案があったことを受け、原子力安全分野における国際協力の観点での情報共有を進展させるために、IAEAの調査団を受け入れ、共同調査を行うこととした。これにより、同原子力発電所の現在の安全性がより客観的に証明されるとともに、我が国原子力発電を巡る透明性が一層向上し、また、地震による影響の教訓が国際的に共有される助けとなるものと期待している。