報道発表

イラク国民融和セミナー
イラク代表団プレス・ステートメント(仮訳)

平成19年3月30日


  2007年3月26日から30日まで、イラク国民融和担当大臣を団長とするイラク国民議会議員等一行13名は日本政府及びJICAの招待で「イラク国民融和セミナー」に参加した。イラク一行は、東チモール、南アフリカ等世界における平和構築の例や、北アイルランドにおける融和の取組等につきその分野の専門家から講義を受けた。イラク一行は、イラクが紛争解決や治安の安定のために日本を含む国際社会の経験をどのように活用するかに関する情報や経験を共有した。また、イラク一行は、広島を訪問し、原爆記念館を訪問した他、我が国における民主化、平和及び復興の定着の経験を共有した。また、イラク一行は、東京において、国民融和促進、憲法改正、財産分配、非バアス化法案の再検討等、イラク人が抱える重要な事項につき意見交換を行い、次のような諸点につき、確認した。

 

(1)国民融和実現のための努力を継続する。現下のイラク情勢の改善のためには、イラク政府による治安対策とともに全イラク国民の間の共存を追求することが重要である。

(2)政治プロセスに参加していない勢力を同プロセスに参加させることを慫慂する。それがイラクの安定化に繋がることを希望する。

(3)石油法案の閣議決定は前向きな一歩であると認識する。全てのイラク人に対し、同法案を議会で承認するための努力を払うことを求める。それが、イラク国民の利益を保証することに繋がる。

(4)イラクの統一維持のためには、憲法の下で全ての宗派・民族間の平等を実現することが必要である。また、国家の重要事項については、全勢力がその意思決定に加わることが必要である。そのためには、承認されたメカニズムに従い、憲法を改正することが重要である。それは、法律、組織、人権を伴う国家の建設に繋がる。

(5)イラクの指導部の間で非バアス化法案を議論することが重要である。

(6)政治プロセス、特に国民融和の努力における女性の役割を支援する。

(7)国の機関、特に悪の集団(要因)から成る治安機関を浄化する。

(8)イラク一行は、日本の復興の経験を習得することに多大なる関心を表明し、各地への訪問や散策、セミナーを通じ、特定の分野における日本の経験を共有した。

 (9)イラク一行は、イラクが様々な分野での基礎的サービスを発展させることに真摯に努力する必要性を認めた。また、イラク国民の手元に雇用の機会を与え、失業問題に取り組む重要性を確認した。また、この分野での日本の役割の必要性を確認した。

  
   また、訪問中、イラク一行は、麻生外務大臣、国会議員等と会談し、現下のイラク情勢につき意見交換を行った。イラク一行は日本のこれまでの支援に深い謝意を表明した。また、今回のセミナーが大変有意義であり、今後も同様のセミナーの定期的な開催の要望を表明した。日本政府からは、今回のセミナーがイラクの国民融和促進に向けた前向きな一歩となることに対する期待が表明された。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る