報道発表

人間の安全保障基金を通じたメキシコでの事業に対する支援

平成24年10月15日
  1. 今般,国際連合から我が国に対し,メキシコで実施される「脆弱な移動中の移民の保護を改善するための政府機構及び市民社会の能力強化支援」事業に対して,国連人間の安全保障基金から,約321万ドル(約2億6000万円)の支援を行うことが決定された旨通報がありました。本基金は,人間の安全保障の推進を目的として,1999年に我が国が主導して国連に設置されたものです。
  2. この事業は,国際移住機関(IOM),国連開発計画(UNDP),国連人口基金(UNFPA),国連難民高等弁務官事務所(UNHCR),国連薬物犯罪事務所(UNODC)が,移動中の移民を狙った誘拐を始めとする犯罪が多発するメキシコ南部国境付近のチアパス及びオアハカにおいて,犯罪や暴力といった脅威に晒されると共に,地元住民からの差別待遇や排除に直面する移民の人間の安全保障を確保するための支援を行うものです。主な内容は以下のとおりです。
    (1)脆弱な移民に対して適切な支援を提供できるよう,連邦及び州政府の能力強化を支援
    (2)移民支援を実施する市民社会団体や避難所の能力を強化
    (3)移民の受入れ先となるコミュニティにおける移民の脆弱性に関する意識改革や,コミュニティと避難所のネットワーク強化により,移民とコミュニティ住民の平和的共存を促進
  3. この事業への支援が実施されることにより,脆弱な地位に置かれた移民の人間の安全保障の推進が期待されます。

(参考1)人間の安全保障基金とは,人間の安全保障の実践のため,我が国のイニシアティブにより1999年に国連に設置された信託基金。人間の安全保障基金に対し,我が国は現在までに総額約413億円(約3億7,007万ドル)を拠出している。これまでも,この基金を通じ人間の生存,生活,尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の210以上のプロジェクトを支援してきている。

(参考2)人間の安全保障に関する国連総会決議
2012年9月10日,第66回国連総会において,我が国の主導により「人間の安全保障の共通理解」に関する国連総会決議が採択された。
本決議は,国連加盟国間の長年にわたる議論を経て醸成された人間の安全保障に関する共通理解を確認するものであり,人間の安全保障の議論における大きな前進が図られた。なお,本決議は,人間の安全保障に関する二つ目の総会決議である。

このページのトップへ戻る
報道発表へ戻る