報道発表

日露電話外相会談

平成23年9月9日

本9日(金曜日),午後3時から約30分間, 玄葉光一郎外務大臣は,外務大臣に就任したことを受け,日本側の発意により,ラヴロフ・ロシア外務大臣(Lavrov, Sergey Viktorovich, Minister of Foreign Affairs of the Russian Federation)との間で電話会談を行いました。

  1. 玄葉大臣から,概要以下のとおり述べました。
    (1)自分は,被災地である福島県出身であることもあり,東日本大震災に際してのロシアからの協力に感謝する。9月7日にヤロスラヴリで発生した航空機の墜落事故にお悔やみを申し上げる。
    (2)アジア太平洋地域は,成長センターであると同時に,不安定な要素も存在している。自分は,このようなアジア太平洋地域に,開かれた多層的なネットワークとルール作りのメカニズムを構築しようと考えており,アジア太平洋地域で役割を果たそうとしているロシアとの関係を重視している。
    (3)本年秋は,日露間の経済アジェンダが盛り沢山である。日露関係を真に戦略的次元に発展させるためには,こうした経済面での協力とともに,領土問題を解決し平和条約を締結することが不可欠である。
  2. これに対し,ラヴロフ外務大臣から,概要以下の発言がありました。
    (1)外務大臣就任に対してお祝い申し上げる。大震災に際するロシアの支援に対する高い評価に感謝。ヤロスラヴリの航空機事故に対するお悔やみの言葉にも感謝。先日の日本における台風被害に対するお見舞いを申し上げたい。
    (2)ロシアとしては,日露関係の進展を目指したい。近代化等の経済会議の成功に向け協力していきたい。また,ウラジオストクAPECなど国際場裡においても協力していきたい。
    (3)平和条約締結問題については,静かな環境の下で対話を継続する用意があり,日露の良好な雰囲気の中で実施すべきである。
  3. 玄葉大臣から,ここ数日の日本周辺におけるロシア軍機の動きを取り上げ,日本側の関心を伝えるとともに,刺激的な行動の自制を要請し,また,関連情報の提供を要請しました。これに対し,ラヴロフ外務大臣から,ロシア軍の行動は国際法上問題ないとの立場を述べた上で,関係当局を通じ,必要に応じ情報提供をする用意がある旨述べました。

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