報道発表

日ニュージーランド(NZ)外相会談及びワーキング・ディナー(概要)

平成23年5月27日
写真:日ニュージーランド(NZ)外相会談及びワーキング・ディナー 写真:日ニュージーランド(NZ)外相会談及びワーキング・ディナー




 本27日(金曜日)午後6時30分から,松本剛明外務大臣は,外務省賓客として来日したマレー・マカリー・ニュージーランド(NZ)外務大臣(The Honourable Murray McCully, MP, Minister of Foreign Affairs of New Zealand)と,飯倉公館において会談(約45分)及びワーキング・ディナー(約100分)を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,ワーキング・ディナーでは,東日本大震災の被災地産の食材を提供しました。

  1. 冒頭
     松本大臣より,NZ南島地震での日本人犠牲者に対するNZ政府の格別の配慮に感謝するとともに,多くの犠牲者を出したCTVビル倒壊原因の迅速かつ徹底的な究明を求めました。また,東日本大震災に際する救助隊の派遣等NZの迅速な支援に謝意を表明しました。
    これに対しマカリー外相から,NZの地震に際する日本の支援に感謝するとともに,現在CTVビル倒壊原因等の調査を行っている王立委員会が迅速かつ徹底的な究明を行い,来年4月の最終報告に先立ち本年10月に予定されている中間報告で家族の質問の多くに回答できることを期待している旨述べました。
  2. 二国間関係
    (1)東日本大震災への我が国の対応
     松本大臣より,東日本大震災への我が国の対応を説明するとともに,我が国産品の輸入に関してNZが冷静な対応を取っていることを評価し,原発事故については,引き続き国際社会に対し最大限の透明性をもって迅速に情報を提供していきたい旨述べました。
    これに対しマカリー外相から,日本人の強靱さに感銘を受けている,両国で起きた悲劇を乗り越えるため協力し,そうした中で二国間関係も強化していきたい旨述べました。
    (2)海上の安全・捕鯨
     松本大臣より,シー・シェパードの妨害行為は海上の安全の問題であり,こうした行為は許されない旨述べ,妨害行為の再発防止に向けた実効的な措置を講じるよう要請しました。また捕鯨に関し,NZを含む関係国と協議を継続したい旨述べました。これに対しマカリー外相は,捕鯨問題については引き続き外交的解決を目指して協議していきたい旨述べました。
  3. 太平洋島嶼国地域での協力
     松本大臣より,太平洋島嶼国地域の繁栄と安定に向け,引き続きNZと連携したい旨述べるとともに,来年5月に沖縄で開催が予定されている第6回太平洋・島サミットに向けた協力を要請したのに対し,マカリー外相は,日本と協力していきたい旨応答しました。また両外相は,太平洋島嶼国に対する援助について,日NZ援助当局間で協議していくことで一致しました。
    松本大臣よりフィジー情勢を注視している旨述べたのに対し,マカリー外相より日本に対してあらゆる情報を提供していきたい旨応答しました。
  4. TPP
     マカリー外相よりTPPに関する日本の検討状況につき照会があったのに対し,松本大臣より,震災を受けて「総合的に検討する」こととなったが,自分としてはTPP交渉の進捗状況に応じ,日本の意向を交渉に活かせる早いタイミングを選ばないと意味がないと考えている旨応答しました。また,マカリー外相からは日NZ間のFTAの可能性についても関心表明がありました。
  5. 国際場裡での協力・地域情勢
    (1)両外相は,国連安保理改革について意見交換しました。マカリー外相からは,ニュージーランドは引き続き日本の常任理事国入りを支持するとの発言がありました。
    (2)そのほか,両外相はアフガニスタン情勢,北東アジア情勢,EAS等の地域協力枠組みについても意見交換を行い,こうした重要な地域問題についても緊密に協議していくことで一致しました。
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