
岡田外務大臣によるフィヨン仏首相表敬(概要)
平成22年7月16日
16日(金曜日),午後3時より25分間,岡田克也外務大臣は駐日仏大使公邸において来日中のフィヨン仏首相を表敬したところ,概要は以下のとおりです。
- 冒頭,岡田大臣から,フィヨン首相の訪日を歓迎する,3月にはクシュネール仏外相を迎えて有意義な意見交換を行った,これらの往来を日仏関係の強化につなげたい旨述べました。
これに対し,フィヨン首相から,お目にかかれて光栄,日仏関係は大変良好であるが,良好である期間が長すぎたため,お互いへの関心が薄くなりがちである,自分は親日家の1人として日仏関係の一層の強化が必要と考えており,グローバル・ガバナンスのような国際的な課題や,原子力,航空産業,バイオテクノロジー,環境保護といった分野で更なる協力の余地があると思う旨述べました。
- フィヨン首相から,グローバル・ガバナンスのあり方の一つとして,国連安保理改革が重要であり,フランスは一貫して日本の常任理事国入りを支持している旨の発言がありました。
これに対し,岡田大臣から,支持に謝意を表した上で,我が国としても安保理改革を積極的に動かしていきたいと考えている旨述べ,今後の進め方について両国で緊密に連携していくことを確認しました。
- アフガニスタン情勢に関し,岡田大臣から,20日のカブール会議に出席する,アフガニスタンにはガバナンスや汚職の問題はあるが,日本は5年間で最大50億ドル程度の支援を効果的かつ適切に執行していきたい,カブール会議において,正式に「平和・再統合プログラム」が発表されることを期待している旨述べました。
これに対し,フィヨン首相より,日本の対アフガニスタン支援を評価する,フランスも,病院・学校建設や民間部門の経済活動を支援していく,それと同時に,仏軍を始めとする他国の軍隊が撤退できる環境を作るためにはアフガニスタン警察や軍の強化も必要である旨述べました。
- フィヨン首相と岡田大臣は,その他,イラン情勢やアフリカ開発についても意見交換を行いました。
アフリカ開発の関連で,フィヨン首相より,アフリカにおけるエネルギーや水対策,また温暖化対策の観点から,革新的資金調達による支援が重要である,日仏がこの分野を主導することを期待する旨述べました。これに対し,岡田大臣から,日本で革新的資金調達に関する会議を開催して自分が議長を務める予定,それに向けて日本としての考え方をまとめたい,また,アジアの中では革新的資金についてはまだ認知度が低いところ,これを広めていきたい旨述べました。