
豪州における対日世論調査(結果概要)
平成22年5月27日
外務省は,現地民間調査機関会社に委託して,平成21年11月10日から14日に豪州にて対日世論調査を行いました(とりまとめ結果は本年3月に完成)。豪州での対日世論調査は,今回,10回目(前回は平成18年3月)となります。結果概要は以下の通りです。
- 概観
●今回の調査結果では,日豪関係が非常に良好,又は良好であるとの回答が約5割でした。将来,日豪関係を全ての分野において一層緊密化していくべきとの回答が25%,現在の関係を維持すべきとの回答が37%,より距離をおくべきとの回答が30%でした(前回調査では順に27%,66%,1%)。
●一方,日本は信頼できる友邦か,との質問には,6割が「いいえ」,2割が「はい」と回答し,前回調査時の約1割が「いいえ」,6割が「はい」との回答から逆転する結果となりました。また,日本は異文化の国であり理解の難しい国かとの質問に,同意又は強く同意する人は,前回調査時の約6割から約8割に増加しました。
●日本が経済力に相応しい国際的役割を果たしているかとの質問には,51%が果たしていないと回答しました(前回は「果たしている」が58%)。
●捕鯨問題については,59%が,日本沿岸の捕鯨についても不同意又は強く不同意とする等,いずれの質問にも捕鯨反対の回答が多くみられました(前回調査では捕鯨問題の質問項目なし)。
- その他
●日本のイメージについては,「伝統と文化の香り高い国」,「経済力と先進技術の国」,「平和友好国」という回答が多くみられました。また,日本人の性格については,「伝統的/教養がある」,「勤勉」,「知的」,「礼儀正しい」,「能率的」等の回答が相対的に高くみられました。
●対日関心分野については,「文化・伝統・歴史及び宗教」,「日本人及びその生活」,「観光情報」,「日本食」といった分野が上位を占め,「政治・外交・安全保障」の分野は相対的に低い関心が示されました。また,参加してみたい日本関連イベントとしては,「日本食」,「観光」,「伝統芸能・文化」に関するものが上位を占めました。
●親近感を感じる国としては,ニュージーランド(66%),カナダ(60%),英国(58%),米国(43%)に次ぎ,日本(40%)であり,アジア諸国の中ではトップでした。
●豪州との友好的関係を維持又は強化することが非常に重要または重要と考える国としては,英国,米国,ニュージーランド,カナダ,中国に次ぎ,日本(55%)でした。
●第二次大戦と日本人については,88%が,第二次大戦の歴史を踏まえつつも,今日では大戦の日本の関与は重要ではない,又は日本に肯定的な感情を持っていると回答しました。
●日豪で将来強化すべき分野は「環境」がトップで,また,日豪の貿易関係については,日本が豪州にとり最大の貿易黒字相手国である点等の事実を認識する人は1割以下でした。
●日本が指導的役割を果たすべき分野としては,「科学技術の発展(69%)」,「国際紛争解決のための政治的役割の拡大(57%)」,「核軍縮・不拡散への取り組み(56%)」,の順に高い回答でした。
●日本が国連安保理常任理事国になるべきかについては,「そう思う」が43%,「思わない」が38%でした。