
ウクライナ大統領選挙(決選投票)に対する我が国選挙監視要員の派遣
平成22年2月3日
- 日本政府は、2月7日(日曜日)に予定されているウクライナ大統領選挙(決選投票)の公正な実施を支援するため、地域情勢に詳しい有識者2名(大野(おおの)正美(まさみ)朝日新聞論説委員及び湯浅(ゆあさ)剛(たけし)防衛研究所主任研究官)と在ウクライナ大使館員6名の計8名を選挙監視活動にあたらせる決定を行いました。このうち、有識者2名を含む4名は今回の選挙における主要な国際監視団である欧州安全保障協力機構/民主制度・人権事務所(OSCE/ODIHR)国際選挙監視ミッションの要員として派遣し、他の4名は日本政府の監視員としてウクライナ中央選挙管理委員会に登録し、活動します。
- 今回の大統領選挙はヴィクトル・ユーシチェンコ大統領の任期満了に伴い実施されるもので、1月17日(日曜日)に実施された第1回投票において過半数を獲得した候補者がいなかったことから、決選投票が行われることになりました。2004年12月のウクライナにおける「オレンジ革命」後最初に行われる今回の選挙が自由で公正に行われることは、同国の民主主義の定着にとって極めて重要であり、OSCE/ODIHR国際選挙監視ミッションには、主要国から600名以上の監視要員が派遣される予定です。
【参考1】ウクライナ大統領選挙
任期は5年で2期までの再選が可能。2004年12月の前回選挙で選出された現職のヴィクトル・ユーシチェンコ大統領は現在第1期目。本年1月17日にされた今回の大統領選挙には現職のユーシチェンコ大統領を含む18人が立候補したが、過半数を得票する候補者がおらず、2月7日に上位2名(ヤヌコーヴィチ元首相(35.3%)及びティモシェンコ首相(25.1%))による決選投票が行われることになった。なお、1月17日の投票に際しては、我が国より在ウクライナ大使館員2名をOSCE国際選挙監視ミッションに派遣し、同大使館員4名を日本政府監視員としてウクライナ中央選管に登録した。
【参考2】ウクライナの「オレンジ革命」(2004年11~12月)
2004年11月の大統領選挙決選投票の結果、与党ヤヌコーヴィチ候補の当選が宣言されたが、野党ユーシチェンコ候補の支持者らは、同選挙において大規模な不正が行われたとし、決選投票の無効とやり直しを求める大規模な抗議集会を首都キエフで開いた。同年12月、最高裁判所が決選投票の不正を認定し、やり直し投票が行われた結果、ユーシチェンコ候補が勝利した。この一連のプロセスは、ユーシチェンコ候補支持のシンボル・カラーにちなんで「オレンジ革命」と呼ばれている。