報道発表

「平泉-浄土思想を基調とする文化的景観」の世界遺産一覧表への記載物件の推薦について

平成18年9月14日
  1. 我が国政府は、9月14日(木曜日)、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づく「世界遺産一覧表」への記載物件の推薦について、文化遺産として「平泉-浄土思想を基調とする文化的景観」を推薦することを決定した。

    推薦物件の内容:

    • 概要:
      平泉は、東北地方のほぼ中央に位置し、12世紀に奥州藤原氏により浄土思想を基調として完成された当時の日本の北方領域における政治・行政上の拠点である。自然地形に順応して造られた施設とその周辺の農村は、地下に完全な状態で遺存している考古学的遺跡を含め、良好な文化的景観を形成している。特にその構成要素である寺院建築や庭園群は、浄土の世界を具現化した空間造形の傑作であり、その背景を成した精神性は、宗教儀礼・行事を通じて現在にも継承されている。
    • 所在地:
      岩手県平泉町、奥州市、一関市
  2. 我が国政府は今回の決定を受け、ユネスコ世界遺産センターに対し、明年2月1日までに推薦書を提出する。その後、専門的見地からの審査を経て、平成20年7月頃に開催される第32回世界遺産委員会において本件の「世界遺産一覧表」への記載の可否が決定される見込みである。

(参考)

  1. 現在我が国からは、文化遺産10件、自然遺産3件の計13件の物件が世界遺産一覧表に記載されている。
    文化遺産:
    法隆寺地域の仏教建造物(1993年記載、奈良県)
    姫路城(1993年記載、兵庫県)
    古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)(1994年記載、京都府・滋賀県)
    白川郷・五箇山の合掌造り集落(1995年記載、岐阜県・富山県)
    原爆ドーム(1996年記載、広島県)
    厳島神社(1996年記載、広島県)
    古都奈良の文化財(1998年記載、奈良県)
    日光の社寺(1999年記載、栃木県)
    琉球王国のグスクおよび関連遺産群(2000年記載、沖縄県)
    紀伊山地の霊場と参詣道(2004年記載、三重県・奈良県・和歌山県)
    自然遺産:
    屋久島(1993年記載、鹿児島県)
    白神山地(1993年記載、秋田県・青森県)
    知床(2005年記載、北海道)

    平成19年6月23日から7月1日に開催される予定の第31回世界遺産委員会(於:ニュージーランド)において、「石見銀山遺跡」が我が国からの記載物件として審査される予定。)

  2. 世界遺産条約関係省庁連絡会議の構成
     外務省、文化庁、林野庁、水産庁、国土交通省、環境省
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