28日午後9時50分過ぎから約25分間、麻生外務大臣は、ラヴロフ・ロシア外務大臣と電話会談を行ったところ、やり取りの概要以下のとおり。本件電話会談は、日本側より申し入れたものである。
(1)我が国国内の厳しい雰囲気については、貴大臣もよくご承知のことと考える。今回の事件が日露関係全般に悪影響を及ぼしてはならず、そのためにも一刻も早い乗組員3名と船体の解放の実現が極めて重要である。
(2)このような痛ましい事件を繰り返さないためにも、本件の背景にある未解決の領土問題につき、日露双方にとって受入可能な解決策を見出すべく取り組んでいくことが必要である。
(3)また、現状においては、1998年の北方四島周辺水域操業枠組協定及び1981年の貝殻島昆布協定という既存の漁業協力の枠組みを引き続き堅持し、これらの下で安全かつ安定的な操業を円滑に継続することが重要であり、引き続き日露間でよく話し合っていきたい。
(1)乗組員及び船体の解放については、露側としてもできるだけ迅速に解決すべく努力する。露側の手続が早期に終了し、日本側にお伝えできることを期待している。船長と2人の乗組員の間では今回の事件への関与に差があると考えている。
(2)領土問題と今回の事件を関連づけることは必ずしも適当ではない。既存の漁業枠組みに基づく日露協力は、両国の信頼関係の構築のための重要な要素であると考えており、引き続き維持・発展させていきたい。
(3)再発防止に向けて、日本側関係者の努力を求める。