報道発表

日露電話外相会談

平成18年8月28日

 28日午後9時50分過ぎから約25分間、麻生外務大臣は、ラヴロフ・ロシア外務大臣と電話会談を行ったところ、やり取りの概要以下のとおり。本件電話会談は、日本側より申し入れたものである。

  1. 麻生大臣より、今回の日本漁船に対する銃撃・拿捕事件に対して、改めて我が方立場を申し入れるともに、以下のとおり述べた。

    (1)我が国国内の厳しい雰囲気については、貴大臣もよくご承知のことと考える。今回の事件が日露関係全般に悪影響を及ぼしてはならず、そのためにも一刻も早い乗組員3名と船体の解放の実現が極めて重要である。

    (2)このような痛ましい事件を繰り返さないためにも、本件の背景にある未解決の領土問題につき、日露双方にとって受入可能な解決策を見出すべく取り組んでいくことが必要である。

    (3)また、現状においては、1998年の北方四島周辺水域操業枠組協定及び1981年の貝殻島昆布協定という既存の漁業協力の枠組みを引き続き堅持し、これらの下で安全かつ安定的な操業を円滑に継続することが重要であり、引き続き日露間でよく話し合っていきたい。

  2. これに対し、ラヴロフ外務大臣は、改めて本件について遺憾の意とともに、亡くなられた乗組員及びその家族に対する哀悼の意を表明した上で、以下のとおり述べた。

    (1)乗組員及び船体の解放については、露側としてもできるだけ迅速に解決すべく努力する。露側の手続が早期に終了し、日本側にお伝えできることを期待している。船長と2人の乗組員の間では今回の事件への関与に差があると考えている。

    (2)領土問題と今回の事件を関連づけることは必ずしも適当ではない。既存の漁業枠組みに基づく日露協力は、両国の信頼関係の構築のための重要な要素であると考えており、引き続き維持・発展させていきたい。

    (3)再発防止に向けて、日本側関係者の努力を求める。

  3. これに対し、麻生大臣より、領土問題に関しては我が方立場がある旨改めて指摘した上で、日本漁船に対する銃撃・拿捕が繰り返されることのないよう、露側が最大限の自重と抑制をもって対応すること、及び、いずれにしても乗組員3名と船体の一刻も早い解放が重要である旨述べた。
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