人間の安全保障基金による「改善された農業生産と地域社会に根差した起業活動を通じたスリランカ北部・東部地域における紛争の影響を受けた人々の持続可能な生計手段の回復支援」プロジェクト支援について
平成18年7月31日
- 我が国政府及び国連は、7月31日(月曜日)、国連工業開発機関(UNIDO)がスリランカ民主社会主義共和国において実施する「改善された農業生産と地域社会に根差した起業活動を通じたスリランカ北部・東部地域における紛争の影響を受けた人々の持続可能な生計手段の回復支援」プロジェクトに対し、人間の安全保障基金を通じ、177万9,298ドル(約1億9,226万円)の支援を行うことを決定した。
- スリランカ北部及び東部地域において、20年以上にもわたる紛争により多くの人々が貧困、慢性的な食糧不足及び経済からの隔離を余儀なくされている。本プロジェクトは自耕自活農家、国内避難民、帰還民、寡婦家庭等の紛争で影響を受けた人々の生計手段の回復のために、貧困改善のための農業の生産力向上及び小規模な商業活動振興の支援を行うものである。主な活動は以下の通り。
(1)起業活動の振興のための訓練等の地域主体で実施されるイニシアティブに地域住民を参加させるためのコミュニティ開発グループを組織する。
(2)農機具の供与や訓練プログラムの実施を通じて農業の生産力を向上させる。
(3)就業機会の増加と収入の創出のため、金属細工師、農産関係事業の女性起業家、女性グループ及び青年に技能訓練を提供する。
(4)地域の商工会、職業訓練校及び大学と協力して、人材を育成する。
- 本事業の実施により、スリランカ北部及び東部地域における持続可能な経済の復興を支援することが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約315億円(約2億7,973万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の150件以上のプロジェクトを支援してきている。