人間の安全保障基金によるスーダンにおける妊産婦死亡率削減のためのキャパシティー・ビルディング・プロジェクトへの支援について
平成18年7月28日
- 我が国政府及び国連は、7月28日(金曜日)、国連人口基金(UNFPA)がスーダン共和国において実施する「ヌバ山地域における母親の安全のための支援:妊産婦死亡率削減のためのキャパシティ・ビルディング・プロジェクト」に対し、人間の安全保障基金を通じ、129万8,374ドル(約1億4411万円)の支援を行うことを決定した。
- スーダンのヌバ山地域においては、医療サービスの不十分さと正しい保健知識の入手の困難さが同地域における高い妊産婦死亡率の原因と考えられている。このプロジェクトは、村落の助産婦の能力を高めるなどの活動を通じて、ヌバ山地域における既婚女性のリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の改善及び家族計画サービスの拡大を図るものである。主な活動は以下のとおりである。
(1)60人の助産婦等に対して正確で質の高い家族計画カウンセリングを行えるようにするための支援及び家族計画の支援拠点への避妊具の支給。
(2)整備された訓練施設での200名の助産婦と25名の保健訪問員に対する妊婦管理及び基本的な分娩技術に関する訓練の実施。
(3)ワークショップの開催や教材の配布を通じた助産婦の役割に対する地域社会の理解の促進。
(4)基礎的な緊急分娩の十分整備された施設での実施。
- このプロジェクトの実施により、ヌバ山地域におけるコミュニティと個人の能力強化を通じて同地域の母子保健の状況が改善されることが期待される。
- なお、我が国はスーダンにおける平和の定着のための支援を積極的に実施し、昨年4月に表明した当面1億ドルの支援については全て使途を決定しており、本支援を含め、今後ともスーダンにおける平和の定着を積極的に支援していく。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月に我が国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約315億円(約2億7,973万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の150件以上のプロジェクトを支援してきている。